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『プリズン・サークル』を読んで感じたこと(上)

※この記事には、本のネタバレを含む内容が書き連ねてあります

書籍情報:『プリズン・サークル』

『プリズン・サークル』坂上香(岩波書店)

プロローグ「新しい刑務所」
1 ある傍観者の物語
2 感情を見つめる
3 隠さずに生きたい
4 暴力を学び落とす
5 聴かれる体験と証人
6 いじめという囚われ
7 性暴力 光のまだ当たらない場所
8 排除よりも包摂
9 助けを諦めさせる社会
10 二つの椅子から見えたもの
11 被害者と加害者のあいだ
12 サンクチュアリを手わたす
13 罰の文化を再考する
エピローグ「嘘つきの少年」のその後

『プリズン・サークル』坂上香(岩波書店)目次より

私と、『プリズン・サークル』(上)

出会いは偶然

私と『プリズン・サークル』の出会いは、ふと、SNSのタイムラインに上がってきた、ミニシアターの広告(映画『プリズン・サークル』)がきっかけだ。
私は、それまで、坂上香監督の名を知らなかった。ミニシアターという未知の空間、そこで映し出される舞台「刑務所」という非日常感が気になって、ふらりと電車に揺られ、劇場で当日券を買い、映画を観た。

映画『プリズン・サークル』を観て

映画は、現時点で2回足を運んで劇場で観ている。1回目は独りで。2回目は福祉関係の友人知人を誘い、3人で。
どちらの回も、内容に圧倒された。どちらかというと、2回目は事前にパンフレットであらすじを叩き込んだぶん、登場人物の心情を細かく想像しながら観られた。監督の坂上香氏、そして、制作スタッフの皆さまの圧倒的熱量を感じ、生まれて初めて、映画監督にファンレターを書いたほどである。

書籍版『プリズン・サークル』

そんな感動的な日々を少し忘れかかった頃、新聞広告で書籍版『プリズン・サークル』の発売を知った。映画では描ききれなかった詳細も載っていると聞き、その日のうちに書店に走った。
これは、その書籍版『プリズン・サークル』を読んでの、一個人の覚え書きである。


プロローグ「新しい刑務所」

名称:「島根あさひ社会復帰促進センター」

  • PFI刑務所と呼ばれる、官民混合運営型の刑務所の一つ

  • 映画で描かれる更生プログラム「TC」以外にも、複数の特色ある更生プログラムが用意されている

※日本の従来型刑務所の情報は、法務省公式サイトをご参照ください。

1 ある傍観者の物語

嘘をつき続けることは、どのようにして人々を人生の傍観者に追いやるのでしょうか?(TCのテキストより)

『プリズン・サークル』坂上香(岩波書店)1ページより

2 感情を見つめる

負の感情に目を向けるのが得意じゃないっていうか、めちゃくちゃ苦手ですね。(拓也)

『プリズン・サークル』坂上香(岩波書店)17ページより

拓也

  • プロローグの「嘘つきの少年」の筆者

  • 詐欺罪・詐欺未遂

  • 刑期:2年4ヶ月

真人

  • 強盗致傷罪・窃盗罪・建造物侵入罪

  • 刑期:8年

  • 傷害致死

  • 刑期:8年

健太郎

  • 強盗罪

  • 刑期:5年

3 隠さずに生きたい

僕は隠さずに生きたいなって思うんですよ。(健太郎)

『プリズン・サークル』坂上香(岩波書店)35ページより

4 暴力を学び落とす

環境が動くくらいの暴力。そういうのに魅せられてたのかなって。(翔)

『プリズン・サークル』坂上香(岩波書店)57ページより

5 聴かれる体験と証人ーサンクチュアリをつくる

俺、こんなに苦しいじゃん。なんで俺ばっか、こんな目にあわなくちゃなんないの?(真人)

『プリズン・サークル』坂上香(岩波書店)81ページより

6 いじめという囚われ

優しくされる、イコール怖かったんですよ。なんか裏があるんじゃないかなって。(健太郎)

『プリズン・サークル』坂上香(岩波書店)99ページより

第6章までを読んで(富岡個人の感想)

Coming soon … !
後日、加筆修正いたします。