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【本のこと】『マシューの見てきた世界 人生に退屈しないためのとっておきの21話』

楽しくなって連続投稿してしまう、マイペース娘です。

小説も、エッセイも、自己啓発本も読む雑食な私。

今回は、チャーミングな著者が綴るエッセイ本をご紹介。



マシュー・チョジック 著 坪野圭介 訳

『マシューの見てきた世界 人生に退屈しないためのとっておきの21話』

「マシューって名前、聞いたことあるな……」なんて人もいるでしょうか?

著者であるマシュー・チョジックさんは

日本テレビ『世界まる見え!テレビ特捜部』に出演されている方です。

お洒落な蝶ネクタイとメガネを身につけ、流暢な日本語で「アメリカ担当のマシューでーす!」と話し始めることでお馴染み。

そのチャーミングさは、この番組にとって不可欠。番組ファンとして、読まない選択肢はありませんでした

 

 


この作品は、マシューさん曰く

「いわゆる「自伝」とは少し違う

「すごく運良く自己流アメリカンドリームを叶え、日本の人々に囲まれながら暮らすひとりの男の生活を物語る、一連のスナップショット」です。

アメリカで生まれ育ち、今では日本でタレントや大学講師、出版社の経営者などとして活躍されているマシューさん。

彼の目線から語られる世界は、アメリカ人・日本人といった肩書きを超える力強さがあると、私は信じています。

 



マシューさんのチャーミングさが好きで手に取った1冊でしたが、読了後、「自分の世界の狭さ」「日本人としての考え方しかない現状」を痛感しました。

特にきっかけとなったのは、『豆腐と涙とマリファナと』

とある事件を知ったマシューさんが、アメリカと日本における法律の違いをきっかけに、涙を零してしまうほどに思考します。

いかに、自分が「日本の法律」と呼ばれる存在を疑っていなかったか。

いかに、自分が「日本人」であるか。

私は自らを「多少は思慮深い人だ」と考えていましたが、そうではありませんでした。

良く言って「日本の枠の中で、ある程度ちゃんとした考え方を持っている」くらい。

「無意識のうちに枠が出来ていたのかもしれない」と、マシューさんが考えさせてくれました。

 


……なんて固い話をしましたが、面白いお話も沢山あります。

イチオシは『ベトナムのポタージュでカラオケをする』

題名が謎ですが、フランス語を勉強したことがある人は謎が解ける……かも。

ベトナムに滞在中、英語とフランス語をごちゃ混ぜで併用するホテルマンと

フランス語が苦手なマシューさんの会話から生まれた「ポタージュ」。

彼の人柄がにじみ出た、ほっこり&海外の薫る風を感じられるお話。

 

 


コロナウイルスの影響で海外旅行や留学の計画が崩れてしまった人、楽しみがなくなってしまった人、モヤモヤしている人。

ベッドの上でも、電車の中でも、旅に出られるのが本だと、私は想います。

スッキリしない毎日、誰かの心のモヤを取るお手伝いができますように。