見出し画像

新卒2年目ライターの研究!惹かれる“タイトル”の規則性を探ってみた

「猛烈に良いタイトルを書きたい!!!!!!」


突然の「良いタイトル書きたい」発言、失礼いたしました。ライターを初めて2年が過ぎ、編集者をあっと驚かせるタイトルを私も書きたいと、気持ちが暴走してしまいました。

私がつるぴか新米ライターだった頃、自分が考えたタイトルは跡形もなく編集者さんに直されることが日常茶飯事でした。

そこから約2年、少しずつ赤が少なくなって入るものの、100%採用されることはまだまだ少ないです。しかも、編集者さんと私のタイトルを比べると、惹かれるのはやはり編集者さんのタイトル(悔しい、、、、)。

ライターを始めた当初は、「沢山の知識や経験が私にはないからいまいちなタイトルばかりなんだ!」と思っていました。しかし、がむしゃらに経験を積むものの、まだまだ光るタイトルとは言えない状況。そこで、「一定の知識は必要だとしても、良いタイトルを生み出すには規則性があるのでは…?」と考えるようになりました。


そこで編集ライティング研究(通称 ヘラ研究)で、良いタイトルの規則性を探すことになりました。

ヘラ研究ってなあに?

ヘラ研とは、私が所属しているinquireでの活動です。実務の課題解決とは別のもので、プレイフルに課題に向き合うことに主眼を置いています。参加メンバーと協力して課題に様々な角度から問いを投げかけ、向き合うことで、より前向きに課題を解決していきます。(100%解決しようとしなくてOK、向き合った過程や得た気づきが大切)

詳しくはこちら

どうやって研究するの?

今回のタイトル研究は、惹かれるタイトルの“共通点”を見出すことに重きをおきたいなと思いました。なので、共通点を探れるように以下のような研究方法をとりました。

①同じメディアから、良いなと思うタイトルを直感的に選んでいく
②良いなと思ったタイトルの記事を読んで、記事のターゲット・訴求ポイントを出す
③なぜ、そのタイトルが良いなと思ったかを考える。
④良いなと思ったタイトルの構文を出してみる

スクリーンショット 2021-11-18 18.30.44

私は上記の工程をXD(クロスディー)CX Clipdenso storiesの3つのメディアで試してみました。このとき、分析するメディアはビジネスメディアならビジネスメディア、ライフスタイルメディアならライフスタイルメディアと統一したほうが、私の研究で分析しやすいなと思いました。

また、良いタイトルを見るけようとしたときに、「ちょっと微妙なタイトルだな」と思ったものもピックアップしました。良いタイトルと比べて何が微妙なのか?を言語化できると、自分がタイトルをつけるときにも役に立つと考えました。

基本的なタイトル構造

タイトルを分析していて1番に気づいたのが、タイトルが1文か2文になるか、基本的なタイトル構造があることです。

タイトルが2文の場合

タイトルが2文のときは、オウンドメディアに自身の活動を掲載するときではなく、他媒体に掲載されるときに2文になることが多いです。これは、1文目が記事のおおよその要約や読者を引きつける文章になり、2文目が1文目お語っているのはどの企業か説明をするためです。

例①:
体験を軸にした店舗は何が違う?店頭でのデータから顧客と企業の新たなつながり方を提案する「b8ta」 #exp_liveout

以上のタイトルでいうと、1文目で読者を惹きつける、いわゆる“フック”と言われる文章になっており、2文目が1文目をより詳しく説明した文章になっています。

ここで言われる“フック”のもとの意味は、モノをひっかけ釣り上げる道具ですが、それを比喩して、ここでの意味は読者に「読みたい」と思わせることを指します(このフックの付け方は次の段落で説明します)

さらに、良いな!と思うタイトルが2文のものは、1文目と2文目の意味が乖離していないことです。1文目と2文目、全く違うことが書かれていると、「一体この記事は結局何が書いてあるんだろう?」と読者に負担が大きい疑問をもたせてしまいます。

例①のタイトルを1文目と2文目乖離したものにしてみた:
商品を「売らない」店舗!店頭でのデータから顧客体験を提供する「b8ta」 #exp_liveout
⇛商品を「売らない」とフックになっているのに、なぜ売らないか2文目で回収されていない。
⇛「売らない」と「店頭でのデータ」どう繋がるのかがタイトルをみただけではわからない
(記事のおいしい部分だけ抜き出そうとすると、意味が通らないタイトルになりがち)

タイトルが1文の場合

タイトルが1文の場合は、A企業がA企業のことを語っているときに1文になりやすい性質を持っています。そのメディアに入った時から、どの会社のことが書かれているかが明確なので、1文になっていることが多いです。

読者を惹きつける“フック”をどう作る?

先程の段落でも説明したように、タイトルには読者を惹きつける“フック”が重要になります。では、その“フック”はどうやってつければいいのか、良いなと思ったタイトルから以下出してみました。

①少し矛盾を入れる
例:
「頑張らないエコ生活」を叶える、エネルギーとの新しい付き合い方。
給電なしで、ずっと走れる。そんな暮らしがすぐそこに。

上記のように「頑張らないエコ」「給電なしで、ずっと走れる」少しの矛盾を入れることで、「それってどういうことだ?」と読者は気になります。矛盾を入れるコツは、“少し”の矛盾ということ。あまりにもかけ離れすぎると、疑問が大きくなり、かえって読者に負担に強いてしまいます。

②小さいモノと大きいモノの比較
例:
気候変動から地球を守る、小さな救世主

上記のように小さいモノと大きいモノを入れることで意外性を生み出すことができます。

③インパクトある発言を入れる
例:
「達成すべきCXから逆算してDXとEXを設計する」事業者向けECモノタロウの顧客体験を支える「3X」の視点とは #exp_liveout

記事を表すような、その発言だけでインパクトがあるものをタイトルに入れます。


④未来をイメージさせる
例:
ディスプレイが広がれば、安心できる移動社会も広がる

未来を提示することで、「その未来に向けてどうしていくんだ?」と読者が惹きつけられます。


上記は、私が様々な良いタイトルを吟味するなかで出てきた一部にすぎません。必ずしも①〜④のどれかが入っていると良いタイトルになるというわけではありません。記事が伝えたいことと、誰に伝えたいかというターゲットを踏まえて、どういうフックを作っていくべきかと考えることが大切です。上記はあくまで、アウトプットの参考例として活用いただけると嬉しいです。

フックの共通点は?

読者が記事を読みたい!と思うフックの共通点はどんなものなのでしょうか。以下を抑えていくと、あなたも良いフックを開発できるかもしれません。

①「わかるようで、わからない」を狙っていく
読者となりうるターゲットがタイトルを読んで、100%理解できないものは記事を開こうとは思いません。一方で、わかりきっていることをタイトルにしても、記事は開かれません。1番重要なのは、「わかるようで、わからない」ところを狙っていくことです。

わからないタイトル例
・BPOプラットフォーム、パワーMOSFET(専門用語すぎてわからない!)

わかりきってるタイトル例:
・カウンセリングは依頼者の相談を解決する場所だ


②意外性・共感・疑問をポジティブに作っていく
「この記事を読むと歯がゆいところに手が届くかも!」とタイトルで思わせることで、読者の「気になる」を生み出します。また、「気になる」の生み出し方は不安を煽ると、読者のトラウマを想起させる可能性があります。なので、不安ではなくポジティブさをタイトルで作ることが大事になってきます。

おまけ:もやっとするタイトル

いろんなタイトルを分析する中で、モヤッとするタイトルもいくつか出ました。以下もやっとタイトルに共通することを上げています

①助詞が多い
例:
sentenceは文章の「体感」を通して伝えたい、文章と共に生きる豊かさ

なんとなくタイトルの理解はできますが、助詞が多ければ多いほど読者には負担を与えてしまいます。

②当たり前タイトル
例:
感動する素晴らしい絶景5選!

当たり前なタイトルだと「読みたい」という気持ちが沸かず、その記事だからこそのオリジナリティも感じにくいです。

研究してみての感想

タイトル研究する中で、多くのタイトルに触れてきました。そのなかで、自分が思う“良いタイトル”が少しずつ確立していけたのは、いい経験だったと思います。普段記事を書くだけだと、媒体をまたいでタイトルを見る時間はあまりとれません。沢山のタイトルを並べて、そこから光るものをピックアップしていく過程は、自分の中のタイトルに対する感度を上げました。

また、ある程度タイトルの構造がわかると、タイトルのどの部分から考えるべきかがわかるようになりました。ここをフックにしたいから、これを説明する文章をいれる…などどういう順番で考えればいいかわかると、タイトルに対する漠然とした不安も薄れていきました。

今回の研究では、記事のどういう部分をタイトルにすべきかは言及できていません。(本記事は、あくまで良いタイトルの共通点のみに言及させていただいています)記事のターゲットと目的を考慮しつつ、どういう要素をタイトルに入れていくかはまたの機会で研究できればなと思っています。


========

今回のヘラ研究の取り組みは、私が所属しているinquireの取り組みの1つです。inquireでは、いい文章を書くための学びの場が多く、新卒入社した私もめちゃくちゃ活用させてもらってます。(メンバーの沢山のフィードバックがあって、日々レベルアップしています(涙) ありがたい(涙)(涙)(涙))

現在inquireでは、絶賛採用募集中です。気になる方はぜひ以下をチェックしてみてください^^

ビジネスライティング講座も開催しますので、興味ある人はぜひ以下をのぞいてみてください^^


サポートありがとうございます😭❤️サポートは本を購入したり、休日にカフェでゆっくり心の回復をするのに使わせてもらいます🙇‍♂️