見出し画像

番外編、備忘録

“時間が解決してくれる。そんな言葉は聞くけれど、時間は早送りできないし、一秒は長い。今辛いのに、時間は同じ速さでしか流れてくれない。そうじゃない。今、助けてくれ。今、救ってくれ。今、辛いんだよ。今、悲しいんだ。と、頭を抱えているわたしが、「100冊の本に救いを求める。」noteを開設しました。”

と、そんなこころの叫びからはじまったこのnote
連載(?)は16回を迎え、すこし気持ちも落ち着いてきたように思います。

”100冊の本に救いを求める“は、0回目で解説したとおりの経緯で、夏頃にかなしいことがあったことをきっかけにはじめました。
実ははじめてすぐ、回復の兆しが見えたことがあり
「連載続けなくていいかも」という気持ちになったりもしたのですが、
あっさりまた地に落ちて、年始にふたたび気持ちを入れて書き始めてから今日に至ります。

顔が見える範囲の友人には、ほとんど話していません。
だって、さすがに超はずかしい。

わたしは普段何かを書いて発表をするようなことをしていないので、突然どうしたのかと思われそうだし、誤解を招きそうだからです。
実際、自分でも、かなしさをコンテンツとして消費しているんじゃないか?と思うことがある。なんだか茶化しているみたいだし、こんな形で乗り越えていいものなのかなあ、とか。

わたしは、このかなしみ自体はわたしだけのものだと思っています。
だからこのnoteに、かなしさの理由や経緯について書き残すつもりはありません。自分が毎日ちいさな選択を続けた結果で生まれた今日を否定する気もなく、でも、かなしみをいたずらに神格化するつもりもありません。ただ、毎日どんよりして生きるのはしんどいから、わかりやすい「やること」と「とりあえずのゴール」が欲しくてこのnoteを書いています。


と、言いつつも、ごく稀にこのnoteのをしてしまうこともありまして
その数少ないうちの一人から、ある日こんな連絡が来ました。

こんなうれしい連絡ある?????



彼女は仕事関係で出会ったひとで、文学やことばが好きなひとでした。
と言っても二回ほどしか会ったことがなく、住んでいる場所も遠い、感覚的にははじめましてに近いようなひと。きっと、その遠さが話すことができた理由の一つになったと思います。

はじめて会ったときに彼女が選んでいたことばや、話してくれたことがすごく素敵で、お誘いして一緒にお仕事をしたこともありました。
そんな彼女が、偶然にもわたしの超傷心中にこちらに来てくれたことがあって、意を決して話してみたわけです。彼女が短歌をすきなことは知っていたので、短歌読ませてよ〜〜〜〜などとわがままを言ったりもしました。

その日から数日後、届いた連絡がこれです。



短歌の…………
短歌の、メルマガ!!!!!!



わくわくする1週間がはじまりました。



短歌が届くたびに、いますぐ気持ちを伝えたくて、走り出しそうになります。でも、ルールは守らないといけない。だってこんなに素敵なイベントを考えてくれたんだから…。
けど、やっぱりどうしても伝えたい。
わたしは普段なにかを書いたり短歌を詠んだりしないけど、こんなのもらったらどうしてもお返事がしたい。31音に気持ちをねじ込めてみたい。

そんなわけで、彼女にお返事ができるようになる7日目まで、
返歌を残しておくnoteを書き始めました。

かなしいことってどこにでもあるけれど、うれしいことだってどこにでもあるよね。


1日目
左が贈られた短歌、右がわたしのお返事です。
藍色に綺麗な明朝体で書かれた画像が届いたので、勝手に好きな色合いをあわせて作成。
藍と橙って合う。

わたしにとっての行間と、光はなんだろうと考えたときに、意外と「あ、これ光かも」と頭に浮かぶものがあって、失ったものもあるけど、全部失ったわけじゃないなと思えました。

ジンベエもルフィにそう言ってるしなあ。


2日目



3日目


4日目
3日目で、一瞬「?」となった気持ちを、ぐわんと持っていくような短歌……。

(無粋とわかってますが、解説すると)
「ひ」をわたしにくれたから、「日」が使えないんですよ。
” にち ”なんですよ。
" あの「 」" なんですよ、うわあああああ

なんだこれ!短歌で伏線回収?!と大盛り上がりして、あがりまくった結果ふたつも返歌をかいてしまいました。ひひひ。


5日目

前日の興奮、まったくもって冷めやらぬ五日目。ちょっと雰囲気が変わって、力強さを感じます(?)
詳しくはないし覚えているものも数少ないけど、わたし、花言葉を調べる事はすきです。なのでつい検索してしまった結果、思わず蹲りました。

りんどうの花言葉って知ってますか?


6日目

昨日よろこんだけど、まやかしだったんかーい!
と、少し笑わされつつ、でも明日にはもう終わってしまうのかあと溜息。既にさみしい気持ちをのせて、でもだからこそちょっとふざけた気持ちも含めての返歌です。



7日目


朝、いつもより少し遅めに乗った電車の中で、じわじわ湧き上がるなにかを顔に出さないようにして読みました。
わたしだったら多分、1日目と7日目の短歌は、逆に送るなあと思うんです。つらい気持ちが強い方を先に、前向きさがあるものを終わりに。それがセオリーだと思うから。
でも、この7日目を最後においてくれたことに、すごい配慮を感じる。

もちろん今日までのすべての短歌がすてきだったし、すごかったけれど、これはなんか、特別の特別だ。わたし大賞をあげたい。


以上が、彼女がわたしにくれた短歌7日分と、その返歌でした。まだここは彼女に見せていないので、これから送りつけて、載せてもいい?と聞くことになります。
慌てる彼女の様子が、たった二回しか会ったことないのに目に浮かぶようで、もうすでにちょっとたのしい。し、かわいい。



7日間、色んな事を考えて強く思うのは、

わたしのかなしみはわたしだけのものだけど、かなしんでいるわたしはわたしだけのものじゃない。ということです。


同じように、わたしのよろこびはわたしだけのものだけど、よろこんでいるわたしはわたしだけのものじゃなくて、
だからこのnoteは公開されてもされなくてもどっちでもいいなあとおもいます。


わたしが全てを開示しきれなくたって、わたしのかなしみの一端に手を伸ばしてくれる人がいる。
それはすこしこわいことだけど、でも大きな救いでもある。

どんな理由でわたしがかなしんでいても
どんな理由でわたしがよろこんでいても
理由に関わらず、見守ったり寄り添ってくれるひとはいて

なにを知ってもらわなくても、17冊目以降のわたしはちょっと元気
でいいかもな~と思います。



備忘録だしね。

そんなわけで 〇〇さん、どっちでもいいんですが、これ公開してもいいですか?あと、お手紙が送りたいので住所を教えてもらえませんか。職場ではなくて、おうちのを希望します!そして最後にくれた短歌は、わたしだけのものにすることにします。


57577 × 7日の盾を得ました、かかってこいや

感想短歌

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?