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フロント担当!使わな損?損?(9)

 マンション管理組合は、「手抜き」されても、されなくても・・・管理会社に支払う管理委託契約金額は同じ。
 ・・・だったら「手抜き」対象マンションになったら損だよね!みたいなコンセプトで、自分のマンションが(激務の)フロント担当者に「手抜き」できるマンションとして認識されないために必要な理事役員の心得的なお話をしてきました。
 そして、前回は「理事会」運営の心得や具体的な留意点をまとめました。
    「フロント担当!使わな損?損?(1)
    「フロント担当!使わな損?損?(2)
    「フロント担当!使わな損?損?(3)
    「フロント担当!使わな損?損?(4)
    「フロント担当!使わな損?損?(5)
    「フロント担当!使わな損?損?(6)
    「フロント担当!使わな損?損?(7)
    「フロント担当!使わな損?損?(8)

 今回は、「管理員さんの声」についてお話したいと思います。
 中には管理員が常駐されていないマンションもあると思いますが・・・管理員さんがおらえるマンションを前提として話を続けたいと思います。(管理員がおられないマンションの方、申し訳ないです)

フロント担当者と管理員の違い

 フロント担当者は、その役割から管理費の未収金や(消防設備点検等により報告され、修繕の見積提出が求められる)不具合箇所(要修繕個所)等を一番良く把握されていると思います。

 他方、管理員さんは管理組合を毎日マンションに出勤し、マンション住民からの様々な苦情を聞いたり、またはマンション内の巡回や日常清掃をされたりしています。(違う場合もあるけど・・・)
 そもそもフロント担当者は管理会社の事務所に出勤し、一人で複数のマンションを担当しておられることもあり、(理事役員に就任しない限り)マンション住民にとっては馴染みが薄い存在なので・・・「一番身近な窓口は管理員さん」というケースが多いのでは?と思います。

 また、フロント担当者の観点は、「マンションの維持管理を適切に行うための提案を行なうこと」だと思います。(工事受注額のノルマも課せられていると思います)
 そんなフロント担当者の観点からは取るに足らない出来事(報告)も・・・(近代長屋としてマンションで快適に暮らす)マンション住民(管理組合)にとっては超重要な出来事だ!ということもあるのでは?と思います。

 いずれにしても、マンションの些細なこと(変化や困りごと等)を一番把握しているのは、管理員さんではないか?と思います。

管理員さんのご意見拝聴!

 ということで・・・管理員さんの報告やご意見は、管理組合運営に生かせることが多いのでは?と思っています。

 そして・・・できれば、フロント担当者を通じて管理員の報告を受けるのではなく、管理員に直接ヒアリングことをおススメします。
 フロント担当者経由だと・・・フィルターがかかったり、管理員さんの発したいニュアンスが上手く伝わらないこともあると思うからです。

 管理員さんから直接話を聞く時は・・・管理員さんに対し「理事会では、あなたの貴重なご意見等を快適なマンションライフのために参考にしたいと思っています。なんでも話してくださいね!」という意思表示をしておくことが大事だと思います。

管理員さんへの留意点①

 でも・・・管理員さんに対して、忘れてはならないことがあります。
 その一つは、「管理員さんは管理会社側の人間」ということです。マンション管理組合の一員ではないということです。

 管理会社内では、フロント担当者の部下的なポジションになると思います。(当たり前のことですが・・・仕事を辞める覚悟がない限り、最後は会社の指示に従うのがサラリーマンです)

 管理員さんの中には、担当しているマンションに深い愛着を持っておられる方もたくさんおられます。
 そんな管理員さんが管理会社から色々な「ガバナンス」(=組織などをまとめあげるための方針やルール)で縛られていると・・・言いたいことを言えない!、フロント担当者に報告・提案しても何も反映されない!といったジレンマに陥ってしまわれるケースもあるのでは?と思います。

 管理員さんから直接話を聞く時は、この辺りに留意しながら・・・管理員さんが本当に言いたいことを上手く聴き出せると良いなと思います。

管理員さんへの留意点②

 2つ目の留意点は、「管理員さんはマンション管理に関する知識や経験が浅い」と考えるべきだ!ということです。

 管理員さんは、定年退職等されて新たに雇用され赴任された方が多いと思います。
 多くの管理会社では管理員に採用されたら「マンション管理組合の基礎知識」とか「管理員の心得」みたいな研修を受けさせてから配属されていると思います。また、定期的に管理員研修を行っている管理会社もあります。

 管理会社によって研修レベルはマチマチですが・・・いずれにしても「付け焼刃」レベルと考えて良いのでは?と思います。(特に新任の管理員さんは顕著だと思います)

 私の知る中には・・・
 理事会で決議して掲示したチラシにマンション住民からクレームがあったからと独自の判断で取り外したり、頼まれたからと(ルールにない)宅配便の荷物預かりやタクシーコールをしたり・・・といった管理員独自の解釈で行動している管理員さんもおられました。

 ということで・・・管理員さんからのご意見等は(貴重なご意見なのですが・・・)額面通りに信じ切って受け取るのではなく、「そういう話もあるのか」程度に留めてながら話を伺う方が望ましいかも?と思います。

管理員さんへのヒアリング方法は?

 管理員さんの話を(管理員さんに出席してもらって)理事会で伺う方法もあると思います。もしかしたら、もっとも良い方法の1つかもしれません。(そうしているマンション管理組合もあると思います)

 ただ・・・管理員さんの勤務時間や労務条件やコスト等の問題等から実現困難(無理)かもしれません。
 そうした場合は、管理員さんに「事前にヒアリングする」のが良いと思います・・・ヒアリングする理事役員と管理員さんの勤務時間が上手く合わないかもしれません。

 もっとも、今ならば(「プレ理事会」同様に)電子メールでも・・・line等のSNSでも・・・通信手段はたくさんあります。
 そうしたツールを使えば、何とでもなりそうですね。

 また、その際は、管理員さんからの一方通行ではなく、ヒアリングする側(理事役員)からも発信して、双方指向のキャッチボールを行なうようにしてください。
 また、理事1名がヒアリングするのではなく、必ず複数名でヒアリングしてください。

本日のまとめ

 管理員さんの情報は、上手く活用すると・・・快適なマンションライフに役立つと思います。
 それには、上記2つの留意点を踏まえておくことが大事だと思います。

 管理員さんにヒアリングできていないマンション管理組合は、今日から管理員さんの活用をなさってください。

 ちなみに・・・最初の理事長の私は、(管理員さんの勤務時間は外出していなので)管理員さんと「交換日記」してました。(笑)

 次回からはシリーズを変えて、理事会について考えたいと思います。
 まあ・・・理事会に限らないのですが、円滑に会議を進めるコツみたいなことについても、お話しできたらと思います。  (つづく)

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