姪っ子の、はなちゃんが、3歳位の時だ。

彼女と、彼女の母親、つまり私の妹を連れて3人で熱海のホテルに泊まりに行った。

そのホテルは、子供にとったら夢のような場所で庭に小さな子供用の遊園地があり、プールも付いてる。

館内では、戦闘モノのショーもやっていた。

ショーだけ見るのは無料なので、小さな男の子達が戦闘モノのヒーローに群がっている。

最後にそのヒーローと握手して、写真を撮って貰うのは別料金（確か1500円ぐらい）なので、その事で揉めている親子がいたりして、私は「世知辛い世の中だなあ」などど思いながら、のほほんとその光景を眺めていた。

すると、同じ光景を見ていたはずのはなちゃんが私の妹に言ったのである。

以下 妹とはなちゃんの会話

はなちゃん「ママ、あれ、中に人が入っているんだよね？」

妹 「そうだよ」

はなちゃん「お仕事でしてるんだよね？」

妹 「そうだよ」

はなちゃん 「時給850円ぐらい？」

妹 「そうじゃない？」

私は、心底びっくりした。

なんじゃ、この親子の会話は。

大体、時給850円の意味が分かっているのか？

ちなみに、はなちゃんがジャラジャラしてる小銭より、千円札の方がお菓子をたくさん買えるのを偶然発見したのは、これより1年後の事である。

そんな事は、今どうでもいい。

どこから出てきたこの850円。

この親子は、普段どんな会話をしてるんだろう？

妹もまた「そうじゃない？」なんて適当に答えている。

そうだ、世の中適当なんだ。

私の一族だけかもしれないが。