PSYCHO-PASS【深夜と正午】


この8月下旬、PSYCHO-PASSのDVDを再視聴していた。
最終回を見終えてエンディングテーマ『All Alone With You』を聴くと、
これは狡噛と槙島のための曲だったんだ感じる。
(歌詞の内容だけ見れば、この解釈は気持ちが悪いかもしれないが、誤解なきよう)

狡噛に追い詰められた際の、槙島のあの楽しそうな顔! うれしそうな、無垢な子どものような表情。

「きみが僕の孤独を嗤うのか」
「きみは僕の代わりを見つけられるのかい?」

槙島から狡噛に向けた、ある種の願いのような、祈りのような言葉たち。

「2度とごめんだね」
この返答に安心したように、満足して最期を迎えた槙島。

劇中で語られるように、ふたりはよく似ている。
言葉を交わさずとも、互いのことが手にとるようにわかり、
互いのことだけを見つめていた。
両者に通じていた情は友情などのあたたかな結びつきではなかったけれど、
それよりも濃いたしかな何かが通っていた。

槙島のヒトとしての生は終わったわけだけど、
みごとな〝勝ち逃げ〟だなあ、と思う。
その意味で、22話タイトル「完璧な世界」はピッタリというか……。
ああまでしあわせそうな顔で逝かれると、うらやましささえ覚えてしまった。


あなた→わたし→誰か→ほかの誰か