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【OAK】ヘスス・アギラー獲得

まだまだ補強は終わらない…!

補強しても良かったポジションをちゃんと補強

藤浪の獲得によってオフの投資がおよそ25M(!)に上り、流石に補強はこれでおしまいかと思われましたが、まだまだ補強は終わりませんでした。

アギラーの契約は1年3Mと言われており、これによってオフの補強総額は27.25Mと過去に類を見ないレベルとなっています。

アギラーが埋めるとみられる1B/DHのポジションは、明確なレギュラー格のいないポジションでした。

アギラー加入前の一塁手リスト
○セス・ブラウン
○ライアン・ノダ
○ダルミス・ガルシア
○ジョーダン・ディアス

主砲のセス・ブラウンが1Bを守れますが、ブラウンの守備適性は外野の方が高く、首脳陣は外野で使いたいと考えているようです。
他にもユーティリティで1Bを守れる選手はいますが、あくまで他のポジションでの起用がメインになってくるでしょう。

そうすると、本職一塁手で定位置争いに加わるのは、ノダ / ガルシア / ディアスの3名に絞られてきます。
しかし、この3人のグループはあまりに計算が立たないというのが実情でした。

一塁手プロスペクトランキングで5位にランクインしたジョーダン・ディアスは期待の逸材ですが、AAAでの経験すら乏しいのが現実です。今年初めから一塁に固定して起用するのは、彼の育成を考えるとリスキーだったと思います。

また、プラトーンに組み込まれることが確実視されていたノダは、ルール5ドラフトでの指名ですから、シーズン中にマイナーには落とせません。一年間アクティブロスターに置き続けられるクオリティならまだしも、そうでなかった場合は元球団に返却するほかありません。ノダはAAAでの実績こそありますが、もちろんメジャーでの実績はなく、300~400打席をいきなり与えられるレベルにあるかは未知数でした。

そして、昨年デビューしたダルミス・ガルシアも、計算が立つとは言い難い存在でした。
さらにダルミスに関して言えば、打者天国のAAAでも傑出しておらず、三振が多すぎるという分かりやすい欠陥を持つ選手です。
一塁で使うとしても、よりスタッツの良いブレント・ルーカーやジョナ・ブライドらのUTが優先されるのではないでしょうか。


マイナーにはタイラー・ソダーストロム(一塁手プロスペクトランキング2位)とジョーダン・ディアス(同5位)が昇格・定着を間近に控えており、ノダもダルミスも長期的に一塁を任せることはないであろう人材でした。
それならば、クオリティが保証されているベテランを短期的に起用し、トレードによる転売を睨むのは理に適った選択といえます。


アギラーのパフォーマンスについて

例に漏れず、アプローチの良いベテラン

大砲タイプの一塁手としては比較的アプローチに優れるのがアギラーの特徴です。

MILで頭角を現してから6シーズンでwRC+100超えが4シーズン、そして四球率10%超えが3シーズン、三振率30%超えは1シーズンのみと安定感はかなり高いです。

他に残っている一塁手のFAには、ルーク・ボイトやミゲル・サノーがいます。しかし、ボイトは直近2年で三振率30%オーバー、サノーに至っては通算で36.4%の割合で三振していました。

今季FAから新加入のベテランには、ジェイス・ピーターソンアレドミス・ディアスがいますが、その2人はいずれもアプローチに優れています。
FAから加入するベテランにはアプローチを求めている、という方針がくっきり現れた人選だと思いました。

ただ、同じ候補なら20年本塁打王のボイトの方がアップサイドがあり、転売の利益も大きそうではないかな、とも感じました。しかし、ボイト31歳に対し、アギラー32歳と年齢はほぼ同じ。であれば、マッチしたスタイルの選手を選ぶのは理に適っていると思いました。


復活の鍵は対速球にあり

fWARがマイナスにめり込むなど、定着以来では最悪のシーズンを終えたアギラーは、バウンスバックを期すことになります。

不振に喘いだ原因として考えられるのが、速球の対応悪化です。

アギラーはキャリアを通して速球を得意とする打者でした。対4シームのランバリューは5シーズンを通して+35という高水準でしたが、昨年は突如暗転

入団後のコメントでも、特に高めのゾーンへの速球にアジャストすることを意識してワークアウトしていると述べています。

今シーズン以降、シフトが規制されることによって、ゴロを打たせるスタイルが廃れることが予想されるため、フライ/空振りを狙ってハイゾーンに4シームを投じることがこれから増えていく可能性が高いと思います。
ハイゾーンの速球対応はアギラーにとっては喫緊の課題になるでしょう。


アギラー加入でスタメンはどうなる?

基本の右投手相手の想定スタメンはこうしてみました。

アギラーは右投手相手でもひとまずは出場機会を得るでしょう。それにところどころ左打者のノダの起用もミックスされる予想です。

便宜的にケンプをDHとしていますが、アスレチックスは固定のDHを設けないと思います。
選手の調子次第でここにはアギラーが入る(そしてノダが1B)もあり得るでしょうし、ディアスやブラウン、ローレアーノが守備につかないときに入る可能性もあります。


対左の予想はこの通り。パチェを希望も込でCFに据えています。アギラーが左投手相手にスタメンを外れることはないでしょう。
ここではブライドをピーターソンのプラトーンパートナーとしていますが、ケビン・スミスとどちらが入るかはST次第になりそうです。

アギラーの獲得に伴い、ダルミス・ガルシアのDFAを予想していましたが、アービンの放出で枠が空いたため分からなくなりました。

ランガリアーズとアレンが大ブレイクでそれぞれWAR4.0の活躍、ブラウンの覚醒でWAR3.0、ディアス/ピーターソン/アギラーの渋い活躍で合計WAR6.0、ローレアーノのバウンスバックでWAR4.0、ルイズとブライドらのプチ開花でそれぞれWAR2.0を計上すると目算すると、十分に優勝を狙えますね(白目)。


今後について

先日コール・アービンがオリオールズにトレードされました。そのレビューもぼちぼち書いていきます。

アギラーの補強で野手陣は固められたと思います。残る脆弱な点はブルペンになるでしょうか。
補強が打ち止めかというタイミングでアギラーの獲得があったので、まだまだブルペンの補強にも期待しています。

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