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アンと青春 坂木司

坂木司さんの『アンと青春』を読んだので、読書感想文を記入!

はじめ

和菓子店でアルバイトとして働くアンちゃん。個性的な仲間、お客様に囲まれながら働く様子がありありと表現されています。
『和菓子のアン』に続き、本作もミステリー要素が盛り込まれていて、推理しながら小説を読める面白さもありました。
坂木さんの文章は読んでいて、ハッとさせられることが多々あります。様々な考えを小説という媒体で明瞭に届けられる坂木さん、すごいです…。

印象に残った箇所

・僕が思う日本らしさは、包み込むこと。相手を尊重して、いいところはどんどん受け入れる。それもただ真似するんじゃなくて、自分たちなりのアレンジを加えて包む。それってすごく素直でのびやかな感覚だと思うんだけど、どうかな

相手の文化を尊重して取り入れ、自文化の良さを組み合わせて新しい文化へと発展させていく。素敵な考え方。
私が思う日本らしさは、「頑固さ」。言い換えると「意志の強さ」。明確に言語化できないけれど、私はそう感じる。
(ここを言語化できるようになりたい…。)

・たぶん世の中には、数えきれないくらいたくさんのラインがあるんだろう。人としてのラインからはじまって、性別、年齢、国籍、立場。それぞれにくくられた集団としてのラインがあり、たくさんの「常識」がそれぞれの場所にある

私がアルバイトとして働いていた時、こんな考えにまで及ばなかった…。アンちゃんすごいよ…

・人は立場によってものごとの見え方が全然違う。たとえ同じような年齢で同じ性別でも、桜井さんと私の見ている世界が違うように

歩んできた人生が異なれば、同じ年齢・性別でも考え方や物事の見え方は大きく異なる。同じ人生を歩んできた人というのは、この世の中に一切いないのだから、百人いれば百通りの考え方がある。
日々の生活において、そのことを意識できるようになりたい。人それぞれに世界の見え方が異なると理解していれば、「どうしてあの人は私の気持ちや考えを理解してくれないのか…」という自分中心の考え方から脱却できる気がする。人によって考え方は異なると認識できていれば、他者の行動や気持ちを受け入れやすくなり、争いは減っていく気がする。

おわり

第三作『アンと愛情』も文庫化されているので、早く読みたい…!!
和菓子も食べたい…!!
この記事を執筆している今日は、お茶稽古の体験日。和菓子を食べる目的でお稽古に参加するわけではないけれど、和菓子を頂けるのではないかと、ちょっぴり期待しています(笑)

読んでいただきありがとうございました!

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