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岡田斗司夫の未来予想から見える、web3.0とDAOの予想と答え合わせ

こんにちは、米国のSaaS企業でプロダクトマネジメントをしています、ハヤカワです。
本noteは岡田斗司夫氏の「頭が良くなる教育論~東京学芸大学講演」をもとに、現在のWeb3.0という技術的な変革と流行、それに伴う社会構造の変化について、答え合わせしながら考察してみます!
私の専門はあくまでもIT、テクノロジーであり、社会や教育、経済ではないのでその点ご留意ください 🙏

前提として以前書いた「Web3.0と岡田斗司夫「評価経済社会」から見る2022年のトレンド予想」の内容も踏まえています。

上記二つのコンテンツをご覧になった上で、読んでいただくと理解が深まると思います。
それでは本題に入ります!👇

👀「岡田斗司夫の教育未来予想」 超要約

まずは本講演の内容です。必ず動画は見ていただければと思いますが、まずは論旨を伝えるために要約を記載します。

近代国家を作るためには、民を「国民」にする必要があった
##「国民教育」
個人の抜け駆けよりも【調和と国民の統一】に価値を置く
貧富の差を作らないかわりに、全体主義的・画一な教育になってしまう
「服従心と団結力」を子供に与える
支配者=世襲の平凡人→「優れたひと」への大変化
##「市民教育」
戦後の教育であり、現在の主流 (別名・民主教育)
・全体主義・画一を否定
・「個性と競争力」を子供に与える
1. 個性・・・他者との差別化・独自性
2. 競争・・・個性を活かした戦略で戦う
豊かな社会が実現して、誰もが国民教育では納得できなくなって生まれた
誰もが政治に口を出し、誰もが社長になれる世界の教育法
優れた人=社会的に上昇志向がある、という大前提
## では「新しい教育」とは?
・資源の限界感と経済の停滞、国民数の減少、という「これからの世界」
・消費よりも継続(サスティナブル)
・勝利や競争よりも、分配や共生
## 「国民→市民→友愛民(フラタニティ)」
・画一的な教育から、個性と競争の社会へ
・個性と競争から、つながりと共生の社会へ
・ネットを活用した「目立ち力」
・「脱・恋愛」「脱・家族」「脱・組織」であり、近くにいる人を大事にするという志向
・人間関係がすべて

講義レジュメから一部を紹介 https://www.facebook.com/frex.otaking/posts/10204629659997410?pnref=story

本講演では、教育のあり方を社会構造の変化とともに論じています。
決して、教育のあるべき論を語るものではなく、過去の歴史や社会の変化を学ぶことで、教育の未来を考えようという趣旨になります。
約8年前の2014年に開かれた講演ですが、現在2022年の世の中を見事に説明している部分があるため、この動画を見た時大変驚きました。
私の解釈も加えて、おおよそ図解すると以下のようになります。

社会構造の変化の歴史

社会構造の変化

  1. 家を中心とした民による村社会
    ↓⚠️[産業革命]

  2. 国を中心とした国民による産業社会
    ↓⚠️[経済の成長と貧富の格差]

  3. 経済を中心とした市民による経済社会
    ↓⚠️[資源の限界と経済の停滞]

  4. フラタニティを中心とした個人による分散型社会/評価経済社会

それぞれの社会構造の前後には、技術的な革命や経済変化が起きており、それに対応するために社会構造が変化し、それを実現するために教育のあり方も変化してきました。

①から②はいわゆる近代国家の成り立ちです。

家や村を中心とした社会が、産業革命によって「国を中心とした国民による産業社会」に変革

産業革命による、身分制度の撤廃や産業社会の成り立ちについては割愛します。(動画をぜひご覧ください👀)
今回、特に注目したいのが、③から④の変化です。

資本主義社会から評価経済社会への変革

講演が行われた当時2014年は③「経済を中心とした市民による経済社会 」の中にありつつも、現在にも続いている資源の限界や経済の停滞が囁かれていた時代背景かと思います。

2014年にネットで話題になった時事ネタをまとめた画像 (懐かしい.…)

岡田斗司夫氏は当時うっすら見えてきた評価経済社会やホワイト革命(「美」が最重要視される価値観の変革)の考え方を、④で「フラタニティ」(友愛)という表現で論じています。

フラタニティとは
中世後期 - 近世のイングランドにおいて俗人によって自発的に形成され、宗教的機能をはじめとして様々な社会的機能を発揮した友愛の連帯組織をいう
(北米の大学・大学院の男子学生社交団体を表す用語としても使われるが、この記事ではその意味は持たない)

Wikipedia

そして、2022年現在の市場状況を踏まえたWeb3.0の解釈を加えて④の次世代の社会構造を「フラタニティを中心とした個人による分散型社会/評価経済社会」と解釈できると思います。これについては本記事の最後に説明します。
それでは、まずは現在も続いている③「経済を中心とした市民による経済社会 」から考察したいと思います。

💹 経済を中心とした市民による資本主義社会

市民教育による個性と競争の価値観と、民主主義的な活動と経済成長が生まれた社会

工場での生産や画一的な労働によって、それぞれの国が富み、産業社会として社会構造が成り立っていた状態が②「国を中心とした国民による産業社会」でした。
一方で、経済格差が広がり、貧富の差が徐々に現れることによって、全体主義や画一的な教育というだけでは国家や社会が成り立たなくなってきました。
そこで、前時代である全体主義を批判する形で、民主主義という価値観を中心に据え置いて、「個性と競争」が美徳であることを教育として教えられて出来上がったのが現在でも続いている資本主義社会だと考えられます。
つまり、政治、経済、労働においては投票や多数決を通した平等性や民主性を優先します。その中で私たち市民は、企業や組織での労働を通して、賃金を得るという「自由競争」に身を置きます。前時代のように世襲や家柄主義、「偉い人は偉い」という考えではなく、勉強やスポーツができたり、実力や努力によってその立場は変えられる、地位や名誉を得ることができるというのが自由競争です。
市民はそのような競争から得られた富を消費活動を通して、社会に還元し、その対価として「個性」を獲得しています。
自由競争によって多くの富を得て、独自性を出し他者と差別化を行うことがこの社会では評価されるわけです。
一方で、個人に責任が課せられることになります。誰でもできる作業や、産業社会で中心的だった工場のような画一的な業務は比較的低賃金であることからも分かるように、勉強ができないこと、教育という鋳型にうまくはまらなかった者は評価されない時代になります。
これが、資本主義社会における「個性と競争」です。一方で、これらが人類の本質的な営みかというとそうではなく、「個性と競争」が重要であると市民教育によって近代国家では教わってきた結果にすぎません。

🤯資本主義社会の限界

一方で、ある程度多くの国が経済的な発展を遂げると格差の広がりに限界がきます。資本主義社会においては格差にこそ価値、そしてお金が生まれるので経済成長の限界もきます。さらに同時に地球環境における資源の枯渇、限界が見えてくることで経済がより停滞し、同時または後発的に人口の減少が起きます。
これにより、人々はこれまでのような自由と競争ではない、新しい価値観と社会構造を望むようになります。それが、「分配と共生」という新しい価値観を重要視した「フラタニティを中心とした個人による分散型社会/評価経済社会」です。

💎「分配と共生」という次世代の新しい価値観

④フラタニティを中心とした個人による分散型社会/評価経済社会資本主義社会に代表的なサービスやIT企業

資本主義社会の限界が来ると、次に人々が求める価値観はどうなるのでしょうか?
現在の10代の若者の多くは、上昇志向ではなく水平思考で、他者とのつながりに重きを置くと言われています。
つまり、出世だとか昇格昇給、地位や名誉といった上方向の考え方ではなく、同一の価値観を持った横の人と繋がることに価値を見出します。
そのような、Z世代を見た前時代の世代は、夢がないとか、ゆとりだとか、やり遂げる力がないだとか、すぐに学校を辞めてしまうといった、市民教育から植え付けられた過去の鋳型によってその価値観を判断します。
一方で、次世代の若者はそのような前時代の世代に対して、次世代の鋳型によって同様に批判的な見方をするわけです。

では、次世代の社会とはどういうものなのでしょうか?先ほど述べたように、彼らにはこのような価値観があります。

・水平思考、つながりがあること
・他者に貢献して有用性があること、役に立つこと
・魅力的であること (欠点があり、わがままにつきあわせ、迷惑であること)
・目立つこと(印象深く、キャラクターが立っていること)
・人として美しいこと (容姿、態度、性格)

そして、この価値観のもと、このような行動をとることになります。

・つながりを作ること
・他者に貢献して、役に立つこと
・魅力を伝える、発信すること
・人を集めること、コミュニティを作ること

これまでの「自由と競争」という価値観ではなく、少ない資源と限界が来てしまった経済の中で「分配と共生」という価値観に変わります。
このことを岡田斗司夫氏はフラタニティ(=友愛)という表現をされています。

つまり、今までは国や会社といった比較的大きな組織、そして経済活動を主の目的とした組織で、私たち市民は活動をしていたが、今後は宗教に近いような「同じ考え方の人間同士で連帯しよう」という、自由と平等、そして友愛の考え方に基づいて行動するようになる、ということです。

さて、これらの考え方が、なんと2022年現在、私の専門であるテクノロジーやIT産業、技術革新において大きく当てはまっていると考えています。
(やっと本題です🙇‍♂️)

👨‍💻資本主義社会とWeb2.0

資本主義社会では、「個性と競争」を価値観の源泉として、個性的であることや、他者との差別化、所有と独占、そして消費活動が 私たち市民の主な行動でした。

資本主義社会に代表的なサービスやIT企業

これらの価値観によって大きく急成長した企業が、いわゆるGAFAです。
Google - 情報の独占と、YouTubeによる個性の表現
Amazon - 消費活動による差別化
Facebook(Meta) - 自己表現による差別化
Apple - 消費活動と個性の表現

私たちは資本主義社会における「個性と競争」の価値観を教育によって植え付けられることで、それらを120%満たしてくれるサービスを使うことに多くの幸せを感じるようになりました。GAFAはまさにそんなサービスを全世界に提供しているわけです。また、最近ではTiktokや音声メディアなどさまざまなサービスを通して、個性を出し自由に表現し、競争し合う社会がweb2.0のインターネット上でも行われています。
SNSのフォロワー数合戦や、YouTube戦国時代、いかに良質で個性的なコンテンツを発信し続けられるかが、個人がインターネットで生き続けられるかの指標になります。

🆕 フラタニティ社会とWeb3.0

一方で、フラタニティ社会では、個性のアピールのしすぎや、個人が他者を差別化しすぎること、所有と独占はよく思われません。
先のGAFAについても、独占的であることや中央集権であることが、セキュリティやプライバシーの観点のみならず、その一極集中の経済活動そのものについても批判や疑問を投げかける人がいます。
地球資源についても、SDGsやサステナビリティという言葉が表すように、一組織や個人による独占や、大量消費は批判の対象になります。

この社会では、他者を競争によって蹴落とすのではなく、資源や利益を分配し、同じ価値観同士で共生することが良いとされます。
なぜならば、資源が枯渇し、経済成長が停滞しているからです。
その結果、水平思考で他者とのつながりを求めたり、他者に貢献して役に立つという有用性が評価されたり、魅力や発信力、人を集める能力があることが評価されるようになります。
このことを、現在のサービスや市場動向で説明すると以下のものが当てはまります。

  • InstagramやTiktokのインフルエンサーによるマーケティング

  • Discord, Slack, Twitter Community, Clubhouseのような同一価値観同士のつながりの場

  • 個人でのメンタリングやコーチング、複業のようなギルド的な働き方

  • クラウドファンディングや投げ銭のような個人や小さな組織への投資

  • コレクティブ/ジェネラティブNFTを持つことによる同一価値観の証明

  • DAOにおける他者への貢献と自身の有用性の評価、利益の分配

このように、現在2022年である意味「ブーム」と言えるサービスやコンテンツの発展は、その多くがフラタニティを中心とした分散型社会への変化を表していると考えられます。

分散型社会への変革と、web 2.0からweb 3.0への技術的変革

🎪フラタニティ社会におけるDAOのあり方

この社会構造において、DAOは特に重要な役割を担っていると考えています。というのも、岡田斗司夫氏が2014年に述べたフラタニティな社会がDAOそのものだからです。

フラタニティとDAOの共通点

フラタニティとDAOには多くの共通点があります。(あらゆるDAOの特徴を示したものではありませんが、多くに共通する部分を抜き出し)

  1. 組織構成は数十人から数百の小中規模で、役割が与えられている

  2. 入会金や会費が比較的高額で、経済的な義務を負う

  3. お金が払えれば誰もが参加可能で、柔軟性と開放性という特徴を有している

DAOではトークンやNFTのような比較的高額な経済的な義務を負うことで、参加することができます。貢献度合いに応じてロールが与えられ、組織の意思決定について投票を通して参加することができます。
活動の目的はそのDAOが掲げる価値観やビジョンへの共感、そこに対する活動、または交流や情報交換を主としています。これもまた フラタニティにおける宗教や信仰への共感という点からも一致しています。
つまり、今後社会構造が、資本主義社会から評価経済社会に移行した際には、やはりDAOという新しい組織構造が、その中心になると考えても良いのではないでしょうか。
さらに、私自身 PM DAO (@pmdao_official) という組織を発足してから、様々な課題に直面していますが、過去のフラタニティの文化の成功と失敗を見れば、DAOを運営する上での正しい姿も見えてくるのではないでしょうか。

✍️さいごに

このように、2014年に岡田斗司夫氏が"未来予想"していた次世代の社会構造の説明として使われていた「フラタニティ」が、現在2022年にブームとなっているDAOの存在と見事に一致していることがわかったと思います。
これは「岡田斗司夫、相変わらずすげーなー」としか言えませんが、本講演ではこれは予想やあるべき論ではなく、「過去の歴史を学べばそうならざるを得ないということがわかる」と述べています。まさに過去の歴史の流れから、現在のweb3.0、そしてDAOの流行が想定しうると言うことなのでしょうか。

来年2023年にかけて社会がどのように変化するかを予想することはできませんが、少なくとも過去の歴史を学ぶことで今後生まれてくる技術革新やサービスがなぜ求められているのか?を考えることはできると思います。
そして、今回のnoteのようにその答え合わせをして楽しむこともできると思います。

私は経済や社会については専門ではなく、あくまでもIT、テクノロジーの分野から見た時に合点のいく社会構造について考えてみました。

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普段は外資系のSaaS企業のプロダクトマネージャーとして、プロダクトのあれこれを発信しています。
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