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#4 / 札幌市100人カイギ キュレーター 齋藤美緒さん「異業種交流をしたことが無いチームだからこその目線を大切に、誰もが参加しやすい場を作りたい」

100人カイギに関わる人を掘り下げて伝える “& stories

今回お話を伺うのは、2022年12月にスタートした札幌市100人カイギ キュレーターの齋藤美緒さん。

札幌市100人カイギ・キュレーターの齋藤美緒さん

齋藤 美緒(さいとう・みお)さんプロフィール
2022年4月、新卒で旅行代理店に入社、札幌配属となった齋藤さん。社会人1年目で、見ず知らずの土地に移ったばかりにもかかわらず、何故100人カイギを立ち上げようと思ったのか。その経緯や、思い描く未来について語って頂きました。
※内容は2023年3月8日取材時点の情報になります。

■旅行好きと100人カイギの繋がり

――今日はお時間を頂きありがとうございます。まずは簡単に自己紹介をお願いできますか!?

札幌市100人カイギのキュレーターをさせて頂いています齋藤美緒と申します。福島県出身で高校まで福島で育ち、大学は横浜で過ごしました。もともと旅行が趣味ということもあって、ご縁を頂いた旅行代理店に2022年4月に新卒で入社。札幌配属になってまもなく1年が経つところです。

――旅行がお好きなんですね!そんな旅好きの齋藤さんならではのおススメの場所ってありますか?

インドネシアにある「ロンボク島」という島がおススメです。大学のゼミテーマが「東南アジアの地域研究」で、論文のテーマとして取り上げた島なんです。かの有名なバリ島のすぐ隣にあって、バリ島に負けず劣らず自然が本当に豊かなところなんですが、全くの無名。良い意味で開発が進んでないからこそ、ゆったりと自然を満喫できるんですよ。

――ロンボク島、初めて聞きましたがそれはぜひ行ってみたいですね!ちなみに、齋藤さんは旅行のどんなところに魅力を感じてるのでしょうか!?

その土地ならではの文化や食べ物に触れたり、知らない世界が広がると何かワクワクするんですよね。とりわけ地元の方と会ってお話したりすることが楽しくて、旅行ではゲストハウスに泊まって色々な方との出会いを楽しんだりもします。人見知りしない、誰とでも話せる、というのが自分の特長の1つ。そんな性格も、100人カイギを立ち上げる背景にあるのかもしれません。

■札幌市100人カイギが生まれた経緯

――そういう新しいことにワクワクする齋藤さんだからこそ、100人カイギも立ち上げられたと。この流れで札幌市100人カイギを始められた経緯について教えて頂けますか!?

話しは学生時代に遡るのですが、大学2年の時に「ジョブヨク」という学生と大人が「働き方・生き方」を語り合うイベントと出会い、運営として携わるようになったんです。で、学生でジョブヨクのような団体を手伝っていることが珍しかったのか、「横浜100人カイギ」さんにお声がけ頂き、登壇させて頂く機会に恵まれました。

そこで出会った参加者が本当に多様で、キャラが濃い皆さんとフラットにお話をさせて頂くことが楽しくて。横浜100人カイギの運営スタッフとしてお手伝いをするようになり、いつか自分でもこんな素敵な場作りをしてみたいなと、漠然とですが感じるようになっていきました。

横浜100人カイギに登壇する齋藤さん

――その漠然と感じていた想いが札幌で花開いたのはなぜでしょうか!?

就職して札幌という縁も所縁もない土地に来て、社会人1年目ならではのバタバタもあったので、自分が100人カイギを立ち上げるなんてことは、全く考えてなかったんです。が、ある日、会社の上司から

「社内だけでなくもっと外と交流をする機会を作りたい。そういった異業種交流できる場を作れないか!?」

という投げかけがあって。

「あ、それなら、100人カイギという面白いコミュニティがあるんです!」

っと、一つの事例として話題に出したんですよね。そうしたら

「それは面白そう!じゃ、言い出しっぺの齋藤さんがやってみてくれる!?応援するから!」

と、後に引けない感じになってしまって(笑)。とは言え、札幌市クラスの大都市であれば、既に100人カイギはやってるだろうと思ってホームページを調べてみたら、なんとまだ未開催だったんです。

元々横浜100人カイギのような場作りをいつかやってみたいと思っていたこと、上司の熱い後押しがあったこと、札幌市では未開催だったことも重なって、「これも何かのご縁、やってみよう!」っと、札幌市100人カイギを立ち上げるに至りました。

上司からプレゼントされた看板
想いのある支援者がいることも 100人カイギを立ち上げられた背景の1つ

――素敵な上司との出逢いがあったからこそ、札幌市100人カイギは産声をあげたんですね!発起人の齋藤さんを含めて、運営はどのようなメンバーで構成されているのでしょうか。

立ち上げは、社内外合わせて6名でスタートしました。

社内メンバーは全員コミュニティ運営をしたことがない、言わば素人集団。素人だからこその発想の自由さ・オモシロさはあると思う一方で、参加頂く方により良い場を提供していくためには、一定の経験値のようなものも取り入れたい。そんな想いから、社外のコミュニティやイベントに知見のある方にもお声がけさせて頂き、スタートを切りました。

その後、参加者の一人の学生が手伝いたいと言ってくれて、現在は7名で運営をしています。

札幌市100人カイギの運営者 / 6人のメンバーでスタート

■運営していく上での創意工夫

――コミュニティ運営の素人と玄人を混成するというチーム作りも面白いですね!2022年12月に札幌市100人カイギをスタートして、現在まで4回開催されてますが、実際にやられてみていかがでしょうか。

最初は「本当に人が集まるのだろうか、参加した人に喜んでもらえるだろうか」といった心配はありました。が、初回からほぼ満席の50名が参加してくれて。会場が凄い熱気に包まれているのを肌で感じられた時は、本当に嬉しかったですね。

――初回から50名!それは凄いですね!どのような工夫をしたら、それだけの人が集まるんでしょうか!? 

友人知人に「こんなイベント始めるので、ぜひ遊びに来て下さい!」といった、一本釣りを徹底したことがベースとしてあります。その上で、上司からは過去に名刺交換した1000名超の方にメール告知をしてもらったこと、北海道新聞の朝刊で大々的に取り上げて貰えたことも大きかったですね。

初回以降は、参加頂いた方の中でこんな素敵なイベントレポートを上げてくれる方がいらっしゃったりと、口コミも徐々に広がるようになり、2023年3月7日に開催された第4回会では、60名を超える方に参加頂けるようになりました。

――凄い順調な滑り出しですね!まだ4回目までの開催ではありますが、何か印象に残っていることはありますか!?

100人カイギでの出会いがきっかけで、100人カイギの外にまで活動が拡がっていくのが面白いなと思ってます。一例ですが、参加者の中で、アイスホッケーのイベント運営に携わっている方がいらっしゃって、その方が中心となって100人カイギで出会った人たちとアイスホッケー観戦に出かけるということがあったんですよね。100人カイギでの出会いによって、参加者の皆さんの世界が拡がっていくのは、運営者冥利に尽きるなと思います。

――早速そんな動きも出てきてるんですね!早々に盛り上がりを見せつつある札幌市100人カイギですが、運営していく上で、拘っていることや工夫されていることなどを教えて下さい!

札幌市100人カイギは、「外との交流を持ちたい!」っと言う上司の号令のもとに動き出した訳ですが、裏を返せば「そんな交流をしたことが無い」ということなんですよね。何故、交流をしたことが無かったかといえば、「異業種交流は、意識高い人が行くもので、参加ハードルが高い」というイメージがあったから。

そんな原点があって始まった活動なのもあり「異業種交流に参加したことが無いからこその目線を大事に、誰もが参加しやすい場を作る」ことに拘っていきたいと思っています。

――具体的にはどんな工夫をされてますか!?

最初のアイスブレイクを工夫をしています。
まずは、1対1で自己紹介を1分ずつしてもらって、次にその2人と別の2人で4人組みになってもらい、最初の1対1で話した人を相互に他己紹介するというもの。他己紹介を予め埋め込むことで、最初の1対1の自己紹介で相手を知ろうという集中力が高まりますし、自分のことを紹介してくれた方とは親近感が湧きやすい。実はこれ、学生時代にお手伝いをしていた横浜100人カイギでやっていたやり方を真似させてもらってます。

あとは、BGMを流すことで会場の雰囲気を柔らかくしたり、人と人とを繋ぐべく事務局が積極的に立ち回ったりということをやっています。

他己紹介を通じてまずは4人とお近づきになることで、その後の交流もスムーズに

――横浜100人カイギのやり方を模倣されてるんですね!余談ですが、この "&stories" では、そういった各自の運営の工夫なんかも伝えることで、エリア毎の知見が共有できればと思っています。逆に何かやってみたからこそ見えてきた課題感などはあったりしますでしょうか。

順調には来てると思うのですが、当初描いていた「参加ハードルを下げる」という点で課題感があります。とてもありがたいことなんですが「熱量の高いギラギラした人」の参加ウエイトがまだまだ高いな、と。もう少しライトな感じで参加してもらえるようにと、4回目の開催から少し運営方法を修正してみました。

まず変えたのは我々の服装。事務局メンバーが営業畑ということもあって、皆スーツ姿で運営をしていたのですが、良くも悪くもカチッとしてしまう。4回目からは私服を持参、イベント前に着替えるようにしました。たかが服装、されど服装。見た目が柔らかくなることで、また会場の空気感も変わっていくと考えています。

次に、司会進行の仕方。従来は司会1人で、進行をきっちりと進めたいが故の固さみたいなものがあったんですが、修正後はダブル司会に変更、掛け合いを入れるなど、ラフな感じで進行が出来るようになりました。

3点目は、名札の変更。元々は会社の名刺を入れてもらってたのですが、自分ならではの「ハッシュタグ」を紙に手書きして入れてもらうようにしました。ハッシュタグを起点に参加者同士の話題が以前よりも膨らむようになり、より良い場になっていってるように思います。

――自分ならではのハッシュタグを書く取り組みは面白いですね、これは他のエリアでもすぐに真似できそうです!では、ここまでやってみて、100人カイギを運営しているからこその学びなどはありますか!?

そうですね。一番は、自分達の手で場を運営できるということでしょうか。どういう場を目指すのかを描き、そのための工夫を考え、実践に落とし込む。で、現場の反応を見て、修正して、また実践する。このサイクルを回すことができるのは、運営者ならではの醍醐味かもしれません。更には、その自分達の創意工夫の結果が、目に見える形で直ぐに現れるというのも面白いなと。会社に属しているだけではなかなか得難い経験をさせて頂いていると思います。

コミュニティ運営の素人だからこそ、試行錯誤を繰り返す
それがまた自身の学びに繋がる

■100人カイギを通じて思い描く未来


――確かに、そういった試行錯誤が出来るというのは、運営サイドならではの楽しみかもしれませんね!そんな創意工夫を重ねた先に、齋藤さん自身、どのような未来を想い描かれているかをお聞かせ頂けますでしょうか!?

自身の想いとしては2つあります。

1つは、個人的なことになるのですが、札幌に配属になって1年弱、まだまだ関われている人は限られており、もっと色々な方と繋がりたいなと。100人カイギのオモシロいところは、なんといっても多様な濃いメンバーが集まってくること。そんな皆さんとの交流を通じて、自分の世界をもっと拡げていきたいと考えています。

もう1つは、少し大きな話になりますが、地方を元気にしていきたいという想い。面白い人と人とが出会い、繋がることで、自然と新たな活動が生まれていく。そういった活動が積み重なっていくことで、地方であっても、もっと活力が生まれていくのではないかと考えています。自分が関わっている札幌市100人カイギが、そんな活力を生み出す源になれたら素晴らしいなと思っています。

――そういった地方活性化に取り組みたいと思うようになったのは、何かきっかけがあったのでしょうか!?

高校までは福島で育ったんですが、当時の自分は福島には何もなくてつまらないなぁ…と思っていたんですよね。で、大学進学を機に、念願叶って都心に出られたんです。ところが、いざ福島を離れ都心で暮らしてみると、何もないと思っていた福島の良さが自然と浮かび上がってくるような感覚があって。地方には地方の良い所があったんだなと。そういった良さをもっと自覚して、活かしていけたら良いのになと思うようになりました。

100人カイギは、その土地に根差した活動をされている方が多く参加されるので、地域ならではの良さを自覚するという点においても、自分の想いに適ったコミュニティだと改めて思いますね。

――ありがとうございます。では最後に、そんな齋藤さんの願いの実現も含めて、100人カイギの場を更に良いものにしていくために、大事にしたい価値観などがあれば教えて下さい。

まずは、1人で出来ることは限られているので、運営メンバーにもたくさん頼りながら、周りを巻き込んで運営していきたいです。幸いにも事務局は多種多様な頼もしいメンバーがそろっているので、それぞれの強み・得意なことを持ち寄り、補い合うことで更に良い場作りが出来ていくと思います。

あとは、自分自身が楽しいからやるんだというスタンスを大事にすること。地方を活性化したいといった大きな話もしましたが、あくまでも自分がそういう世界を見たいからやるのであって、これを何か責任感のようなものを背負ってやってしまうと活動そのものが途端につまらないものになってしまうと思うんですよね。発起人である自分が何よりも楽しそうに旗を振っていたら、自ずと助けてくれる人も増えていくと思いますし、主体的に関わりを持ってくれる方が増えれば増えるほど、100人カイギの場が更に盛り上がっていくのではないかと思います。


――楽しさは伝播すると言いますが、豊田自身、齋藤さんの話を聞くのはとても楽しかったですし、何か元気を頂く時間となりました!と同時に、4回目までの運営でここまで語れる齋藤さんは、最終回を終えたらどんなお話しをしてくれるんだろうかと考えると、何かワクワクします。札幌市100人カイギさんが晴れて解散を迎えましたら、今回のインタビュー記事も肴にしつつ、またその後のアレコレをお聞かせ頂けたら嬉しいです!本日は、お忙しい中、お時間を頂きありがとうございました!

残り16回、どんなコトが起こるのか!?
今後の札幌市100人カイギの展開にご注目下さい!

聞き手:豊田 陽介さん
文:豊田 陽介さん
写真:齋藤 美緒さん

100人カイギ & stories ライター

豊田 陽介(とよだ・ようすけ)プロフィール
1979年神奈川生まれ、千葉育ち。3児の父。
様々な不思議なご縁が積み重なり、2020年春に17年間勤めたハウス食品を退社。長野県佐久穂町にIターンして『カレー屋ヒゲめがね』を起業。自分のワクワクをぶらさず、自然豊かな環境で、家族とゆったり暮らす生活を成し遂げるべく、現在は週3ランチのみ営業。人生100年時代における生き方の1つとして「こんな暮らしもありだよね!」という事例をお示しできるよう、日々奮闘中。
ヒゲめがね note

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