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最後の家族旅行

まだ、気温も高くない6月下旬。母親から「夏、旅行に行こう」と言われた。いつものように軽く断ると、今までにないくらいしつこく誘ってくる。よく考えると、家族旅行の記憶は中学生で止まっている。

多分、僕が今年就職で家を出るからだと思う。言うなれば、自分が子供としての「最後の家族旅行」だ。箱根・鎌倉への2泊3日の旅行。僕が免許をとったこともあって大阪から父と交代で運転しながら行くことに。

夜中に出発したこともあって着く頃には眠気でヘロヘロの状態。父はいつも仕事の疲れが残る中、遠いところまで連れていってくれたんだと思うと頭が上がらなくなる。

旅行の工程は、両親と妹と4人で観光地を回っておいしいものを食べて、温泉に入るという流れ。母は半年前くらいから計画し、楽しみにしていたらしい。 特別、目立ったアトラクションに乗るとか、インスタ映えする場所にいくでもない普通の旅行。

でも、その普通の何日間は自分が驚くくらい自然と楽しんでいた。芦ノ湖の綺麗さに驚いたり、江ノ島の猫の呑気さにほっこりしたり。蝉の鳴き声が聞こえて、蚊取り線香の香りがほんのり漂ってくる露天風呂も最高だった。

        (↑江ノ島の猫。この体制の猫が2.3匹いた。)

最初は、二十歳も超えて家族と旅行なんて行きたくない変な意地を張っていたけど、行ってよかったと本当に思う。

最近、しっかりと話すことが少なくなっていたけど、こういう時間は大切だなと改めて感じた。 早く自分が旅行に連れて行けるようになりたいと思った。

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