野の花

読んだ本と漫画の記録です。たまに書きます。

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最近の記事

2022年卒業見込

自己を振り返るためにnoteを始めて、気づいたら1年と少しが経っていました。長かった就活がようやく終わったこのタイミングで、自分のこの1年、おもに就職活動について、書き残しておこうと思います。(と書いたのが2021年7月の終わり、下書きに入れて忘れていたまま2年も経っていました。) 終わってみてひとつ言えることがあるとすれば、就活、向いてませんでした!いやそんなのオレは就活向いてるぜ🎶😁の人の方が少なくてみんなそれぞれ苦しみながらやってるものだと思うのですが、私も多数派の1

    • 6月16日に質問箱送ってくれた方へ、ありがとうございます

      2021年6月16日、Twitterの質問箱にこちら送ってくれた方! 正直なんでこんな小学校の教科書に載ってるような作品ばかり、教養のなさ暴かれてる?と思いましたが私のためにこれらの作品を選んであげてくれた(自意識過剰ごめん)ことを思うとすごく嬉しいので知っていたものも含めて全部読みました!ぱーっとだけど感想書いたので暇なとき見てください。自己満足の趣味なので読まなくても大丈夫です。 ごんぎつねいい話だと思っていたんだけど全然いい話じゃなくてびっくりした、「うなぎを食

      • 「花束みたいな恋をした」を観た

        今更ですが「花束みたいな恋をした」を観てきました。全然上手に話せなかったデザイン会社の面接の帰り、リクルートスーツ、大学生1人1500円、午後6時20分六本木シネマにて。リクルートスーツはこの映画を観るのに1番贅沢な装いだったと思います。感想うまく言える気がしないけど、映画すごくよかったので自分の記録のために書いておきます。 この映画、前半は2人が「好きなこと」で盛り上がる様子がいけ好かなくて(でもあの、「わかってる」かどうか相手を値踏みする感じ、すごいわかる〜〜!自分と同

        • 序破Qを観た

          Twitterのどのアカウントを見てもシンエヴァの話をしている人がいらっしゃる2021年春、アマプラにてついに「エヴァンゲリオン」を(とりあえず新劇場版だけ)履修したのでその記録です。(昨日まではエヴァのこと一切知りませんでした。なんかでかいロボットが出てきて戦ってミサトさんがシンジくんに大人のキスをする話。「全部観るのめんどくさかったら序破Qだけでもいいよ!」と言われて序破急って何?と思った)ヱヴァンゲリヲン新劇場版:序・破・Qを1回だけ通して観てギャア!!になってそのまま

        2022年卒業見込

          レベッカ・M・ハージグ『脱毛の歴史』

          「すでに、若い女性のなかには体毛を放っておくという人が増えている。理由は現在の流行だったり、単なるものぐさだったり、あるがままの姿に対するリスペクト、女性解放運動、あるいは、個人それぞれの考え方などいろいろだ。10年後の風潮がどうなっているか、誰に予測できるだろう?」 大学から借りてきて読みました。主に入植以降のアメリカにおける、「脱毛の歴史」についての本。脱毛技術の歴史と、人種、進化論、ジェンダー、フェミニズム、ポルノ等の関わりが論じられた、私にとってはそれなりに分厚い学

          レベッカ・M・ハージグ『脱毛の歴史』

          夏目漱石『こころ』

          言わずと知れた名作、長すぎる遺書の話。 遺書が長すぎて前半の記憶は薄れているのですが、強いていえばそうですね、『こころ』は同性愛の話として読める、と聞いたことがあって、今回読んでいてうーんなるほど、と思いました。「私」と先生の関係はなかなかに妖しい感じがします。 でも先生と奥さん(お嬢さん)の関係も一対の男女としてとても尊いですよね。表面上は幸福な夫婦の、お互いを思い合うからこそのすれ違い、男と女はわかり合えない大前提が切なく沁みます。 女の入り込めない高尚な世界に浸る

          夏目漱石『こころ』

          「さっちゃんのセクシーカレー」について語ること・私の人生における幾人かのさっちゃんたちへ

          大森靖子さんの、「さっちゃんのセクシーカレー」。最近一番よく聴いている曲です。 私は普段あんまり音楽聞かないし曲やアーティストにハマるようなことも少なくて、でもその代わり一度好きになった曲は年単位で聴き続けることが多いんですけど、この曲はこのニヶ月くらいずっと聴いている。そのたびにいろんな切なさを思い出して、いてもたってもいられないような気持ちになります。田舎から東京へ行ってしまったさっちゃん。僕の特別な女の子。 私は女で、田舎から東京へ出てきた人間です。垢抜けたねって思

          「さっちゃんのセクシーカレー」について語ること・私の人生における幾人かのさっちゃんたちへ

          藤野可織『ドレス』

          何もない日にドレスを纏って鏡を見るような。夜中にひとりでケーキを食べるような。なんて軽やかで重厚で、贅沢な本なのだろう、と思いました。 現実のような質量を持った、どこか違う世界の話。短編集なのですが、どれがいちばん、とも言えないので、順に少しずつ感想を書いてみたいと思います。 「テキサス、オクラホマ」 びっくりして何度も読み返してしまった。漫画家の、市川春子さんの絵を彷彿とさせる情景だった。 「マイ・ハート・イズ・ユアーズ」 一番印象に残った話。少しずつ違うリアル、

          藤野可織『ドレス』

          9月6日の読書感想文

          カズオ・イシグロ『わたしを離さないで』 あらすじを詳しくは書きませんが、静かな衝撃がじわりと染み出てくるような作品でした。 綾瀬はるか主演のドラマを金曜の夜にやっていたのが、もう4年も前のことです。舞台は日本で、あらすじはところどころ改変され、登場人物の名前も日本人名に変えられていました。キャシーは恭子、トミーは友彦、ルースが美和。 16歳だったころ毎週末母と2人で見ていたそのドラマは、本当に1ミリも救いがなくて、ヒリヒリするような人間関係と絶望の運命に毎回抉られていた記憶

          9月6日の読書感想文

          7月31日の読書感想文

          よしもとばなな『チエちゃんと私』 親戚の店でイタリア雑貨の買い付けの仕事をしている、42歳の「私」。「私」の一人暮らしの家に引き取られることになった、31歳の従妹の「チエちゃん」。オーストラリアのコミューンで育った、口数の少ないチエちゃんは、亡くなったお母さん、主人公の母の妹、の遺したお金で生活している。 チエちゃんと「私」の関係は、傍から見れば不思議で、歪んでいて、でも大切にされているものがある。淡々と語られる、チエちゃんや、人生や、仕事、愛、に対する「私」の思いは、私に

          7月31日の読書感想文

          7月10日の読書感想文

          最果タヒ『きみの言い訳は最高の芸術』 エッセイ集。読んでよかったなあ、と思いました。この本じゃなくてもよかったのかもしれないけど、久しぶりに本を読んでよかった、そしてやっぱり、手に取ったのがこの本でよかった。最果タヒさんの本は、『渦森京子は宇宙に期待しない』しか読んだことがなかったのですが、これをいいと思える自分がとても愛おしくなる、文章が好きです。自分、まだ若いのだなあ、という感じ。本文中には近年最果タヒさんご自身が「サブカル系」と呼ばれるようになったと書かれていて、確かに

          7月10日の読書感想文

          ハッピーロードのスーパーについて

          ツイッターとレポート以外に文章を書く機会を設けようと考えて始めてみました。 思えば大学生になってから文章を趣味で書くことが本当に減りました。思春期のころせっせと大学ノートに書き溜めていた、誰かに見せることを想定していなくてむしろ誰にも見られたくない、自分のためだけの文章を思い出しては、あれは尊い営みだったのだなと感じます。「秘密のノートだから」と言って実家に残してきたそれらは、もう妹に読まれたか、あるいは捨てられてしまったかもしれませんが。 しかし、私はまだ若いので、過去を

          ハッピーロードのスーパーについて