OIST 入学に至るまで Part2—書類審査編

Part1ではOISTに向いてそう(と僕が勝手に思っている)ことについて、OISTに研究室見学に行くべき!という話を書きました。
Part2, 3では実際の試験内容について書きます。

OISTの入試は書類審査→面接審査の2段階選抜です (2021年9月現在. 今はオンライン面接だそうです)。
国内の大学院とか入試形態がかなり異なるので、これを理由にOIST受験をためらう人もいるかと思います。個人的には、OISTのシステム・ラボが合っていると感じているのに、入試形態のせいで諦めてしまうのはもったいないと思ってます。
ちゃんと準備すればどうにかなるので、ざっくりとではありますが解説&僕がどうしたかを紹介したいと思います。
基本的にはUSAの大学院入試のシステムと同じなので、USAの大学院入試の体験談や対策本、記事を読むとOIST入試の対策もできるかと思います (余談参照)。

実際に出願に必要な物を見てみましょう (HPから抜粋. 一部改変)。
https://admissions.oist.jp/ja/apply-phd
【必須】
1. 大学の成績証明書および在学証明書または卒業(卒業見込)証明書
2. 志望動機書(英語400語以内で下記の2点について記述したもの)

* 出願者の科学的興味・関心
* OISTの博士課程で修得したいこと
3. パスポート
4. 履歴書 (CV or Resume)
5. 推薦状

* 指導教官等から出願者の学業・研究に関する推薦状を2通から5通(ただし3通以上が望ましい)提出ください。
6. TOEFLもしくはIELTSのスコア
* スコアの最低点は設けていません。
【任意】
* 過去2年以内に取得したGRE(Graduate Record Test)のスコア等の学力を証明する書類
* 著書・論文等の名称、概要、口頭発表等を記した補足資料、その他業績の証明書類等

おそらく特に重要なのは必須項目の2と5 です。
幾つかの項目について、かいつまんで紹介します。

成績 (GPA)について
OISTはGPAの足切り基準等を公表していないので(大学院によっては書いてるところもある)、どの程度取れていればいいのかは正直不明です。
ですが、おそらくOISTでやりたい専門分野の科目は高い成績であることが望ましいと予想されます (風のうわさを聞いたことがあるけどホンマかどうかは知らないです)。

志望動機書
EssayとかStatement Of Purpose (SOP)とか呼ばれるタイプのやつです。OISTの要求する内容をきちんと盛り込んだ内容にするのが大前提です。
どういう書き方をすればいいかは海外大学院を受験した方々の情報を探してみると分かると思います。僕自身は
1. どのように科学的興味を培ったか
2. その興味を満たすためにどのような研究をしてきたか
3. OISTどのような研究がしたいか. 過去やってきたことがどのように活用できるか

という流れでEssayを書きました。

ただし、OISTの場合400 wordsと非常に短い内容です。書いてみれば分かりますが、全然内容を盛り込めないです。個人的にはある程度長めに書いて、他人に見てもらいながら不要な部分を削る方向でまとめていきました。
なお、僕自身はOISTや海外大学院に進学した先輩に計7回、Nativeの人に2回添削してもらいました。
学部の頃海外大学院に出願していたこともあり、ある程度型はできていたので10日間くらいでEssay完成させました (本当はもう少し時間をかけたほうがいいと思います)。

履歴書 (CV/Resume)
必須資料にはちゃんと書かれていないですが、必要となる書類の一つです。
必要事項がいわゆる日本の履歴書と異なったりするので、「”Graduate school” “Resume” “sample”」等で検索するとたくさん参考になりそうなサンプルが見つかります。
色々アクティブに活動して、様々書くことができそうな人は、OISTでどの部分を押していきたいかを考えてResumeを作製するといいと思います (個人的には余計なことを書きすぎても読みにくいだけだと思ってます)。

推薦状
おそらくここが一番困難に感じるところだと思います。OISTは2~5通要求で、3通以上が望ましいという形式です。指導教官等から出願者の学業・研究に関する推薦状なので、研究室の先生や講義等でお世話になった人にお願いすることになるかと思います。英語力を証明するためにネイティブ講師にお願いするのも手だとは思います(ただし研究について評価できる人は複数居たほうがいいと思います)。大切なのは、推薦状を書く人がよくあなたのことを知っていることです。そのため、OIST(や海外大学院)受験まで時間があるのであれば、いろんな先生と仲良くなっておくことをおすすめします。
僕自身は学部のボス、修士のボス、直属の研究員の計3通を用意しました。
(注)人にもよりますが推薦状は書いてもらうのに結構時間が必要です。遅くとも1~2ヶ月前にはお願いしておきましょう。僕のときは3月末出願で前年10月くらいにOIST受験することと合わせてお願いしました

ちなみに、推薦状を読む側の意図についてはOIST PIの一人であるエコノモ先生の記事を読むと分かるかと思います。https://www.jstage.jst.go.jp/article/seitai/66/3/66_735/_pdf

TOEFLもしくはIELTSのスコア
ここを気にしている人が多いとは思いますが、OISTはスコアの最低点は設けていません。英語面接があるので、そこで喋れれば問題ないということなんでしょう(たぶん)。ただし、出願には必要なので、書類が間に合うように余裕を持って受験しておきましょう。ちなみにパスポートは英語試験の受験にも必要なので、こちらも早めに取得したほうがいいです。

任意のGREは不要だと思います。海外大学院と併願しててそこそこのスコア取れてれば出したらいいかな程度です。論文等あれば必ず出してください。業績があると強いです(ただし、僕はなかったのでなくても通ります)。

こんな感じの書類を集めて、年二回の出願チャンス(11月中旬 or 4月頭)に提出します。出願検定料タダです。
以上がOISTの書類審査の概要です。

(余談)
OIST入試の対策については海外の大学院の受験体験等を探して参考にしたらいいと思います。
幾つか参考になるのを挙げると、
米国大学院学生会 (http://gakuiryugaku.net/) (Twitter: ‎@gakuiryugaku) ニュースレター読んだりや留学説明会にいくと海外大学院の体験談が色々知ることができます。
カガクシャ・ネット (http://www.kagakusha.net/)
オンライン相談会に一度参加したことがあり、海外大学院の話を直に聞けるいいチャンスです。
この2つをすすめるのは、単に情報を知れる以上に、海外大学院を進学先に考えている人たちと交流できるというのもあります。海外大学院受験は想像以上にしんどいプロセスなので、お互いに触発し会える仲間(ライバル)を持つことで、苦しい時期も乗り越えれたりします。その時知り合った友人は実際に海外に行ったり、日本に残ったり、僕みたいに半分外国みたいなところにいる人もいます。

OISTの受験体験談を書いてはいますが、個人的にはOISTの受験は海外大学院受験に必要な内容そのまま(ややボリューム下げた感じ)と思ってます。なので、「OISTに進学したい!」と考えてる人は海外の大学院も同時に進学先として検討していいともいますし、逆に「海外大学院に進学したい!」と考えている人はOISTも進学先候補に加えてもいいと思います。

Part3につづく…

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