青瀬

ITF.23 A&D 眩く光る人になれますように

青瀬

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月に行こう。

君と二人で月に行こう。心中するなら月がいい。地球はちょっとうるさすぎるし、顔も知らない誰かのSNSのネタになるのはごめんだから。 住んでたアパートも、大学も、何ヶ月か前に行ったご飯屋さんも全部見下ろしながら空を上ろう。二人で宇宙を漂って、地球の方を見て、地球が青いことをこの目で証明しよう。月に着いたら、6分の1になった身体で地球に向かって落ちていこう。月から地球への投身自殺。手を繋いで、抱き合って、落ちているのか上っているのか分からなくなりながら私たちは宇宙服のヘルメットを外

    • 桜を食べる

      3月は去る、とはよく言ったもので3月があっという間に終わって、気がつけば4月になった。最近は気温も随分高くなって、桜の開花宣言のツイートも見た。多分桜だ、と思う花が咲いていたのも遠目からだけど見た。亀の速度で文章を書き進めていたらいつの間にか葉桜にすらなりつつある。 私たちは桜が好きなのだと思う。それもかなり。 実体としての桜が咲き始める随分前から、コンビニやスーパーでは桜の食べ物が並べられていた。桜もちをはじめとして、きんつば、どら焼き、クッキーまで。毎年のように出てくる

      • 不便になってしまった

        月はもはや月そのものとしてみられる機会をすっかり失いつつあるのではないか。月を月そのものとしてみられるのは心の中だけ、誰にも言わずひとりぼっちで月と向き合った時だけだ。ふと見た月が綺麗だったとして、それを隣にいる人やタイムラインに触れさせれば、その瞬間月は告白の象徴としての役割を持ちだしてしまう。 「月が綺麗ですね」 かの有名な夏目漱石が訳したらしいこの言葉。別に本当に告白だろうがそうでなかろうが、そう受け取られようが受け取られなかろうが、そこは大して問題ではない。月が綺

        • 告白のOKラインってどこ

          私には恋愛に対しての知識がまぁない。高校生の頃までは恋愛感情すらまともに分からないという有様であった。友人に「恋愛感情の好きってどういう感じなの?友人とかの好きの延長線上にある感じ?それとも全く別のベクトルにあるもの?」と聞くレベル。 大学生になり周りから入ってくる恋愛関係の話も多くなっていく中で疑問に思ったことがある。それが告白を受け入れるラインってどこだ?ということ。友人と話していくなかで、まず人を好きだ、と思うポイントとしていくつか視点がありそれが外見、性格、価値観の

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        月に行こう。

          アイスを買ってから1週間が経った。

          1週間ほど前、バイト終わりにご飯を買うためにスーパーに行った。目的は閉店間際でありえないほど値下げされている生魚を買うためだったのだが、その日は運悪くお魚が売り切れてしまっていた。スーパーの入り口から割とすぐのところに鮮魚コーナーがあり、せっかく来たのに入ってきたばっかりですぐ帰るのもなんだかなぁと思ってしまい店内をぶらつくことにした。こういうのが散財に繋がるってわかってはいるのだけどやめられないね。 アイス売り場に来た時、美味しそうなアイスが新しく出ているのを見つけた。チ

          アイスを買ってから1週間が経った。

          共感覚と自己開示

          こちらは十人十色Adventar Advent Calendar 2023(https://adventar.org/calendars/9231)に参加させていただき書いた記事です。 共感覚、というものをご存知だろうか。 文字なり音なりに色や香りなどを感じるちょっとした特性のようなものだ。私にはこの共感覚がある。認識している限りでは文字、音、味、香りにおいて共感覚を感じる。そこで色を感じるか、形を感じるか、といった感じ方の媒体はその時々によって異なる。 共感覚について説

          共感覚と自己開示

          SOS団バンドへのクソデカ感情

          この記事はげんしけんのアドカレ(https://adventar.org/calendars/9312)に参加させていただき書いたものです。 7月の半ば、私は所属する軽音サークルでの初ライブを終えた。ギターボーカルとして参加したそのライブは、友人が数多く来てくれたこともあり私の中で最高の体験となった。そのライブ会場というのが文サ館であったため、ライブを終えた私は楽器を置くためにげんしけんBOXへと向かった。その時BOXにいたのがイーサン先輩だった。 確かその時、イーサン先

          SOS団バンドへのクソデカ感情

          推しと諦観の話

          「推し」はいつから登場したのか 推しメン、推しキャラ、推し活…。今や当たり前になった「推し」という言葉だが、そもそもこれはいつごろ登場した言葉なのだろう、と考えてみる。 私が小学生の頃、「推し」という言葉はあまり一般的でなかったように思う。アイドルの話をするにしても「〇〇が好き」といった表現をしていた記憶がある。コミュニティの変化の影響もあるだろうが、中学生(2016〜2018年)頃に「推し」という概念がちょこちょこ登場するようになったと私は思っている。 オタク的行為へ向

          推しと諦観の話

          美しくなれないね、という話

          アドカレのところには共感覚の話だのフリマの話だの書いていましたが全く違うものを書くことになりました。そういうこともあるよね。 「美しくありたい」 中性的な整った顔、薄くスラリとした華奢な身体、澄んだ声に憧れ、中学生の頃だったかにそう思い始めた。その思いは高校生になってもましていくばかりで、歳を重ねるごとに落ち着くどころか強くなりもはや執着のようになっている気がする。中学生なんて思春期真っ只中の時期だし、自身の顔や体型が気になってしまうのは年相応のことだと思う。思うが、あまり

          美しくなれないね、という話