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【本のこと】『ジーヴスの事件簿』

はじめに

皆さま、こんにちは。世間では夏休みと呼ばれる時期、いかがお過ごしでしょうか?

私は貴重な「おうち時間」を楽しむべく、読書に励んでいます(笑)。あとは、気になっている映画『PLAN75』を観に行こうかなと計画中です。7月は読書に熱中してしまい、映画を1本も観られなかったので、今月こそ…!と思っています。

こう暑いと夏バテは不可避…かと思いきや、なぜか私は食欲旺盛です(汗)。特に小麦粉を摂取したい時期らしく、パンやクッキーをたくさん食べています。体重増加は気にしつつ、美味しいものを食べたい。そんな矛盾を抱えた夏です…。


やっぱりジーヴスが好き!

さて、今回は、2022年の62冊目となった、P.G.ウッドハウス著、岩永正勝さん・小山太一さん訳、『ジーヴスの事件簿』(P.G.ウッドハウス選集Ⅰ/文藝春秋)をご紹介します。私が紹介しなくても充分すぎるほど有名な作品ですが……(笑)。

作品の舞台はイギリス。主人公は、気は良いけれど若干おつむが弱く、何かとトラブルに巻き込まれてしまう紳士、バーティー・ウースター。遊んでばかりいても生活していけるという、何とも羨ましいお金持ちの若主人です。

そんな若主人のお世話をしているのが、題名にも登場する、執事のジーヴス。頭脳明晰な天才執事で、バーティーを襲うトラブルの数々を奇策で解決していきます。ちょっと皮肉屋さんで、主人であるバーティーにも遠慮なくズバズバ意見するところが、個人的にはチャーミングで大好きです!

私が「ジーヴス&ウースター」シリーズに出会ったのは、小学校5年生の夏。勝田文さんのマンガ『プリーズ、ジーヴス』を読んだことがきっかけです。日本の作品しか読んだことのなかった私は、「海外には、こんな面白い作品があるんだ!」とビックリしたことを覚えています。

そんなこんなで「ジーヴス&ウースター」シリーズを知った私ですが、原作をきちんと読むのは今回が初めて。でも、子ども心に感じた面白さは、何年経っても色褪せておらず、あっという間に読み終えてしまいました。

『ジーヴスの事件簿』収録作品の中で私が特に好きなのは、「ジーヴスの初仕事」。その名の通り、バーティーの執事として初めてトラブルに遭遇したジーヴスが、その頭脳で鮮やかに解決し、主人の信頼を獲得するお話です。

シリーズの魅力の1つとして「会話のテンポの良さ」があると私は思っているのですが、「ジーヴスの初仕事」で登場するコチラのシーンがお気に入りです。

(トラブル解決後、「バーティーお気に入りの新しいスーツが派手すぎる」と不服だったジーヴスに対して)
「それから、ジーヴス。あのチェックのスーツのことだが」
「は?」
「そんなにまずいか?」
「やや突飛すぎるかと存じます」
「でも、仲間の多くがどこの仕立て屋だと訊くぜ」
「間違ってもそこで注文しないためでございます」
「でも、ロンドンでも一番のいいやつなんだ」
「その仕立て屋の気立てには、わたくしも異存はございません」

39ページ

・すでにバーティーがジーヴスに全幅の信頼を寄せていること
・早くもジーヴスの皮肉屋さんっぷりが溢れ出ていること
が伝わってきて、思わず微笑んでしまうシーンでした。
※勝田文さんのプリーズ、ジーヴス』も合わせて読むと、さらに楽しい読書経験ができると思います!


おわりに

今回は、P.G.ウッドハウス著、岩永正勝さん・小山太一さん訳、『ジーヴスの事件簿』(P.G.ウッドハウス選集Ⅰ/文藝春秋)をご紹介しました。多くの読書好きを虜にしてきた作品は、やっぱり面白かったです!

この記事が、皆さまの余暇時間に彩りを添えられれば幸いです。それでは、良い1日をお過ごしください!

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