「スピードスケートって知ってる？」
聞いたことくらいはあるでしょう。
なんせオリンピックの正式種目ですからね(･∀･)
最近だと小平奈緒選手や高木美穂選手が有名ですね！
オリンピックでのメダル獲得は魂が震えました、、
長野オリンピックでは清水宏保選手が500mで金メダル！
日本中が歓喜に包まれましたね！スケート界のレジェンドです！
さぁ、質問を変えましょう。

「スピードスケートやったことある？」

こうなるとほとんどの人がNOだと思います。
そりゃそうですよ。競技者人口は本当に少ないです。
大学では部活としてやっているところもありますが、部員はそこまで多くないです。

……ですが、これは関東に住む人間からの視点です。
北海道・青森・長野などの地域ではどうでしょう。
おそらく多くの人がYESになるはずです。
聞いた話によると「体育でやったことある」という意見が多いです。
そうなんです。寒い地域では冬になると校庭にリンクができるのです。
すごい世界だ……。

■埼玉県という環境

私は埼玉県でスピードスケートを始めました。
たまたま家の近所にある市民プールが冬になるとリンクになるので、そこで練習する少年団があったので夜に練習をしていました。
ちなみに屋外です。真冬です。
滑ってても寒い。見てる方も寒い。
埼玉県の都会の方ではありましたが、それでも冬の夜の外は寒いですよ。。
よくよく考えると、親は本当によくやらせてくれたなと思います。
週末は秩父まで行ってくれて練習してました。
監督の車に全員が乗れるわけではないので、各家族で現地に向かうのがほとんどです。

実家から秩父まではおよそ3時間くらいでしょうか。
呑気に寝ながらなので起きたら着いてる、といった感じです。
もう一度言います、本当に親はよくやらせてくれたなと思います。。

■スピードスケートは２種類の競技に分けられる

スピードスケートは大きく２つの競技に分かれます。
どちらもレースという点では変わりませんが、１周の大きさや人数などが大きく変わります。
簡単に解説します。

▼ショートトラック

１周が約110mの小さな円をグルグルします。(語彙力)
最大6人くらいでレースを行うのですがこれがまた大迫力です。
コーナーでは手をついて曲がらないと遠心力で外に弾き飛ばされてしまうのでテクニックが必要です。

・「L字」って？

あまり知られていませんが、ショートトラックの選手の靴は特徴的です。
中学生、早ければ小学生くらいから「L字」を履きます。
簡単に説明しますと、足の真ん中に刃がありません。
足のかなり左側に刃がついています。
イメージすると、左足の薬指の下、右足は人差し指の下あたりになります。
※調整には個人差があります

なぜ左側に寄せるのかと言いますと、コーナーで体が倒れたときに、刃が真ん中にあると靴(左側)が先に地面についてしまい刃が浮き転倒してしまうんですね。これが刃が左側にあるだけで靴が地面につくことがなくなりスレスレまで靴を傾けられるのでコーナーが有利になります。そんな理由があります。
正面から見ると「L字」と言われている理由がよく分かりますね。
まっすぐ下にではなく、「L」の形で少しズラしていますね。これが「L字」です。

▼アウトトラック

１周が約400mの陸上競技とほぼ同じ大きさのリンクで滑ります。
これは基本的にはインレーンとアウトレーンに分かれて２人でレースします。
基本的にはインスタートとアウトスタートと2回ずつ行い、合計のタイムで順位を決めます。
※ゴール前の最後のコーナーがインレーンだと有利とされているため

ショートトラックはヘルメットを着用するルールですが、アウトトラックではヘルメットは被りません。基本的にはフードです。
これでかの有名なペプシマンが完成します。

しかし侮ることなかれこのスーツ。実は高性能です。
スケート業界では「ワンピ」と呼ばれ(多分ワンピースだから)スケートをやる上では必須です。
なぜこんなにピッチピチなのかと言いますと「空気抵抗を減らすため」これに限ります。笑わせようなんて微塵も思っていません。

・秘密兵器「スラップ」

アウトトラックをやる上で欠かせない秘密兵器。
それが「スラップ」です。
「スラップ」とはショートトラックでいうところの「L字」と一緒で靴の種類です！

アウトトラックはできるだけ「氷を蹴っている時間」が長い方が良い。とされています。つまり、できるだけエッヂが氷についていた方がスピードに乗れるんです。
なので、「スラップ」はなんとかかとが外れます。
百聞は一見に如かず。ご覧あれ。

はい、このようにかかとが外れます。
爪先部のバネによって外れても元の位置に戻ってきますのでご心配なく。
この革命的な構造により「少しでも長く氷を蹴る」という動作が現実になりました。技術ってすごい！！

・ワンピなめんなよ

こんな話があります。
自分の後輩がレース中に転倒してしまい、壁に衝突しました。
(もちろん壁にはマットがあります)
その際に自分のエッヂで自分の内太ももを刺してしまったのです。
しかし競技中はアドレナリンがたっぷり出ているので本人は気付かず、また立ち上がってレース復帰を試みます。
しかし、うまく力が入りません。
おかしいなと思った後輩は自分の足を見ると血がドクドク出ていた…というお話。もちろんすぐに病院へ行って手術してことなきを得たのですが、、
すごいことに、ワンピの上からエッヂで太ももを刺し切ってしまったにも関わらず、ワンピは一切裂けていなかったんですよね。
この伸縮性があるからどんな体型でもピッタリとサポートして空気抵抗を減らしてくれるんですね！すごいぜワンピ！1着¥80,000！

■全国大会の基準

私もなんだかんだ言って、中学生・高校生の時に全国大会へ出場しました。
いわゆる全中・インターハイ・国体です。
これだけ聞くと「すごいね！」とよく言われますが、ちゃんと補足します。

「埼玉でスケートやってる高校生、全員が出場決まったよ」

……。となります。
なぜこうなるのかと言いますと、埼玉県の全国大会へ出場する"基準"があるのです。
それは「基準タイムを切れたら出場決定」です。
なので、全員が出場することも有り得ちゃうんですねぇ。
１位でも８位でも基準タイムを切れれば出場決定です。

なんなら関東大会は「出る」か「出ない」で選べます。笑

ちなみに北海道の全国大会への基準をお伝えします。
学校別大会の上位数名
↓
地域別大会の上位数名
↓
市別大会の上位数名
↓
エリア別大会の上位数名
↓
北海道大会の上位数名
↓
全国大会出場決定

さぁどうでしょう。かなり出場まで遠いですよね。。
でも本来なら全国大会ってこういう道のりになるんですけどね、、
埼玉県は競技人口がものすごく少ないので「上位◯名」とかにしてしまうと国体などで不利になってしまうんですね、、なので埼玉県の基準は「タイム」なのです。

ちなみにですが、埼玉県の基準のタイムは、北海道からしたら超絶余裕です。。おそらくインターハイの基準くらいであれば小学生で突破できちゃいます。。それでもインターハイには出場できない選手がいます。埼玉県ではトップレベルなのに、、
こういう差は今後埋めていかないといけない課題ですかね、、
競技する地域によって基準が違うというのは良くないですもんね、、

■スピードスケートって楽しそうでしょ？

こんな感じでやってきましたスピードスケート講座、いかがだったでしょうか？
私も中学高校の時には長野オリンピックの会場となった長野県の「Mウェーブ」で合宿や練習を行ったものです。懐かしい。。

国内トップレベルの施設なのでオリンピック選手などが当たり前のように練習しています。
私も数回、あの清水宏保選手と一緒に滑らせていただきました！
元々小柄ということもありますが、フォームになるとさらに小さい！！
あんなに小さくフォームを安定させられているので、曲げた膝の分長く遠くに蹴ることができて世界一となったスピードが生まれていたわけですね！

膝と顎がつきそうなくらい低いフォーム…
空気抵抗も最小限まで抑え、曲げた膝をフルに伸ばして突き進む…
そりゃ世界一ですわ…

ちなみにスケート選手はオフシーズンになるとトレーニングの一環として競輪をやります！
これも意外と思われますが、実はスケートの筋肉は走る筋肉ではなく漕ぐ筋肉と一緒なのです！なので競輪はバッチリなんですね〜
家から学校までの30kmを毎朝自転車で通っていたという選手もいます、、
本気ってすごい、、環境とか習慣ってすごいですね！

いや〜喋ってたらまたやりたくなってきた！
もうやめてから　10年以上経つので間違いなく初心者に戻ってますがまたやりたい！
子供がもう少し大きくなったら家族でスケートもありですね♪

■小平奈緒選手のすごさ

最後にこの選手のすごさをお伝えしたいです！！

平昌五輪の女子500mで金メダルを取ったのは記憶に新しいですが、
実は小平選手は私の１つか２つ年上で、インハイや国体で何度も滑りを見てました！結論から言いますと、ずっとすごい選手なんです！！
その証拠がこちら！！

これは実家にあったとある県大会のプログラムにある記録一覧です。
お分かりいただけましたでしょうか？
なんと中学女子の記録が、全て小平選手です！！
しかも短距離・中距離・長距離の全てですよ！これは珍しい！
これを知ってるのでいつか金メダルはとるだろうと思ってましたよ笑
だって昔っからすごいんですもん。
まぁ取った瞬間はめちゃくちゃ興奮しましたけどね笑

ということで、お読みいただきありがとうございました！