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革新の年

2023年の1月。
思いもよらぬ機会に恵まれ、転職を決意した。

事実、前職の仕事は本当に難しいものであり、感性とビジネスの折り合いをつける事が中々できず、ただ時間と業務に追われ、自分の成長を感じられずにいた毎日だった。
転職の機会を伺っていたのも確かだが、あの頃の自分はかなり直感的に動いていたと思う。
退職。それまでの仕事に見切りをつけ、新しい環境に身を置くリスク。
そんな諸々の不安を捨て去り「いわば記念受験。ダメで元々。落ちたらここで死ぬまで働いてやろう。」と捨鉢な心境だった。

Leica M-E(typ220) / Leitz Hektor 7.3cm f1.9


結果、転職は成功した。
入社してからも実感がわかないほどに、本当に呆気なかった。

「内定」のメールを頂いてから、自分の中で何かが変わってゆくのを感じた。突然スイッチが入ったように。
今振り返るとあの頃の自分のバイタリティは、自分ではなかったんじゃないかと思うほどである。
前職の頃、仕事の合間を縫って自動車学校に通いながら、転職活動をする事自体がそもそもキャパオーバー寸前だった。「転職して心機一転…」とただ漠然と考え、具体的なビジョンはなにもなく、まさか内定を頂けるとは想定していなかった私は今更のように焦りだし、退職と入社手続きに追われながら超特急で免許取得を終えた。入社する2日前の事である…。(ここらへん、如何に私が行き当たりばったりで生きているかが伺える。汗)

退職の際、上司へ相談した時の事は今後ずっと忘れないであろう。
なんの前触れもなく急に退職を切り出した私の話を、真剣に聞いてくださった。迷惑ばかりかけていた私のこれからを案じてくださった。
前職への未練がないと言えば、嘘になる。もっと頑張れることがあったのではないか、もう少し在籍していたらなにか変わったのではないか…。
ただ、先輩方は今後の人生を考えた末に行動した私を、受け入れてくださった。
他では出来ない仕事を経験させてもらったあの3年間、あの期間があったからこそ、今がある。切にそう思う。

Leica M-E(typ220) / Leitz Summarex 8.5cm f1.5


そして4月、入社してからは優しい先輩方に囲まれ、初めての接客業ながら日々の業務を通して徐々に慣れていくことが出来た。少しずつではあるが、自分の成長も感じられる、正に天職のような環境である。

入社した4月からこの年の瀬に至るまで、あっという間の日々だった。
写真、殊にライカを通じて様々な素晴らしい出会いがあり、今までの人生の中で最も豊かな一年になったのではないかと思う。
以前よりも、年上の方とコミュニケーションを取る事が増えた。その度に、対等に話を聞いてくださったり、私の知らない知識や考え方を教えてくださる周りの皆様には、本当に頭が下がる思いである。

Leica M-E(typ220) / Leitz Summarex 8.5cm f1.5


それまで燻っていた、というと大げさだが
転職して本当に良かったと、胸を張って言える。
好きこそものの上手なれとはよく言ったもので、日々楽しんで物事に取り組む事の豊かさを実感する、そんな一年であった。

何かと焦りがちというか、前のめりに過ごしてしまったきらいはある。
俯瞰的に考えられず、猪突猛進に振る舞ってしまった時もあった。
来年はもっと地に足をつけて、今を大切に、穏やかに、縁に感謝して過ごしていけたらと思う。


少し早いですが、今年の振り返りを書いてみました。
関わってくださった皆様に心から感謝致します。また、来年もどうぞよろしくお願いします。


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