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このnoteの趣旨「中級者向けサハラマラソン対策」について


このnoteは自給自足型アドベンチャーマラソンの草分け的存在である「MARATHON DES SABLES」、いわゆるサハラマラソン(以下MDS)において
完走+@を考えている中級者。具体的には全体順位の50%以上を目指す方のひとつの指標になればと思い私の持論と実行した方策をまとめた記事群となります。
50%の順位は走力でいうとフルマラソンを4時間程度で走れる実力があれば十分可能だと考えています。

筆者はMDSに2度出場・完走しており、特に2度目の第37回大会はMDSのその長い歴史の中でも屈指の過酷な気候での開催となりました。
レースは砂嵐から始まり、日に日に暑くなる展開で最高気温は50℃を超え、救済やスタート時刻の繰り上げがあったにも関わらず約3割の選手がリタイアする結果となりました。
リタイアまで至らずとも熱中症などに悩まされ本来の実力を発揮できなかった選手が多く見受けられました。

後述しますが、私はさほど身体能力が高い訳ではありません。自身の程度、実力をはっきり自認した上で如何に戦えばより上を目指せるかを考え実行しました。
その結果、総合で139位(1085名中)という望外の記録を残すことができました。
ただ、これは前述の第37回大会の厳しい気候に逆に援けられた面が大きいです。
例年の様な完走率が90%を超える条件での開催であれば恐らく300~400位程度に収まるだろうと事前分析しており、
それはレース後の自身の個人結果を見ても(タイムは多少縮まるとしても)その印象は変わっていません。

要するに私は気候によらず一定の実力を出すことができ、出せなかった選手が落ちていった。それが今回の結果です。
私の持論の核はまさにここ。”如何に実力を発揮できるか”です。
ここでいう実力とは経験値や技術力は一旦抜いた基本的な走力ということになります。

第37回大会は極端な例となってしまいましたが、過酷度によらず熱中症は発生しますし、足のトラブルはつきものです。
その実力を発揮できなくなってしまう、いわば”マイナス”への振れ幅を如何に小さくできるかを想定して準備・対応するのが私の方策となります。

例を挙げましょう。
気温6~8℃程度、風もなく穏やかな日差し。コースは平坦基調でエイドも充実した地元のマラソン大会。

この様なレースの場合は体調管理もしやすく、走り馴れたコースは普段通りの実力を遺憾なく発揮できる条件十分かと思われます。

MDSはその対極に位置するレースです。

最高気温50℃以上、酷い砂嵐に焼けるような日差し。直前まで伏せられたコースは起伏に富み、
決められた量の水以外の食料・装備は自身で用意する必要のあるサハラ砂漠で開催されるステージ制のマラソン大会。

基本的に普段通りにできないことばかり=マイナスですが、それを如何に0=普段通りに近づけるかが肝となります。
私の考えるそれらマイナスの要因は、
①気候、②地形、③自己管理、④装備、⑤補給、⑥体調、⑦負傷、⑧メンタル
これらは単体ではなくそれぞれ連動しており、良くも悪くも他に影響を及ぼすので総合的に組み立て、考えることが肝要です。
その昔、初めてMDSを知った頃に「大事なのは総合力」と聞いたことがありますが今はとても腑に落ちています。
余談ですがサハラ仲間と交わすレース談義も大体この内容なので如何に影響が大きいか窺い知れます。

①②は自身ではどうにもできない面もありますが、想定した訓練と対応は可能です。 経験がものを言う箇所でもあります。
③④⑤は徹底的な想定と準備を行いましょう。これらは0に近づけることができます。
⑥⑦は防ぎようのない突発的なものはありますが、それでもその確率を減らす対策・対応をすることはできます。
はたったひとつ、マイナスどころかプラスにも持っていける代物です。①~⑦の準備如何で、または独立して得れる強力な武器です。

次回以降の記事では上記の①~⑧をそれぞれ詳細に、時に包括的に、実際の結果と併せてまとめていく予定です。

最後に第37回大会出場時の私の基礎スペックと結果を書いておきます。
以降の記事は当然ですがこの基礎スペックを基に組み立て実施したものですので、
それをご承知おきの上で参考にされる際はご自身の内容に置き換えてアレンジしていただくのが前提となります。
この点は非常に重要ですのでくれぐれもよろしくお願いします。

独善的・限定的な内容ですが、どうぞよろしくお願いします。

●基礎スペック ※第37回MDS開催時点(2023/4/23)
[性別] 男性
[年齢] 40歳4ヶ月
[身長] 180.0cm
[体重] 74.0kg
[走歴] 10年3ヶ月
[走力] フルマラソン 3時間30〜40分程度(練習時の計測による。公式大会未計測)
[MDS出場歴]
第29回(2014) 236.2km 62時間38分11秒 総合830位/出走1029名、完走917名中
[その他マラソン等の出場歴]
マラソン(フル以上)、トレイルランともに無し
[補足]
・本格的なトレーニングは2022年12月1日から月300~400km程度。中強度のロードでのロング走中心
・2014年のMDS出場以降から上記までは月100~200km程度で低強度で走力の維持(フルマラソン4時間程度)のみに注力
・80km程度の距離は毎年2回以上走行
・トレイル練は2023年3月から10回程度を集中して実施
・筋力トレーニングは2015年から継続して実施
・2022年11月からはボディバランスとトレイル向けの筋力トレーニングを重点的に実施
[結果]
第37回MDS(2023) 234.3km 41時間00分42秒 総合139位/出走1085名、完走763名中
Stage1 36.0km 5時間33分54秒 216位
Stage2 31.7km 5時間27分04秒 159位
Stage3 34.4km 5時間07分31秒 110位
Stage4 90.0km 18時間23分10秒 154位
Stage5 42.2km 6時間29分03秒 184位