見出し画像

〈9〉 明日子、わずかに浮上する

更年期障害と診断され、ほとんど横になっている生活だった私ですが、
ホルモン補充療法をはじめて1ヶ月、はじめての効果検査の結果が出ました。

エストロゲン値  211mIU/ml       ( 前回11>mIU/ml )

なんと十分に増えているではありませんか。
ありがとう、エストラーナ!

エストロゲン出せ命令のFSH値も
前回の100→46 に減少。
無理なお願いも減ってきているということ。
よかった!少しは諦めてくれたらしい。

エストロゲン値はもう十分だけれど、
FSHを30代にするとかなり楽になるので、
このまま補充療法を続けましょう、ということになりました。

そしてこの増えたエストロゲンを、
黄体ホルモンの錠剤を10日間飲んで中和することに。
「飲み終わった翌日から生理が来るかもしれません。」と言われ、
「え、今更また・・・?」と一瞬思ったけれど、
こうすることによって、癌などのリスクを減らせるらしい。

3ヶ月に一回のペースで、
医師の判断を仰ぎながら、黄体ホルモンを飲んで生理・・・を
繰り返すことになるそうです。

うーん、すごいシステムだ・・・。

そしてこの頃から、少しづつ家事ができるようになり、
まだ休み休みの日もあるけれど、
どん底からは抜け出せた気がしてきました。

なので3週間程前に150mしか歩けなかった外出にも再チャレンジ。

最初の一日目は
「最寄りの駅前に立っているポストに書類を投函する」
という小さな目標を掲げ、どうにかクリア。
夕方の気温が下がったころに出かけたものの、
久しぶりの一人での外出は緊張し、手足に嫌な汗が・・・。

数日後の夕方には
「最寄りのスーパーに野菜ジュース一本を買いに行く」
行き慣れているいるスーパーなのに、なんだかへんに疲れて
ぐったり。

かと思えば、その翌日に行った
「近所の銀行ATM→ドラッグストア→100円ショップを回って帰ってくる・・・」
は、けっこう気持ちよく歩けたり・・・。

無理をせず、身体の声を聞きながら徐々に範囲を広げてゆきます。

復活しかけの極弱体力と思考力なので、
スーパーの自動精算機や銀行ATMにすら緊張。

スーパーの店内も、ライトが異常に明るく感じられ落ち着かないものの、
ちゃんと買い物をして帰ってこられたのは大きな自信になったのです。

どこまで落ちていっちゃうのか、本当に不安だった毎日でしたが、
どうにかこうにか底を蹴って、少しだけ浮上できたような気がした
8月の終わりでした。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?