Manic Street Preachers〜かっこ悪くても続けていくこと

マニックスの解散宣言とは何だったのか

「30曲入りの2枚組のデビューアルバムを発表し、世界中でナンバーワンになって解散する」

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マニックストリートプリーチャーズのアルバムデビュー前の解散宣言。世間に対して息巻いて、マニックスは宣言した。

自分たちは本気だとギターのリッチー・エドワーズが自らの腕を切り刻んだ「4REAL」事件もあった。マニックスを妄言ばかりの馬鹿なバンド扱いする人もいた一方、熱狂的なファンが多かった。マニックス信者は私の周りにも数人いた。


セカンドアルバムを出す、というニュースを聴いて、ああやっぱり、解散しないのね、という声はあったが、批判はあまりなかったと思う。デビューアルバムの売り上げはある程度の成功を収めたとは言えるが、全世界でナンバーワンにはなっていない。むしろそんな解散宣言なんて無視するようにバンドはセカンドアルバム、そしてサードアルバムを発表した。

そんなマニックスに最大の悲劇が訪れた。リッチーの失踪である。リッチーは演奏面というよりはバンドの内面的な部分を支えていたように思う。文学的で内省的な歌詞や、マニックスの危なげなイメージもリッチーのパブリックイメージそのままだったと思う。

マニックスはどうなってしまうのか?ついに解散か?そんな不安の中、リッチー不在のまま、「Design for life」が発表された。悲しみの中でそれでも続けていく、という決意というよりは続けるしか、なかったんだと思う。


その後のマニックスは、3人で活動を続け、イギリスの国民的バンドになった。日本でもファンが増え続けてフジロックのヘッドライナーを務めるほどの人気だ。マニックスは世界に愛されるバンドになったのだった。

とにかく続けていくことだ。続けていくことは難しいのだ。かっこ悪くても続けていくことに意義がある。

傷つきながら解散に向かって走り続けたBiS

 BiS(Brand-new Idol Society)というアイドルグループがいた。いや、今もいるのだが。

オリジナルメンバーであるプー・ルイを中心としたアイドルグループだ。破天荒な活動でアイドルの概念をぶち壊した。熱狂的なファンは研究員と言われた。

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「武道館でライブをして解散をする」




BiSは武道館で解散、と言い続け、その破天荒な戦略はときに自らも傷つけた。実際、メンバーチェンジも多かった。私がBiSを知ったのは、非常階段とのコラボがきっかけだった。楽曲の良さに惹かれ、後追いでメジャーデビューアルバムを聴いたが、すでにそのメンバーの多くが今はもういないと知った。

現場にも何度か通った。研究員と言われる熱心なファンとまではなれなかったとも思うが、その現場の熱量はたしかにハンパなかった。私が見たBiSは、今テレビタレントとして2019年大ブレイクしたファーストサマーウイカがいた時期だ。とある研究員の一人は、こんなのが続いたら身が持たないから早く解散してほしい、とまで言った。応援する側の熱量のすごさは、解散という着地点があるからこそ成り立っていたのだと思う。

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結局、さまざまな事情があり、武道館ではなく「BiSなりの武道館」と銘打った横浜アリーナでの解散ライブでBiSは終幕する、と思われた。でもなんと翌日、元BiSとして下北沢シェルターでライブが行われた。チケットは3万円!は?

BiSは知らなくてもBiSHを知っている人は多いかもしれない。プロデューサーの渡辺淳之介氏が「もう一度BiSを始めたい」と始めたのがBiSHである。その活躍はいまさら書くまでもないでしょう。

さらにBiSはその後再始動している。オリジナルメンバーのプー・ルイを中心に第2期BiSがスタートした。その後いろいろあって今いるのはまったく違うメンバーによる第3期BiSである。ゾンビだ。

SaToMansionは解散なんてさせない

私がなぜ2019年の今、マニックスとBiSの解散騒動について思い出してこんな文章を書いているか、それはSaToMansionというバンドのせいである。

「YouTubeチャンネル登録数が年内1万人いかなかったら解散」

いや、SaToMansionはぜんぜん、ぜんっぜん違うんである。そもそも前述のマニックス、BiSのように世間に(全国的に)名が知られていない。そしてこのYouTubeの件は武井壮さんの指令である。本人たちはぜんぜん解散したい気持ちはないのである。


出身である岩手県では彼らはけっこう有名である。地元のタイアップの楽曲もある。人気もある。でも事務所にも所属せず、いわゆるインディーズ、いやインディーズっていいながら半分、メジャー。みたいなインディーズもあるじゃないか。そんな中、SaToMansionは完全にDIYなんである。そんな後ろ盾もないのに1万人チャンネル登録とかいけるのか?

正直厳しいと思った。でも、やるならやらねば。前回の記事でも書いたんだけど、YouTubeの登録数が少ないからバンドが解散とか、そんなのぜったいイヤだからね。彼ら、まだ志半ばだよ。ここで終わらせるわけにはいかない。

ほんとはこの記事を書き始めたとき、1万人登録なるか、結果がどうであれ、続けたい意志があるならバンドはやめるな、ってことを書こうかと思った。でも今12月16日1時、登録者数は6430人。まだまだな気もするが、ここ数日の増加率はすごいのだ。これはサトマン住人と呼ばれるファンがまわりに一生懸命呼び掛けてることと、メンバーのがんばりのおかげだ。いや、いけるんじゃないか?1/4の南部事変、ぜったい1万人達成して笑って迎えたいよ!

シャインの歌詞、すごいくるなあ。

だから、マニックスやBiSにつられ騙されてここまで読んでくれた人、SaToMansionを知らなかった人、ぜひサトマンTubeにチャンネル登録してください。そういうことです。

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