ガオは田舎に住んでいる
私の姪っ子のはなちゃんが3歳だった頃の話だ。
はなちゃんは、私の妹の子供だが活発であんまり親の言うことを聞かない子供だった。
それで、昼寝をしないとか、夜遅くまで起きているとか、そういう時だけ想像上の怪物の「ガオ」がやって来るという設定で、なんとか親たちが寝かしつけていた。
ずっとこのままはなちゃんが、「ガオ」の存在を信じていれば良かったのに、はなちゃんはある日気づいのた。
「ガオ」なんていないという事を。
なぜそれが分かったかというと、私の家に妹家族が泊まりに来て、はなちゃんを私が昼寝させようとしていた時に彼女が言ったのだ。
「ガオはいません、おばけもいません。はなちゃんは何でも分かっています。」
私はその瞬間思った。
「負けてたまるか。」
昼寝をしてもらわないとはなちゃんは後で熱を出すからみんなが困るのだ。
私は言った。
「はなちゃんのおうちは東京の江戸川区にあるんだよねえ?」
はなちゃんは答えた。
「うん。」
私は言った。
「東京の江戸川区といえば都会なんだ。でもここは茨城県なんだ。茨城県といえば田舎なんだ。田舎では気楽にガオが外を出歩いているんだ。」
はなちゃんは言った。
「きゃ-怖い!」
私は答えた。
「大丈夫だ、この私の袖をつかんでいればガオは来ない。早く寝なさい。」
はなちゃんは「うん!」と答えて私の袖をつかみそのまま寝てしまった。
はなちゃんはもう中学生だが、この話を私がするたび、笑っている。
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