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「No War 0305」に参加して

20220305
新宿南口で行われた反戦集会「No War 0305」に参加した。

この10日間ほど、何をしていてもどこか心が重くて苦しかった。
信頼できると感じたいくつかの支援先に寄付もしたけど、当然ながら気持ちが晴れるはずもなく。
「何もしないで泣いているより何かしていたい」と考えていた時に3月5日に新宿南口で反戦集会が行われることを知り、参加することを決めた。

時間が無くて手作りのプラカードは用意できなかったので、阿部海太さんという絵描きの方がSNS上に「反戦のためなら自由に使ってください」と公開してくださっていたデザインをネットプリントし、クリアファイルに挟んで持っていった。
集会が始まる12:30ぴったりに到着して、途中休憩を取りつつの参加にしようと思っていたのだけど、結局最初から最後まで集会の中にいた。

ステージ立ったウクライナに留学していた方、日本在住のロシア人の方、同じく日本在住のウクライナ人の方などの話を聞いて涙が出た。
ここ最近心が沈んでどんな音楽を聴いていいかも分からなかったけど、さまざまなアーティストによる生演奏にはいくらか心が癒された。
当初はどんな風に上げれば良いのか分からなかったプラカードも、気付いたら頭上高く掲げている自分がいた。
コロナ禍ということもあり一抹の不安もあったけど、参加している多くの人は余計な会話もせずしっかりマスクをつけ、ステージ上のスピーチや演奏に真摯に耳を傾けていた。

一方で、私を含めて音楽に体を揺らす人を見渡した時、ふと「これは一体なんなんだろう?」という想いが生じた。
体を揺らす人の中にはほんのわずかだけど、片手にビールやハイボールの缶を持っている人もいた。
実際参加アーティストの誰かのファンで、単純に演奏目当てに来た人も多かったのだろう。
それ自体は悪いことではないし、それによって参加人数が増えれば「それだけ反戦の意思を示す人が多い」ということにもなるのかな、とは思った。
それでも、心のどこかでモヤモヤをずっと感じていた。

また、「No War 0305」のステイトメントに「戦争反対とウクライナ侵攻によって傷ついた人たちのサポートを呼びかける」と書いてあった通り、参加者の方が掲げているプラカードにはウクライナの国旗カラーのものが沢山あって、青と黄色の衣服を身に着けている人もいた。

私も今回ロシアの大統領(もう名前も見たくないので敢えてこう書く)が行った信じられないくらい身勝手で、傲慢で、狡猾で、冷酷で、残忍な暴挙には怒りや悲しみといった言葉で言い表せられないくらいの感情を抱いている。
何より、地上のすべてを消し去る核の脅威をちらつかせる卑劣なやり方は絶対に許されるべきではない。
最悪の「もしも」を想像しては叫びたくなる。

だけど、この戦争は21世紀になって初めての戦争ではない。
シリア、アフガニスタン、イラクといった中東地域ではもうずっと紛争や戦争が続いている。
トルコ軍によるシリア侵攻が起こったのはつい最近のこと。

その時私は今と同じように心を痛めただろうか?
地理的にロシアとウクライナの方が日本に近いから、今は身近な脅威を感じているだけに過ぎないのだろうか?
心のどこかで「中東は元々そういう場所だから」と思っていなかっただろうか?
自分の浅ましさに失望し、グルグル考えてはまたモヤモヤした。

だから集会の終盤にステージに上がった折坂悠太さん、そして今回の集会の主催者の一人であるマヒトさんが語った言葉を聞いた時、少なくとも私は救われた気持ちになった。
それぞれニュアンスは違えど、お二人とも「今日ここで良い演奏をして良いことを言ったとして、それが一体何になるんだ。そういうモヤモヤをずっと抱えている」と語っていた。

多分私じゃなく、あの時あの場所にいた多くの人はモヤモヤを抱えていたんじゃないかな。
それぞれ少しずつ中身は違っても、きっと根底では同じモヤモヤを抱えていた。
それはきっと当然のことなのだろう。
このモヤモヤはきっと「世界中から戦争がなくなる」ことでしか消えないと思うから。

それでも、私はこの日反戦集会に参加したことには意味があると思ったし、多くの人々が集まって「戦争反対」と叫ぶことに込められた力を信じたい。
「そんなことをしても意味がない」という人も少ならからずいるだろう。
だけど、たとえ意味が無かったとしても私は自分の信念に沿った選択をしていきたい。

この日の感情を言い表すのは難しく、だけど残したいと思ったので記録しました。
この文章によって誰かを傷つけていたらごめんなさい。
暴力そして戦争には明確に反対します。
ただただ平和な世界を祈っています。
戦禍の街に生きるすべての人々に一秒でも早く平穏な日々が訪れますように。

#nowar
#nowar0305
#prayforpeace

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