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OIST 入学に至るまで Part3—面接審査編


Part2に引き続き、実際のOIST入試の体験について書きます。
今回は面接試験編です。OISTの面接はAdmission Workshop (AWS)と呼ばれています(Amazon Web Servicesではない)。
AWSは年二回 (2月中旬と6月中旬)行われており、それぞれの書類の締切は11月中旬と3月末です。
大体書類審査で500~600名位応募があるらしく、AWSにはそこから50~60人/回程度が選ばれてきます。書類の倍率は約10倍といったところでしょうか。ちなみに僕は3月末に出願→4月中下旬に書類通過の連絡が来ました。

AWSはSkype等を使用したオンライン面接ではなく、約3~4日間OISTキャンパスに滞在して行われます。このときの渡航費、滞在費等は全てOIST負担です。ちなみに、AWSと受験者の都合がどうしても合わない場合は、次のAWSに受験を延期する事が可能です。例えば、2月のAWSに呼ばれたけど卒論修論で受けることができないから6月のAWSに参加したいという希望は通るそうです。

僕が受験した2019年6月のAWSは月曜着(前泊日)→金曜発(後泊日)だったので4泊5日でした(後述しますが、沖縄の滞在を少し伸ばすことも可能で、僕は伸ばして6泊7日しました)。

4泊5日のAWSのスケジュールをざっくりと書くと
月: 前泊
火: 大学院の説明 + 研究紹介
水: Interview
木: Interview + 観光・ショッピング
金: 解散 (希望者はMarine science station見学)

といった流れでした。
ここではAWSのメインとなる火曜〜木曜の流れを中心に紹介します。

火: 大学院・研究の紹介
いわゆる大学院説明会と行った感じです。特に海外からの受験生はOIST (沖縄、日本も)に初めてくる人が大半なので、大学院のシステム、待遇、沖縄での生活等、かなり具体的な説明をOISTの事務職員や在学生からうけます。OISTに進学する上で不安な点、気になる点があればこのタイミングで確認しておくのがベターだと思います。
研究紹介は、OIST PIが一コマ20分で各研究室の研究紹介をします。全部で4コマ分行われ、それぞれのコマに4人しゃべるので16名のPIが講演します。面接に呼ばれるタイミングでどのPIの講演が聞きたいかアンケートが来るので、その中で興味の有るそうな講演を選びます(面接官になりそうな人、将来的に行きたいラボの先生を選ぶのがいいです)。

水木: Interview
AWSのメインとなる試験です。形式としてはOIST PIと1対1で30~45分程度 英語でディスカッションをします。
【人数/面接官について】
昔は面接官5名だったそうですが、2019年6月のときは面接官は4名でした(今後変わるかもしれません)。誰が面接官となるかは前泊で到着した際にもらえる資料に掲載されており、水曜日までに面接官の分野や論文をチェックして面接に臨みました。
僕の面接官を見る限り、おそらく「第一志望の分野のPI 1名」+「近い領域から2名」+「分野外のPI 1名」といった構成でした。もちろん、分野次第では「分野外の研究者」の人数が増える可能性はあります。
一方、分野外といっても完全に関係ない分野から選ばれているわけではない印象を受けました。例えば、バイオ系の志望者に対しては、生物を対象にした物理, 化学のPIが選ばれている感じです。
もし、面接官でないが話しておきたいPIがいる場合は、追加のリクエストをして面接官を増やすことも可能です。第2志望くらいで考えているPIの人が面接官にいないことがあるので、その場合はリクエストしたほうがいいと思います。また、面接官が出張に出ている場合、時差の問題が克服できればzoomでのオンライン面接になったケースも有りました。

【面接内容について】
面接官によって聞き方や内容が異なりますが、基本的には「これまでしてきたこと」と「OISTでしたいこと」について質問を受けました。「これまでしてきたこと」≒ 「OISTでしたいこと」であれば、具体的に説明していく事が非常に重要だと思います (研究能力をきちんと示す)。一方、「これまでしてきたこと」≠「OISTでしたいこと」の場合(別の分野に移りたい場合)は、「なぜ分野を変えたいのか」「これまでやってきたことがどのように活かせそうか」をきちんと説明できると良いと思います。

僕の場合はどちらかと言うと後者のスタンスで、「OISTでしたいことはXXで、それにはこれまでやってきた〇〇という手法や△△の知識が活かせそう」という話をしました。また、近い分野の面接官には研究の方針や手法などをできる限り具体的に、分野外の先生には用語の解説から丁寧に説明することを心がけました。僕の場合、理論物理のPIが面接官 (生物系はチョットわかる)にいたので、その人には基本的なところから話をしました。

ちなみに面接の待ち時間は結構長いです。面接の待ち時間は参加者同士で話したり、同じPIの方に先に面接受けた受験生にどんな感じだったか聞いたりしてました。あとここで仲良くなっておくと、入学後感動の再開を果たせます笑。あと、事務系の職員さんが常駐してたので、OISTでの生活とかを聞くこともできました。

木: Interview後
全体の面接が終了する3日目午後は観光(万座毛に行く)...のはずが、豪雨で道の駅・スーパーマーケットに行くコースに変更となりました。もずく天ぷらが美味でした。スーパーマーケットも入学後のライフラインとなる場所なので、どの程度の品揃えか見ておくといいと思います。
その後、OISTの交流企画として定着しているTea time、また夕食会(寿司!)の時に在校生やPIの方々とOISTでの研究や生活についておしゃべりしました。夕食後以降はフリータイムだったので、OIST最寄りのバーで他の受験生と飲んだり、ゲストハウスで遅くまでみんなでトランプして遊んでました笑。翌朝に解散して、多くの人は那覇空港行きのバスで帰っていきました。
僕はというと、海洋生物用いた実験をしているMarine Science Stationを見学にいきました。詳細は割愛しますが、海に近い立地を生かし、海洋生物研究をしている興味深い施設です。
AWSは試験終了後に2日間まで沖縄での滞在を伸ばせます。僕は2日延長し、万座毛いったり読谷村のビーチで泳いで沖縄を満喫して帰路につきました。

AWS その他雑記
面接以外の時間もOISTキャンパス内にいる間はチェックはされている(ような気がします)。
例えば、夕食時やTea timeにはOISTの学生やPIの先生方と一緒に食事するのですが、その時に誰ともコミュニケーションを取ろうとしない、言動がヤバい、辺りはチェックされているかもしれません。あと集合時間を全然守ろうとしないとか。個人的には、あまり固く考える必要はなく、コミュニケーション取っておけば大丈夫そうな印象です。

それとOIST AWSの面接は絶対評価で点数を算出し、基準点を超えていれば合格を出すそうです。なので、参加者同士で定員を争う試験ではないです。故に、面接でどんなこと聞かれたかとか受験者同士で共有してました。

大体60名中 30~40名ほどが合格し (これが1回分)、(特に海外の人は)併願で受ける人が多いので、辞退者がある程度出て最終的な入学者は2~3回分合わせて30〜45名くらいです(2019年は46名入学で過去最多らしい. 来年は更に増えるかも)。6月に受験する日本人の大半はB4/M2で受験し翌年の5月 or 9月入学します (僕はイレギュラーで6月受験→同年9月入学でした)。

人にもよりますが、面接の合格が出るのはめちゃくちゃ早いです。僕の場合AWSの翌週火曜日には合格通知が来ました。2nd selectionの対象になったり、Additional interviewが必要と判断された場合 (これはonline interview)には、もう少し合否出るのが遅くなります。



以上、3回に分けてOIST受験のことについてかきました。
ほんとに雑記なので読みにくい部分多々あるとは思いますが、OIST入学を考えている方々の参考になれば幸いです。ここ二年くらいの間に入学を考えている方々がいれば、おそらくOISTのどこか出会えるとおもいます。
未来のOISTerと会えるのを楽しみにしています!

こんなことについて書いてほしい等あれば、コメントください!
余裕がある時に書ける範囲で書こうと思います。

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