【ショート】テストに出ない世界史 | 消えた女王とダゲレオタイプ
ダゲレオタイプというのは、写真技法の名前です。
日本語では銀板写真とも言います。
今回は、この古い写真技法と、あの世界史上の有名人に関するお話です。
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少し前に、「写ルンです」のような使い捨てカメラが今の若者にウケているというニュースを見ました。
撮った写真のデータがすぐ見られるデジカメ世代にとって、現像するまでどんな風に撮れたか分からないのが逆に新鮮なのだとか。
でもフィルム式写真は現像してみてあちゃ〜…となる事も。
手ブレ、指写り、そして目をつぶってしまう問題!
撮影したその場で確認できないから、結局目をつぶってしまった写真がアルバムに収められている…なんて事もよくある話でしたよね。
(↑フィルムカメラ世代の方に話し掛けています)
それはフィルム式以前の技術で撮影していた頃も同じ事でした。
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ダゲレオタイプとは、ダゲールというフランス人が発明した方法で、従来の方式より美しく撮影できる技法でした。
(カバー画像は、ダゲレオタイプで撮影したダゲールのアトリエです)
フランス政府がこの特許を取得して技術を世界中に広く知らしめた事で、19世紀半ばに急速な広まりを見せたのです。
そしてこの時代 大活躍していたあの人も、ダゲレオタイプの写真を撮影します。
その写真がこちら。
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\ キャーッッ! /
…驚かせてしまったら申し訳ありません。
これはヴィクトリア女王と子供たち(長女ヴィクトリア、長男エドワード、次女アリス、三女ヘレナ、次男アルフレッド)を撮影したものなんです。
真ん中で顔が消えてしまっているのがヴィクトリア女王。
別にカメラマンが失敗した訳ではなく、女王ご自身が「目をつぶってしまったから気に食わん」と自らの顔を引っ掻いて消してしまったそう!
ちなみにダゲレオタイプの手法は、銀メッキを施した銅板の上に画像を定着させるもの。
写真の複製は出来ないという特徴がありました。
つまり、ヴィクトリア女王の失敗顔を見る手段は無い、という事。
それにしても、複製不可の家族写真に傷をつけるとは…
女王陛下、思い切りが良すぎます(笑)。
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ただ
「私の顔は酷いけど、子供達はみんな可愛く写ってる」
と、自分以外の顔には大変満足していらっしゃったそうですよ。
大英帝国の母でも、当時の技術では写真の顔は直せなかった、というお話でした。
本日もお読み下さり、ありがとうございました。
参考
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