女の人にどんな人がタイプかと聞くと、だいたいの人が条件の１つにこれを挙げるんじゃないかと思う。
『優しい人がいい』と。
そりゃそうだよな、と思う。
誰だって優しくないよりは優しい方がいいに決まってるし、そもそも好きな人にすら優しくできない男とか何やねんって話やし。

だからこの『優しい人がいい』という条件を聞いて「それなら俺だって……！」と、思ったことがある人も結構いるんじゃないだろうか。
でも、この『優しい』って、実はとても難しいんじゃないかと思う。
勿論それは「女の子が求めているのは単なる優しさではなくて、自分だけに特別に向けられた優しさだから」っていう、当たり前のことではないところで。

そもそも、優しさとはなんなのか？

まずはこれだと思う。
優しいと一言に言っても、間違いなく答えは１つではない。
例えば体調不良を心配するのも優しさだし、重たい荷物を持ってあげるのも優しさだろう。
でも、間違った道に進もうとしている人を怒るのも優しさだし、一人立ちできるようにあえて突き放すのも優しさに違いない。
こんな風にちょっと例を挙げるだけでも全然違う優しさが出てくるし、それを優しさだと思っているのは自分だけということも多々あると思う。

だからちょっと極論になってしまうけど、どんな優しさであっても受け取り手が優しさだと認識していなければそれは優しいとは言えないんじゃなかろうか。
だからあたしは「優しい」というのはとても難しいと思う。
そこで、ちょっと例を挙げてみよう。

case１「キミの望むがまま」

👨「○日遊びに行こうよ！」
👩「良いよ、どこ行く？」
👨「Aちゃんの好きなところで良いよ」
👩「えっと、じゃあ動物園に行きたいかな」
👨「何時ごろにしよう？合わせるよ！」
👩「えーっと、お昼くらい？」
👨「ご飯はどうする？Aちゃんの好きなもので良いよ！」
👩「え……うーん、Bくんは何が食べたい？」
👨「僕は好き嫌い無いからAちゃんの食べたいものに決めてくれたら良いよ」

これ、よくある。
大人しそうで優しそうな男の人とデートしようとすると本当によくある。

一見女の子ファーストですごく優しい感じに見えるけど、よっぽど我の強い女の子じゃない限りこれは結構キツイと思う。
だって女の子に全部合わせてあげて凄い優しそうに見えるけど、実際は女の子に全部丸投げしてるだけやもん。
正直あたしは「テメーが誘ってきたくせにそんなに自分では考えたくないのか？？」って思ってイライラする。

そしてその人とのデートに行きたくなくなる。
だって行っても絶対これと同じようなこと続くんやで？
それただの地獄やんけ。

case２「キミさえ良ければ良い」

👨「Aちゃんパンケーキ好きだよね？今度食べに行こう！」
👩「大好き！行こう～！」
～当日～
👩「ここ来たかったの～！美味しそう！どれにする？」
👨「あ、俺は大丈夫。コーヒーでいいよ」
👩「……え？パンケーキ食べないの？」
👨「甘いもの苦手で。気にしないで食べてね！」
👩「あ、甘くないやつもあるよ？」
👨「知らなかったからさっき軽く1人で食べちゃったし無理かな。Aちゃんは好きなの食べてくれたら良いからね！」
👩「うん……」

よくはないけど、たまにある。
似たケースで「苦手な場所やけど行って、楽しまない」っていうのとかね。

いやね、解るのよ？
自分は苦手やけど、相手は好きやから合わせてあげようって気持ちは。

でもそれなら中途半端なことしないでってなる。
「自分は○○だから」っていう理由で一緒に楽しめないなら、連れていかれても楽しみきれないから。
むしろ「え、これ今から一人でするの？二人で来てるのに？じゃあなんで誘われた？めっちゃ気ぃ遣うやんけ地獄かよ！！」ってなったりもする。
一緒にいるんやから気にしないなんて無理やっちゅーねん！
せめて先に自分は無理なこと教えといてくれ！！

case３「キミ色に染まります」

👨「今度のデートどこ行きたい？」
👩「動物園に行きたいかな～」
👨「いいね！俺も動物園好き！」
～当日～
👩「晴れて良かったね！Bくんは動物園はよく来るの？」
👨「子供の時以来かなぁ」
👩「え？そうなんだ？好きっていうからたまに来てるのかと思ってた」
👨「最近興味もって。だからこれからは来ようかな？って」
👩「ふーん……ねぇ、Bくんはどんな子が好みなの？」
👨「女の子らしい子かな？OLっぽい格好とか、フワッとしたワンピース着てる子とか可愛いなって思う」
👩「じゃあわたしと服の好みは違うね！ジーパンとかカジュアルなの好きだし」
👨「あ、でも最近は俺もそういう服の方が良いかなーって思ってる」
👩「へー……そうなんだ……？」

過去１度だけこんなことがありました。

この人はこの後もずっとあたしの意見を聞いては「実は俺も」「最近は俺も……」と、コロコロと意見を変え続け寄せ続け……合わせようとしてくれてるのも、好意を寄せてくれてるのも解ってはいたけど本当にイライラしてしまった。
もちろん、このケースは特殊すぎるとは思うけど、あまりにも自分の意見を曲げてまで合わせてこられると、それを負担に思う事は結構あるんじゃないかと思う。

だって、そんな簡単に意見を曲げても本当にそう思っているはずはないし、そうなると本心が全く見えない。
そんな相手と付き合ったところで上手くいくとは思えないし、いびつな関係にしかならないと思う。
後々本音を持ち込まれても「いや、後出しするくらいなら先に言っとけや！」ってイライラさせられるだけやしね。

まとめ

ということで、ちょっと「それは優しさか？」って例を挙げてみたけど、どうだったでしょう？

書いた本人が言うのも変かもやけど、あたしはやっぱり、これらは優しさではないと思う。

こういうことをする人たちが悪意を持ってやっているとは思わないけど、相手に「何とかして気に入られたい」ということを気付かせてしまうほどの下心ありきの優しさは……やっぱり少し気持ち悪い。
だってその優しさって、自信の無さが透けて見えるもん。
自信がないから下手に出て下手に出て、嫌われないように振る舞うのは優しさではなくただの顔色うかがいに近い。

男でも女でも、惹かれるのはやっぱり自分と対等だったり憧れられる部分がある人だと思うから、こういう好意の向けられ方はあまり受け入れられないんじゃないだろうか。
というか、もし最初対等だったとしても、こういう風に優しくされると上下関係ができがちというか、アイドルとファンのような関係になって恋愛にはなりにくいと思う。

あと単純にものすごく困る。
本当に、とても困る。
だからこういうのは本当に良くない。

というわけで、この辺で。
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