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ありふれた愛じゃない 村山由佳

はじめに

村山由佳さんの『ありふれた愛じゃない』を読んだので、読書感想文を投稿!
「真珠の輝きは、貝の苦しみから生まれる。」そんな一文から始まる本作。日本とタヒチで繰り広げられる恋愛に、ハラハラしました。
初めて読む作家さんの小説。情景が明瞭に浮かぶぐらい場面描写が上手で、スラスラと読み進めることができました。
ブックカバーのデザインが美しく「読んでも良し、飾っても良し」の作品だと感じます。

印象に残った箇所

淋しい淋しいって泣いてたら誰かがどうにかしてくれるわけじゃないでしょ。人生、しんどいことだって起こるけど、もし雨が降らなかったら、そのあとにあんなきれいな虹が架かることもないのよ

淋しい淋しいと泣いて誰かが助けてくれるのは、子供の時だけ。大人になったら、自分のことは自分でどうにかしなきゃいけない。自立するまでの過程ではたくさんの雨に打たれるだろうけれど、雨の後にはきっと大きな虹が架かる。

どれほど高価なものも、数が集まると逆に価値が薄れて見えることがままある。おそらくダイヤモンドでさえ、プラスチックの箱いっぱいにざくざく入っていたなら、ガラスのビーズか乾燥剤のシリカゲルにしか見えないだろう

希少性が高いと価値があるように感じ、希少性が低いと価値が薄れて見える。ダイヤモンドだけでなく、人間にも同じことが言えるなと感じた。例えば、仕事でみんなが同じスキルを持っていても、希少性は低く価値が高いとは思われない。けれど、他の人が持っていないスキルを身に着けることで希少性は高くなり、価値がある人材と認識してもらえる。自分のスキルを見極め、希少性が高くなる環境で働くことが自分の自信に繋がっていきそう。
価値ある人材になるためには、周囲の人が持っていないスキルを身に着ける必要がある。

誰もが、その人だけの人生を生きなくてはならない。それは自分にとっても同じことだ。でも同時にその人生は、願うならどんな方向にだって舵を切ることができる。強く大きな意志さえあれば、いつでも、何度でも。

願うならどんな方向にだって舵を切ることができる。日本という恵まれた環境で生活をしていれば、人生どうにだって変えていくことができるはず。まずはその環境があることに感謝したいなと、読んでいて感じた。
願ってもどんな方向にだって舵を切ることができない人達もいる。忘れないようにしたい。

おわり

次は『風よ あらしよ』を読んでみたいと思います!村山さんの作品にハマりそうな予感…!

読んでいただきありがとうございました。


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