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23年1期コロナ四季報 日本の感染がひどいのは岸田政権の失態

23年もはや3ヶ月が過ぎた。今回から数回にわたって、23年1期の新型コロナの感染状況をまとめ、いつものように、大陸別の比較をし、国領土のランキングを作成した。今回は新規陽性数と死者数について考察する。

23年1期の新規陽性数、死者数、回復者数、接種回数は1月1日から3月31日までの合計、治療者数と重症者数はその間の平均値である。4月5日時点で得られたデータを用いて計算しているので、他のデータサイトとは数値が異なることもある。毎日データを更新する頻度が減った国領土も多いので最新のデータでないこともある。新規陽性数、接種回数、接種回数は公表された数値を用いるが、

23年1期のランキングは新規陽性数、人口100万人当たりの1日平均の新規陽性数、死者数、人口100万人当たりの1日平均の死者数、死者数の新規陽性数に対する割合について作成した。全4者には順位をつけた。同数の場合は累計の多い方を上位とし、それでも同じになる場合は22年4期の順位が上位の国領土を上位とした。ただし、23年1期が0人の国領土の順位は全て同じにした。22年も0人の国領土の順位はつけていない。

各ランキングは国名、地域名、23年1期QRランク、前期比、QRポイント、前期比、23年1期新規陽性数、同順位、人口100万人当たり新規陽性数、同順位、22年4期からの変化、Worldometer での新規陽性数順位、累計新規陽性数、23年1期死者数、同順位、人口100万人当たり死者数、同順位、22年4期からの変化、23年1期死者数の新規陽性数に対する割合、22年4期からの変化、累計死者数を載せている。QRポイントは新規陽性数、人口100万人当たりの1日平均の新規陽性数、死者数、人口100万人当たりの1日平均の死者数の順位の合計である。QRランクはQRぽいウントの小さい順につけた。同点の場合は、22年4期の上位の国領土を上位とした。

1。日本と台湾で世界1を分け合う

23年1期の世界の感染状況。23年4月5日時点のデータで集計値。( )内は人口100万人当たり1日平均、前期比、前縁同期比。

新規陽性数:1700万5972人(23.8人、▼60%、▼92%)
死者数:12万8832人(0.18人、▼12%、▼82%)
回復者数:1772万8369人(24.2人、▼51%、▼91%)
1日平均治療者数:2087万0732人(2625人、△41%、▼53%)
1日平均重症者数:4万1753人(ー、△7%、▼48%)

1A. 新規陽性数は日本に集中

下のグラフは21年1期からの各四半期毎の新規陽性数と新規陽性が確認された国領土の数の推移である。

新規陽性数は、22年1期にオミクロン株の大流行で突出しているが、基本的に上昇を続けけていた。しかし、22年4期以降は急激に減少しており、23年1期は22年4期の半分以下となった。また、23年1期はちょうど200国領土で新規陽性が確認された。これは、22年4期より13国領土少ない。23年3月31日時点での世界の累計新規陽性数は6億8399万6388人となり、世界の約8.6%が少なくとも1回新型コロナに感染したことがある。

大陸別では、アジア東が最も多く、787万2239人の新規陽性が確認された。下のグラフは、23年1期(外側)と22年4期の大陸別の新規陽性数のシェアを表している。

アジア東が世界の新規陽性数の半分近くを占めている。言い換えれば、世界の新規陽性者の半分近くはアジア東で確認された。アジア東は22年4期に比べ、8ポイントシェアを広げた。ヨーロッパ西とアメリカ北が2、3番目のシェアを持つが、それぞれ、22年4期からは大きく減らしている。また、ヨーロッパ東、アメリカ南はシェアを拡大した。一方アフリカは3地域ともシェアはほぼ0である。

次のグラフは22年1期からの大陸別新規陽性数の推移である。濃い青が23年1期をである。

22年中はどの地域も大きく新規陽性数を減らしている。23年1期はヨーロッパ西の減少率は大きいが、アジア東はそれほどでもない。また、アメリカひたは減少率が沖井が、アメリカ南、ヨーロッパ東、数は少ないが、カリブ海やアフリカ南で減少率が小さくなっている。

次のグラフは22年1期からの大陸別の人口100万人当たりの新規陽性数である。

は新規陽性数はそれほど多くはな勝ったのだが、人口が少ないので、割合にすると元男も大きな数値になった。逆に、人口の多いアジア東は4番目になった。アフリカは割合にしても患者の数が少ない。

下の表は23年1期の新規陽性数のランキングである。

23年1期の新規陽性数が最も多かったのが日本である。日本の新規陽性数は424万2846人で世界全体の約25%を占める。新規陽性者の4人に一人は日本在住である。日本はこれで、22年3期から3期連続で世界1位である。下のグラフは世界で新規陽性数が最も多かった国の世界に対する割合である。

日本が世界一になる前はアメリカが世界一だった。そのとき奴酋中立は高くても21%で。22年は12%台で、ほぼ世界全体で流行していたといえる。21年2期はインドが世界一だった。この時は新規陽性患者の3分の1以上がインドに集中した。今回の日本はこのときに次ぐ高割合となった。

1B. 死者数は日本がアメリカに肉薄

下のグラフは21年1期からの各四半期毎の死者数と死者が確認された国領土の数の推移である。

死者数は21年3期以降基本的に減少を続けているオミクロン株の流行した22年1期に少し増加したが、21年2期を超えることはなかった。そして、22年2期は1期の4分の1ほどに減少した。以降はおおむね減少を続けているが、減少率はだいぶ下がった。また、23年1期は145国領土で新規陽性が確認された。

新規陽性が確認された200国領土のうち、ブルネイなど55国領土で死者数が0人だった。このうちエジプトは22年2期から4期まで新規陽性数0人を続けていたが、23年6週から感染が再開した。また、トルコなど33国領土で23年1期の新規陽性数も死者数も0人だった。下の地図では、死者は0人だったが新規陽性のあった国領土を青色で、死者も新規陽性もなかった国領土は白で表されている。


死者数が0の国はアフリカ北部などかなり偏って存在している。

大陸別では、アメリカ北がもっとも多く、4万0480人の死者があった。ヨーロッパ西は2番目で、新規陽性数の最も多かったアジア東が3番目だった。下のグラフは、23年1期(外側)と22年4期の大陸別の死者数のシェアを表している。


アメリカ北、ヨーロッパ西、アジア東で世界の5分の4の死者を占める。アメリカ北は22年4期に比べシェアを5%拡大した。他の地域はほぼ同じか小さくしている。一方、アフリカのシェアはほぼ0である。

次のグラフは22年1期からの大陸別新規陽性数である。濃い青が23年1期をである。


どの地域も、22年1期に比べて死者数が減少している。しかし、新規陽性数に比べると、グラフの傾きが小さい、つまり、死者は新規陽性数ほど減ってはいないということである。しかも、アメリカ北とオセアニアは23年1期の死者数は22年4期の死者数よりも多かった。

次のグラフは22年1期からの大陸別の人口100万人当たりの死者数である。

死者数が2番目に多かったヨーロッパ西でこの数値がもっとも高くなった。2番目はオセアニアで、アメリカ北は3番目である。アフリカはほぼ0である。

下の表は23年1期の死者数ランキングである。

23年1期に最も新規陽性数が多かったのがアメリカである。メリカの死者数は3万4727人で世界の約27%を占める。死者の4人に一人はアメリカ在住である。アメリカはこれで、21年3期から7期連続で世界1位である。下のグラフは世界で新規陽性数が最も多かった国の世界に対する割合である。

毎週の死者数では数回日本がアメリカを抜いてトップになったことはあるが、四半期になるとアメリカの独壇場である。唯一インドが21年2期にアメリカの死者数を超えたことがあった。今回のアメリカのシェアはそのときのインドを上回って過去最高となった。

1C. 死者の割合は上昇を始めた

QRでは各四半期ごとに死者数の新規陽性者数に対する割合を計算している。ある四半期の最初の頃は前期に感染した患者が亡くなり、また、その四半期の終盤に感染した患者は、その次の四半期に亡くなることが多いので、致死率に近いが、致死率ではないので、QR では死者の割合と呼ぶことにする。下のグラフは22年1期からの死者の割合の推移である。

あれだけ猛威を振るったオミクロン株であるが、死者の割合はそれほど高くはなかったことがわかる。22年1期の死者の割合は21年のどの時期よりも低い。そして22年中は死者の割合は0.4%未満を維持していた。しかし、22年4期から、再び死者の割合が増えた。

下のグラフは大陸別の死者の割合の22年中の推移である。

アジア全体、ヨーロッパ西、アフリカ西、アメリカ北、アメリカ南、オセアニアで23年1期の死者の割合が22年以降の最大となっている。それ以外の地域でも、全体的に死者の割合は増えている。

次の表は23年1期の死者の割合のランキングである。

23年1期の死者の割合がもっとも高かかったのは、スーダンの16.95%だった。

2。 日本の感染は政治の失態か

下のグラフは日本の新規陽性数の推移である。

2021年中はそれほど多くはなかったが、オミクロン株の世界的な流行により、22年1期に急増する。世界的には22年2期以降は新規陽性数は減少傾向であるが、日本は22年3期に22年1期の2倍以上の新規陽性が発生した。BA.5型の流行である。以前にも指摘したが、BA.5型の流行は世界的に見れば初期型よりも小さく、日本のように22年3期の新規陽性数が22年1期を上回ったところはウォリスフツナ、ツバル、台湾、セントヘレナ、ニウエ、ナウル、モンセラート、ミクロネシア、マーシャル諸島、マカオ、日本、グアテマラ、フォークランド、北朝鮮だけで、世界に14例しかなく、極めて珍しいケースである。このうち6国領土がオセアニア、4国がアジア東に集中している。日本を中心として、BA.5型の流行が発生したといえなくもない。

21年4期から22年1期にかけて何が起こったかといえば、W杯と岸田政権の誕生である。岸田政権は2021年10月4日に発足した。発足後は新規陽性数の減少が続いたが、12月から急増し始め第6波となった。日本はコロナ期間中安倍晋三氏、菅義偉氏、岸田文雄氏が総理大臣を歴任した。大まかに、安倍政権時は原種株、菅政権時はデルタ株、1次岸田政権時はオミクロン株初期型、1次岸田政権時はBA.5型が感染の中心である。その間の1日あたりの新規陽性数(左上)、死者数と死者の割合(左下)、回復者数(右上)、回復率(右下)を下のグラフにまとめてみた。

新規陽性数も死者数も岸田政権が圧倒的に多く、特に第2次岸田政権次がもっとも多い。死者の割合は安倍政権時がもっとも高い、が、安倍首相の時は新型コロナ発生時で、まだ、対処法も確立していないなかった頃であり、致し方ない面もある、また、検査を求める者が大量に医療機関を訪れて、コロナ患者の診察がすぐにはできず、手遅れになったケースも見られた。菅政権、岸田政権は死者の割合が大きく減少したが、第2次岸田政権では少し増えた。

一方、第1次岸田政権では回復者も多い。新規陽性者数とほぼ比例している。しかし、第2時岸田政権時の回復者数は少なくなっている。回復率を見れば、安倍政権から第一次岸田政権までは90%の回復率があったが、第2次岸田政権では11%の落ちた。

安倍政権、菅政権、第1次岸田政権での新型コロナ対策は良く、世界に比べても感染者死者共に少なかったのだが、第2次岸田政権でが、感染者は世界でもっとも多くなり、死者数もアメリカに肉薄していた。

岸田首相が第2次内閣で成し遂げたことは、規制緩和とオミクロン株対応ワクチンの接種開始が上げられる。世界の統計から、規制緩和をすると一時的に新規陽性数が増える傾向があることがわかっている。それが3期に新規陽性数が増えた大きな原因であると勘がられる。しかし、日本以外、特にヨーロッパやアメリカでは、その増加も長くは続かずに、減少傾向となった。時折、増加することもあったが、以前ほど大きくはなかった。しかし、日本は増加が長く続いた。この差は、おそらくワクチン接種回数から生まれると考えられる。 下のグラフは、世界と日本のワクチン接種回数の比較である。


ワクチン接種は菅政権の時に飛躍的の増加した。岸田首相は菅政権の接種対策をひきついだが、21年3期末の完了率は60%あり、接種回数が一旦半減した。そこで、ブースターを推進する政策に出た。厚労省は、ワクチン接種及びブースターの有効性を伝えるために、接種回数別の感染者数とその割合を公表し、接種した方が感染しにくくなる、接種回数が多いほど感染しにくくなると宣伝し、メディアや自民党もそのデータを報道をた。そして、オミクロン株の影響もあり、22年1期は接種回数が倍増したが、その終焉とともに、22年2期の接種回数は半減した。引き続き、政府は接種を進め、BA.5の感染拡大もあり、接種回数は増加傾向となった。

しかし、この厚労省の接種回数別の感染者数とその割合のデータには、接種回数不明の感染者が含まれていなかったことが判明した。厚労省は、うっかりミス、のようなことを言っていたが、真実をかどうかは疑問が残る。というのも、他にもデータの集計ミス(捏造?)が行われていたからである。QRが接種回数不明の桃も接種者として数え直したところ、接種者の方が感染しやすかったという結果が出た。

また、22年4期からは、オミクロン株対応ワクチンの接種を進めた。しかし、厚労省の接種回数別感染者の統計は、オミクロン株対応ワクチンので周りと共に公表されなくなった。自民党もくだんの記事を消してしまった。今はどうなっているのか不明であるが、おそらく、ワクチンを推進するのに適切でないデータが出たのだと思う

23年1期の接種回数と新規陽性数との関係は4月末頃に公表したいと思うが、ワクチンの接種回数と新規陽性数には相関が見られる。岸田首相のコロナ対策が逆に第8波を引き起こしたといえなくもない。実際、ヨーロッパ西の多くの国は基線緩和と同時に接種も不要となった。同時に、新規陽性数も減少した。ワクチンを接種するから、感染が広まるという考えを持つ研究者も少なくない。欧米のように接種回数を減らしておけば、をやめておけば、第8波が過去最悪となることはなかったのではないだろうか。日本では、23年1期の接種回数が22年4期に比べて、約5分の1ほどになった。そして、今は、日本も新規陽性数が減少を続けている。

3。まとめ

まとめると、23年1期は新規陽性数も死者数も減少が続いているが、死者の割合は上昇を続けている。つまり、かかりにくくはなったが、感染すると、ちょっと危ないかもしれない、ということである。

次回は治療者数、重症者数、回復者数についてまとめる予定である。

今回から毎週のデータの公表を中止したいと思う。労力もさることながら、新規陽性数などの数値が更新されない国領土が増えているからである。また、公表したとしても、2週間遅れのところも増えたので、速報性は心もとない。QRではトレンドマップを公表して、集計時から2〜3週間後の傾向を予想していたが、公表が遅れるので、あまり意味がなくなってきた。ここでは、23年13週のトレンドマップを上げておく。

3月31日時点では、インドから東南アジア、オーストラリアで感染が拡大し、今くらいまで続いているはずだが、果たしてどうであろうか?

4月14日投稿

データについて

Worldometer の Coronavirus Update にリストされている229国領土と2クルーズ船に、北キプロス、コソボ、ピトケアン、トルクメニスタンを加えた235国領土のデータを集計している。

人口、新規陽性数、死者数、治療者数、重症者数はWorldometer(https://www.worldometers.info/coronavirus/)の Coronavirus Update 、コソボはWHO、北キプロスは自国のウェブページ(https://saglik.gov.ct.tr/COVID-19-GENEL-DURUM)、日本の空港検疫の新規陽性者数は厚生労働省(https://www.mhlw.go.jp/)の発表する「新型コロナウイルス感染症の現在の状況について」の数字を用いている。セルビアとキプロスの数値はWorldometerの発表する数値から、コソボ、北キプロスの値を引いたものを採用している。

回復者数や感染率など上記以外は2次データで、全てこれらのデータから計算している。

接種回数とブースター回数はGithub(https://github.com/owid/covid-19-data/tree/master/public/data/vaccinations/country_data)から、日本のブースターとオミクロン対応については首相官邸のホームページ(https://www.kantei.go.jp/jp/headline/kansensho/vaccine.html)から入手している。その他のデータあるいは記事等の出どころは本文に記す。



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