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OIST 入学に至るまで Part1—受験検討編

この記事は、修士卒→2019年9月にOIST入学(分野: バイオ系)した人間が書いています (OIST入学したてなので、実際の雰囲気についてはまだまだつかめていない部分が多いです)。

受験検討編、書類審査編、面接審査編の三部構成でOIST入学に至るまでの話を書きたいと思います (*1)。
OISTへの進学を(なんとなく)考えている人を対象に考えています。
(注)個人の体験談なので、非常にバイアスがかかっています。あくまでも参考程度にお読みください。

この記事で書いたことは以下の3つについてです。
向いてる人: 複数分野に跨がる研究がしたい人 / どの分野を専攻するか迷ってる人
研究室見学/ボスとの面談は可能な限りしたほうがいい
OISTを実際に訪問できる機会をうまく利用すべし

OISTに向いている(と僕が思う)人
海外大学院に興味があって、(海外大学院にシステムが近いという理由で)OISTを受けたいと考えている方もいるかと思います。実際併願で受けている人も多い印象ですが、一つ留意しておくべきことがあります。
それは、一つの研究分野に絞って取り組みたいのであれば、OISTのシステムはあまりおすすめできないということです。

OISTのプログラムは、授業・研究共に分野外の内容を取り入れるカリキュラムになっているため、一般的な日本の大学院で修士-博士の研究を行った場合に比べて相対的に研究に割ける時間が短くなります。例えば、OISTにはラボローテーション制度が一年目にあり、3つの研究室で約4ヶ月間ずつ研究を行います。このローテーションでは、必ず一つは分野外の研究室に配属される事になるため、自分の分野に近い(あるいは配属を希望する研究室)での研究時間は若干短くなってしまいます(*2)。また授業も主専攻分野以外の講義/実習を1~2科目取ることが求められます。そのため、一つの研究対象に対して集中的に研究したい人には、OISTのシステムは時間を取られてしまうように感じるかもしれません。

自分のやりたい研究が複数分野にまたがっている場合や、複数の分野に対して興味があり、どちらも研究に従事してから最終的な配属研究室を決めたい場合は、OISTのシステムは非常に適していると思います。僕個人としては、前者の理由と分野を変えたいのでOISTへの受験を決めました。

研究室見学/ボスとの面談は事前にするべきか?
OISTの入試自体は研究室見学等を行わなくても合格することは可能です。
ただ、OIST以外の大学院を受ける時と同様に、事前に研究室見学やボスとSkype等で面談しておくことを僕は勧めます。
それはコネクションを先に作っておいたほうが面接で有利ということよりも、ボスやラボの雰囲気、研究方針を事前に確認しておいたほうがいいからです。
OISTの研究科には、2019年9月現在70名程度のPIがいるのですが、これは全分野を合わせた人数のため、分野によっては担当するPIが一人しか居ない、といったケースもあります。
その場合に、PIの目指してる方向性と合わなかった/ ラボの定員やボスの任期の関係で学生が取れない / ラボの雰囲気が合わないといった問題に直面したときに、OISTでその分野の研究を諦めざる負えないリスクがでてきます。なので、PIの方針やラボの雰囲気を確認する意味で、研究室の人と事前に会っておくことを強く勧めます。

OISTを実際に訪問する機会をうまく利用すべし
前項で「OIST のPIやラボの人たちと会うべき」と書いたものの、沖縄以外の地域からOISTを訪問するのは結構大変です。OISTの環境が適しているかどうかも実際に行かないと見えてこない部分があります。
そこで、Research InternshipやScience Challenge、Skill Pills+といったイベントを上手く利用してOISTを訪問してみるのをおすすめします。ここでは僕が参加したScience Challengeについて少しだけ紹介します。

OIST Science Challengeは簡単に言えば「OIST博士課程の体験入学プログラム」です。
OISTに実際1週間弱滞在して、OIST PIの講演やラボツアー、グループワーク/ディスカッションを通して、OISTの大学院を体験するプログラムです。このプログラムで滞在中に興味のあるPIの先生とディスカッションや研究室見学しておくと、ラボの方針やどんな感じで研究を進めているか実態がつかめるかと思います(*3)。
余談ですが、Science Challengeは年によってテーマが決まっており、プログラムへの参加や最終プレゼンのときにテーマに沿ったプレゼン資料を作成します。ここで考えた内容は、書類審査の準備に役立ったりもします。

以上、OISTに向いてそうな人、研究室見学、OIST滞在のすすめ の3点について取り上げて僕なりに雑記しました。書類審査編、面接審査編についてはまたの機会に書きます。

(*1) 一応入学以降の話も書くかもしれないですが、飽き性なので続かなかったらごめんなさい。
(*2) この定義はかなり曖昧だったりします。
(*3) OISTに限らずですが、研究室見学する際はラボのボス以外の人(研究員、学生など)にも色々と話を聞くのを勧めます。実際に研究を遂行している方々から雰囲気を教えてもらうことで、ボスの面談からだけでは見えてこない部分が分かることがあります。

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