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「高密度なその日暮らし」のその後

結局のところ、noteも7ヶ月以上更新することはなかった。なんのことはなく「その日暮らし」を徹底していたわけだが、振り返りがなかったかと言われるとそういうこともない。

今年はKindle端末を購入して、様々な電子書籍を買った。大体自己啓発で、買った時期に自分が仕事において何に悩んでいたのかめっちゃ分かるなあと思った。
この記録と、残されている記憶を頼りに、自分が1年間何を考えていたのかをなんとか思い返してみようと思う。

1~3月

新しい会社にデータアナリストとして配属されたと思ったらマネジメントをやることになり、、社内制度や組織体制を理解しようと必死だった時期。
どうやら前職よりも多いメンバーを抱える事になったので、なんとかマネジメントのヒントを得ようと必死だった。

また、機械学習システムの開発とか、ソフトウェア開発を積極的に考えたい時期というのも重なって、エンジニア部門と一緒にアジャイル開発についても勉強する機会に恵まれた。さらに言えば自分が作るのではなく、自分の旗振りのもとで仲間に作ってもらうというやり口も模索していた。

これらの学びが直接的に活きたかと言われるとそういうこともないのだが、なんとか会社に馴染もうと必死だった時期だったり「新しい環境で頑張るぞい!」って思ってかなり張り切っていた時期

4~6月

会社の体制や経営陣への謎の不信感に不安を覚え色んな人に相談していた時期。普通に体調も崩していたし、やる気で言えば底辺だった。
会社の利益構造を少しずつ理解(誤解6割)し始めたタイミングで、部下を道具のように使う仕事のやり方にあまり同調できず、割とすぐに転職を考えていたりとか、働き方全般、将来的にこうあるべきだろう、という話を色々な本(主に山口周氏だが)をもとに再定義しようとしていた時期。

特に『天才を殺す凡人』を読んだのは本当に大変な頃で、気が合わない人間、信頼できると思ったらソリが合わない人間など、同僚の性格やものの考え方がわかり始めたことで、どう付き合うべきかに悩んでいた時期なのだと思う。つらすぎて真剣に個人事業主化してFIREすることも考えていたレベル。

今思うと「安直すぎるし、そんなうまい話があるわけ無いだろう」と思うし、結構辛かったんだなと思う。極めつけはこれ。

理不尽な社会にかなり苦しんでいたというか、自分で勝手に観測範囲を理不尽なものと解釈していたというか、とにかく大変そうですね。

この時期最後に買っていたのはこれ。なんとか「お前考え過ぎ」みたいなことを自分の内省(と周りからの支援)をもって着地できた様子。

7~9月

所属する部署の体制が大きく変わり、モチベーションを取り戻した時期。新しい上司が就任して、本格的に部署の存在意義やマネジメント体制を再構築し始めた。
なぜかよくわからないがこの時期は羽生善治氏の書籍をめっちゃ買っていた。おそらく実務での仮説構築力が全く伴わなかったり、部門のマネジメントをレベルアップしないといけない、と思ったときに、全体を見る力とか、瞬発的な思考力とか、そういうものの足りなさに悩んでいたようである。

結果、自分には思考に瞬発力がなく、積極的にコミュニケーションを取る事のできる人間でもなく、社内の優秀な人間は平均的にこうした能力を持っているらしく見えたのがさらなる悩みになった。なんとか自分の特性を活かして会社に貢献する方法はないものかと、結局自己啓発本を必死に漁っていた。

運良く?世の中に置いても「ネガティブケイパビリティ」という、内省志向の再評価みたいなビジネス書がここ数年流行している様子であった。ただ今思うと、内省志向の人間のための本というよりは、積極的にコミュニケーションを取らなければならない社会で生きていこうとして疲れてきた人々のための本なのだと思う。真に内省志向の人間はこういう本を読まずとも、自分と向き合うための方法や自分自身との対話の仕方をよく理解しているはずなので。

10~12月

部署の立ち上げに成功したが、会社の利益への貢献に全く寄与できない状況が続いている。自分に自信がなくなってきたし、それならもう少しユルい仕事をして、副業や投資などで足りない分の金を集めようなどと考えている様子。

関連して社会課題の解決をより直接的にやろうと言うことも考えていたようで、それに関連して改めて経営学を学ぼうとしている。

最終的に直近で買ったのはマーケティングの学び直しだった。

総括:2023年の内省と2024年に向けて

総じて新しい環境に慣れよう、与えられた職務をまっとうするために必要な考え方、価値観のアップデートを進めようと必死にもがいた結果、なんかとっちらかった読書履歴になっている。共通して外交的な志向を持たない人間として、外交的な文化の会社でどう生き残るか、ということについて必死になって悩んでいるらしい。
未だに答えが出たわけでも、2024年から吹っ切れる直感も全くないので、多分2024年になっても、31歳になっても、きっとこういう「20代で答えを出しとけよ」というレベルの悩みで頭を抱えるのだと思う。でもこれが私の人生だと思うことにする。

致命的なことに専門書の記録がないように思われるが、実際電子書籍ではなく物理本として購入していることが多く、直近では以下のような本を買っている。

Mixed-Effects Model and Small Area Estimation

混合効果モデル含め、回帰モデルは個人的に一番関心のある統計学のテーマで、最近英語だが書籍が出たので買った。正直1mmも理解できていない

マーケティング効果の測定と実践

原著は2000年の本なので、トピックとして古いかと思ったら、割と使える言及が結構多い。逆に言えば、マーケティングにおいて測定すべきことが何で、それをどのように測定するのが正しそうか、という部分の根本に大きなパラダイムシフトは起きていないということも言えるのだろうか……。

マーケティング・サイエンス入門

これも同様。多分入門書であるからこそ、古典的なマーケティングの考えに基づいた市場反応分析について詳細に記述されているのだと解釈する。

R言語による実装で良書だと思われる一冊。これは新しい知見をえるというより、部下や後輩に適切な指示を論拠を持って示す場合に使うような感じ。

その他、個人的に面白かった本たち。

大規模言語モデルの台頭については注目していて、結局人間の思考における本質とは何なのかとか、人間が行う言語のコミュニケーションに関する理論とか、よくわからなくなってきたので、問い直す本も結構読んだらしい。

数学者の生き方とか自伝は個人的に好きでめっちゃ読んだらしい。

途中までしか読んでいないが、現代アートの価値のつけられ方についての本

ユルい表現で構成された古事記。こういうのを読みたかった。あと表紙がいい。

去年本屋で見かけて「次見かけたら買おう」と思ったところ、11月に2度めの邂逅を果たしたので購入。ゲーテに共感できる人間、カフカに理解を向けられる人間、私はカフカ寄りだった。

上記に関連してカフカを読んだことがなかったのでカフカの作品を手にしている。まだ読めてない。

ゲーテも履修していなかった。ウェルテル効果しか知らないがなぜウェルテル効果と呼ばれるのか、どれだけの魔力がこの作品にあるのかよく知らない。

悩むところに本があり、脱線する先にも本があり、元の道に戻っても本がある。とりあえず一生かけて読めない程度には書籍に溢れている。読まなくても良かった、と思う本も少なくなかったが、読むべき本だけ読むよりは、たまにそういう後悔も人生だろうと思うことにする。良いお年を。


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