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バイナリーはアートマテリアルである 1   (画像から音楽を作るひとつの方法)

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これはドラフトです。
最終稿は http://kenjikojima.com/BinaryAsArt/

バイナリー (binary) は、コンピュータが直接的に処理できる
上の図の数字のような「0」と「1」だけの2進数表記のことです。

目次:
・概要
・画像のピクセル・データを音楽に変換「RGB Music」
・画像を暗号モザイクに 音楽鍵で元の画像に「CipherArt」
・ビデオ画像から音楽を取り出す「Techno Synesthesia」
・作品コンセプト「テクノ共感覚」

概要:
バイナリーをアートマテリアルとした、小島健治の3つプロジェクト。
1)RGB Music  カラー・ピクセルを構成するバイナリーを音楽にする
2)CyperArt 「RGB Music」を技術的な基礎として、バイナリーの論理演算を使って、写真から画像と音楽の暗号ファイルを作成する 
3)Techno Synesthesia   ビデオの時間軸で「RGB Music」を展開する
・プロジェクトは、プログラミング言語「LiveCode 」で作成しています。

私はコンピュータ・アートを始める前から、絵画の最も基本となって構築している材料に、常に興味を持って来ました。

「バイナリー」というデータの最小単位を、アートマテリアルとする考えを得たのは、中世画家が色の粉を、自らメデュームと調合して絵の具を作った技法に影響されていると考えています。もっと踏み込めば、絵画の最も基礎の構築物が岩や土の粉にたどり着きます。それは有史以前の洞窟絵画のアーチストが、色の土を石灰質の洞窟に擦り付けた衝動と、共通のものを感じるからです。

現代では顔料と溶剤が調合されチューブに詰められた「絵の具」が、原材料も作成行程も意識しないまま、簡単に絵画材料店で手に入れることができます。市販の絵の具は通常、絵画の最終形態を決定します。油絵、水彩画、ハウスペイント等々、用途別に分類され目的にさえ合致すれば、それはそれで手軽で便利です。

同じように、ほとんどのデジタル・アートも、ビジュアル的には絵画、写真、映画等、過去の視覚芸術の形式に沿った組み立て、加工をしてアートワークを完成させます。しかし将来的には全くこれまでになかった、形式も感覚もクロスオーバーする、または全く新しいアート・フォルムを作り出す可能性があります。

ある目的のために集められたデータも、バイナリーにして他の形式のファイルに出力すれば、見かけ上はその形式のファイルとなります。

始めに取り上げる「RGB Music」は、画像の最小単位ピクセル・データをバイナリーで、midi音楽の形式に出力すれば、一般的な音楽の美意識はともかく、形式上12音階の音楽が作られます。

同じように他の目的や感覚のために作られたファイルを、バイナリーに還元して全く違う形式のファイルとすることが可能です。そのファイルが有用であるか無用であるかは、違った次元の価値の事柄です。

私の興味が視覚と聴覚の共通項を探ることから、画像の音楽への変換に取り組んでいますが、別の感覚のデータを変換することも可能でしょう。もちろん画像と音楽であっても、私の方法とは違ったアルゴリズムも無数に見つけられるでしょう。デジタル・アートはまだ始まったばかりで、今は過去の方法に捕らわれない、基礎的な可能性を試しているだけです。 私たちはこれからどこに向かっているのか、全く予測がつきません。

私はデジタル・アートを、他のアートマテリアルより多少地球にクリーンで、より未来に向かって思考できる、新しいアートの方法と考えています。

2007年に静止画像のバイナリー・データから音楽を作成する「RGB Music」にたどり着きます。

2013年に人間の外界を感知する感覚器官(視覚・聴覚等)と、暗号を解読する方法に、何か共通なものがあると感じて、バイナリー・データを論理演算する暗号と復号の「サイファー・アート(Cipher Art)」に取り組みます。

2014年にビデオ画像の時間軸にあるバイナリーから音楽を取り出し、時間のビデオ空間に立体を描くメディア・アート「テクノ・シナステージア(Techno Synesthesia)」を始めます。


バイナリーはアートマテリアルである
1. 概要
2. 画像のピクセル・データを音楽に変換「RGB Music」
3. 画像を暗号モザイクに 音楽鍵で元の画像に「CipherArt」
4. ビデオ画像から音楽を取り出す「Techno Synesthesia」

5. 作品コンセプト「テクノ共感覚(Techno Synesthesia)」



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