見出し画像

コミュニケーションで大事なこと(3)

 わ~前回書いてから2週間経過してますね。(汗)
 申し訳ありません。(と・・・自分に謝罪する)
 8月・9月は超忙しくって・・・「言い訳」しときます。(笑)

 さて本題に入ります。

 私がサポートしており・・・大規模修繕工事が終わろうとしてるPマンション管理組合。
 前回は・・・施工会社や工事監理者の対応に納得がいかないSさん(=居住組合員)が登場し、Sさんのマシンガントークが炸裂~!
 私は・・・真摯に話を聴き、賛同できることには賛同の意を!
 または・・・賛同できないことには(「それは違うでしょ!」とは言わないで)「そうお感じになったお気持ちは理解できます」と同意の意を表しました。

 そして1時間後・・・マシンガントークを終了したSさんから(実は、まだ言い足りなそうに感じていましたが)「お疲れなのに・・・私の話を聞いてくださり、ありがとうございました」とおっしゃってくださいました。

 今回は、そんなSさんの心境とその変化を中心にお話します。(私の主観が多いかも?です)

本シリーズのブログはこちら・・・
  コミュニケーションで大事なこと(1)
  「
コミュニケーションで大事なこと(2)

Sさんのお話は・・・

 正直なところ・・・Sさんのお話は、建築やマンションの管理組合運営に関する専門家の視点の発言ではない、と思いました。(SさんはPマンションを購入して居住されているだけなので、当たり前と言えば当たり前の話)

 私がSさんの話を伺いながら、そう感じた最大の理由は・・・
 不平や不満や疑問の事例を次から次へと話されるけれど・・・その話の「落し処」は何処なのか?(竣工検査が行われた直後である現時点で)具体的に何をどうして欲しいのか?・・・私には全く見えなかった!でした。(・・・だからマシンガントークに感じたのかも?)

施工会社や工事監理者がNGの理由

 そんなSさんに最初に対応したのは・・・施工会社(現場代理人)や工事監理者(建築士)でした。施工側の彼らは、建築に関しては専門家というかプロフェッショナルです。

 プロの観点からは、Sさんの話の中にはナンセンスな(理不尽な)こともあっただろうし、「何でこんなことを聞いてくるのか?」とSさんに対してクレーマー的な印象を持たれたかもしれません。・・・確かにSさんの指摘は、細か~いしなあ(笑)

施工側のスタンス

 施工側は、(当然だけど・・・)出てきた指摘事項を次々と潰していく(手直ししていく)スタンスで工事を進めています。

 当然にSさんからの指摘事項にも(対応の早さ、誠実さ、仕上げレベル、満足度等は、さておき・・・)対応したのだと思います。

 その上で・・・やることやったのに何故Sさんは不満なのか??・・・と対応に苦慮していたのでは?と思います。

一方・・・Sさんの思い(願い)は?

 Sさんが施工側の対応に不満がうっ積されたのは、発信したメッセージが施工側に全く伝わらない!とお感じになっていたからだと思います。

 前回も事例として取り上げましたが・・・Sさんの指摘事項の中に「(自宅バルコニー腰壁の上についている)手摺の樹脂カバーの取付けボルトが間違っている!」というのがありました。

 (私は現場を見ていないので、断定はできませんが・・・)このミスは「ケアレスミス」の部類で、しかも(仮に間違っていたとしても)将来を含め大きな問題にならないミスのように思えます。

 おそらく施工側は、「確かに間違っているけど、細かい指摘だなあ・・・」と思いながら、間違っていたボルトを正しいボルトに交換し・・・ミッションコンプリート!となったのでは?と思います。

 ところが、今回Sさんのお話(=マシンガントーク(笑))を伺うと・・・
 Sさんのメッセージは「うちのバルコニーのボルトを交換して終わりではなく、他のバルコニーでも同じようなミスが起きているかもしれないので確認して欲しい、そしてミスが起きた原因を考察してより良い工事になるよう善処して欲しい」ということだと分かりました。(Sさんのメッセージは、施工側に対して少し僭越な感じもしますが・・・Sさんってホント真面目な方だと思いました)

 それなのに、施工側は(Sさんの真意・メッセージを)全く理解してくれない!真摯に取り組んでくれない!期待を裏切られた!
 ・・・そんな感じだったと思いました。

心のスパイラル

 期待を裏切られたSさんの気持ちは、(下記のとおり)ぐるぐると・・・スパイラル構造で不満がうっ積し続けた!のかも?
 正に負のスパイラルですね。

  1. このまま工事が終わって本当に大丈夫か?という思いが強くなる

  2. 改めて工事をチェックし始める(工事を見る視点が「工事全体の仕上がり」から「部分の仕上がり(デティール)」に変化)

  3. 素人眼にも工事のアラ(指摘箇所)や「これで大丈夫か?手抜き工事と違うか?(=疑問点)」と感じることがたくさん出てくる(=施工側への猜疑心が強まる)

  4. 大規模修繕工事を良い工事にしたい思いから・・・出てきた指摘事項や疑問点を全て施工側に伝えると、「またSさんか・・・」という塩対応を取られてしまう

  5. 益々これで大丈夫か!という思いが更に強くなり・・・ふりだし(=1.)に戻る

でもSさんは・・・まだ良いかも?

 こうした不満を発信してくるSさんは・・・まだ良いと思います。
 一番ダメだなと思うのは・・・仮に不満を持っても黙って溜め込んでしまうパターンの方だと思うからです。

 Sさんの場合は、積極的に働きかけること(例:話しを聴く、説明する、意見を取り入れる等のこと)で・・・施工側の事情であったり、そうなった理解してもらえたり、場合によっては積極的に賛同する側になってもらえる可能性があります。(今回、施工側はSさんへの対応が裏目に出てしまいましたが・・・)

 不満や反対意見であっても発信してくれる方は、「関心」がある方(=気持ちが大規模修繕工事・マンション管理組合に向いている方)だと思いますが・・・
 黙って溜め込んで発信してくれない方は、「私には関係ない、係わりたくない、やってくれる人に任せるわ」と考えておられる「無関心」な方だと思います。

サイレント マジョリティ

 こうした「無関心」の方たちを・・・「サイレントマジョリティー」と呼ぶことがあります。
 Sさんも「いくら言ってもダメだ・・・話をきちんと聞いてもらえない・・・言うだけ無駄!」という風になられた場合は、Sさんもサイレントマジョリティーの一人になられると思います。(そうならなくて・・・良かった!)

 大規模修繕工事に限らずですが・・・サイレントマジョリティーが大多数を占め始めると、マンション内の雰囲気は何となく悪くなっていきます。
 こうしたマンションでは、表面上上手く行っているように見えても・・・何か大きな問題が起きると収拾がつかなくなる。
 または(管理運営でも大規模修繕工事でも同じですが)結果が期待値より低かった場合に、サイレントマジョリティーが暴れ始める(不満が爆発する)ということがあります。

 例えば、大規模修繕工事の仕上がりが期待値より低くかった場合(=実はかも?)で考えてみると・・・

 普通は「施工会社さんもあれだけ一生懸命に頑張って工事してくれた!少し期待外れだった部分は確かにあるけど、結果マンション全体がきれいになったし・・・良かった」と納得するのですが・・・
 そうではなくて「プロに任せた結果がこれか!」と、サイレントマジョリティーが爆発してしまうと・・・マンション内に不満ムードが漂ってしまいます。

 そして中には・・・施工側の不備(=工事の悪さ)を追求するだけでなく、「理事会・委員会のハンドリングが悪かったのでは?」とか「あの施工会社や現場監理者を選んだのは誰だ!」といったマンション内の責任追及モードに突入することもあります。

 これは、同じ屋根に住む住民同士がぎくしゃくする最悪のパターン・・・ゼッタイ!陥りたくありません。

管理組合運営って手間がかかるなあ

 大規模修繕工事に限らずですが・・・日頃からマンション管理組合運営に関わっていると、マンション内のサイレントマジョリティーを少しでも減らしていくアクションが、とても大事だと痛感します。

 でも、そのアクションは、手間がかかるというか、面倒というか・・・民主主義・ボトムアップで運営する管理組合運営ってホント面倒臭いなあ・・・って思ってしまうことがあります。

 次回は、大規模修繕工事と他の建築工事の違いを中心にお話したいと思います。

 高頻度の更新を目指しま~す!(笑)  (つづく


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?