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掌編/短編小説

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基本的に連作ではない小説をまとめています。日常から一歩だけ外れた世界、そこらへんに転がっている恋、病とふだんの生活、鬼との友情なんかを書いています。
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2019年11月の記事一覧

小説『あまねく光を未来に捧ぐ』後編

小説『あまねく光を未来に捧ぐ』後編

『あまねく光を未来に捧ぐ』前編はこちらから【前編 あらすじ】
大阪万博で開発されたアンドロイドを再利用して作られた「教育型ロボット・あまね」
ロボットのくせにちょっと足りない彼女に与えられたミッションは、都内の小学6年生と一緒に学校生活を送ることだった。

ようやくクラスメイトと馴染んできた頃、炎天下の体育の授業中にあまねは突然倒れてしまい……。

 あまねが再び目を覚ましたのはマザー宅のベッドの

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小説『あまねく光を未来に捧ぐ』前編

小説『あまねく光を未来に捧ぐ』前編

 

ある日突然、ヒト型のロボットが現れたとしたら、あなたは何を思うでしょうか。

 この世には頼もしいロボットが活躍するアニメや映画、小説が数多く存在しますから「ロボットがいたら一緒に空を飛べるかも」「ひみつ道具を出していろんな願いを叶えてもらえるかも」「わたしの代りに働いてくれるかも」そんなことを思い浮かべるのではないでしょうか。

 残念ながらこれから登場する「教育型ロボットあまね」には

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あまね、テスト起動開始

あまね、テスト起動開始

わたしはこれまでに様々な角度で「友情物語」を描いてきました。

先日再掲載したふたつの物語はどちらも友情をテーマにしたものでした。

中学生3人が協力して目標を達成する「トライアングル・ドライブ」、鬼と人間のちょっと不思議な日常の「赤鬼、吠え」。改めてお読み頂いた皆さまには心より感謝申し上げます。

さて11/25、26と「あまねく光を未来に捧ぐ」の前編後編に分けてnote上に公開するにあたり、こ

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【小説】赤鬼、吠え

【小説】赤鬼、吠え

あなたには、ともだちはいますか?
こう質問したのなら、あなたはきっと「何を当たり前のことを聞くのだろうか」と思うでしょう。

それでは質問を変えます。
あなたには異性のともだちはいますか?
一回り以上歳の離れたともだちは?
それから、鬼のともだちはいますか?

おそらく、「鬼のともだち」がいる方はそうそういないと想像致します。
これからお話することは、ある男と心優しい鬼との友情の物語です。

私が

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