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なぞの記憶。ドイツ生活のぼやき - 16

今学期お世話になっているゼミの先生は、歴史学の博士課程の方なのですが、2週間ほど前に「彼の指導教官が3年前に亡くなった」という事実を知りました。たしか、ゼミの先生の経歴を知りたくてネット検索したら、指導教官の名前を見つけて、そこから芋づる式に知ったのだったと思います。

このことは、某SNSで「後ろ盾がいなくなっても、研究に真摯に取り組む姿勢や人あたりの良さのおかげで(もちろん実力も)、いろいろな職を得ることができたのかな」なんてことを書いていたので、よく覚えているのです。

それが、です。

昨日、仲の良い友だちと夫とわたしとでコーヒーを飲んでいるとき、その亡くなった(はずの)教授に博士論文の指導を頼みたいと友だちが言うので、その先生は3年前に亡くなったんだったと思うよと伝えると、そんなはずはない!と強く言い返してきました。

わたしは戸惑いましたが、夫は「若くして亡くなったんだよ、たしか2020年に」と詳細を付け加えます。なぜなら、彼も2週間前にわたしとグーグル検索をしたからです。何歳で亡くなったかまで一緒に計算しましたし、それが60代と若かったので、印象にも残っていたのです。

それに、夫はその先生に会ったこともあったから、彼にとってはさらに強く記憶に残る出来事だったようです。

「でも、でも、そんなはずはないよ。同姓同名の人なんじゃないの?」

友だちが戸惑いながらそう続けるので、さすがにわたしたちも不安になってきて、スマホを取り出し、改めて検索をしました。

「あの研究の、あの先生だよね?名前はこうで、名字はこう……でしょ?」

確認しながら作業を進めると、なんと、生きているではありませんか。

いやいや、ウィキペディアが間違っているかもしれないと検索結果を隈なく確認しても、「死」と関連するような結果はどこにも出てきません。

わたしのゼミの先生の名前を検索して、そこから調べてみても、やはり教授は生きています。

はて。2週間前のあの記憶は何だったのでしょうか。
R先生、勝手に亡くなったと思い込んでごめんなさい。

友だちは、よかった、指導をお願いできるとホッとしておりました。


帰宅後も納得がいかないわたしたちは、夢でも見ていたのだろうか?夢でも計算をするのだろうか?などと言い合いながら夕食の準備に取り掛かりました。

何をどう勘違いしたのか結局わからずじまいなので、「オチ」も何もないのですが、最近似たような不思議な経験をしたという人の話を聞いたので、わたしもここに書いておこうと思いました。

わたしの街ではクリスマスマーケットが開幕しましたが、寒さでまた体調を崩し気味なので、しばらくは歩きながら街に漂うグリューワインの香りを味わうだけになりそうです。

年末で仕事もたまるし、なぞの記憶には惑わされるし、あ~やだやだ。
みなさんもお身体と変な記憶にはお気を付けくださいね。


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