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ねぇ、お願い。好きじゃなくていいから、私の事、忘れないでいてほしい。

この記事の彼くんに振られた。

きっかけは些細なことだと私は思っているんだけど、彼くんにとってはどうやら違ったらしい。
LINEのチャットで少し言い合いが始まり、その結果、彼くんが出したのは

「ごめん、別れよう」

の答え。会ってからの話し合いもさせてもらえずに、私たちは終わった。

正直言うと、離れるときは絶対彼くんからだろうなぁと思っていたし、きっと唐突に終わるんだろうなぁと分かっていた。
喧嘩をふっかけたのは私で、ふっかけたあとも「これで別れちゃうかもな」と考えていたのは本音。

だけど、話し合いも価値観の擦り合せもできなくて、こんな風に別れを切り出されてしまうなら、どんなに好きでもやっていけないなぁと感じた。
私は私を大切にしてくれない人はいらない。

思ったよりもダメージが少ないのは、覚悟してたからなのか、それとも付き合ってたけど片思いしてたみたいな感じだったからなのか。
最初は彼くんが私に夢中だったのに、気づいたら逆転していて。
会うと大切にしてくれているなぁと感じたけど、何を考えているのかはぜんぜん分からなくて。


だから彼くんの考えが知りたくて、近づきたくて喧嘩をふっかけたけど、ダメになっちゃった。

* * *

すごく素敵なひと夏の恋だった。

彼くんがかっこよすぎて、ダイエットも頑張って生まれて初めて腹出しの服を着たり、自分に自信がついたから友達と久しぶりにプールに行ったり。

汗だくでするセックスも、手を繋いだ時に少し汗ばんでいるのも。早起きしていく散歩も、散歩先の公園で蚊に刺されるのも。暑いなーっていいながら野球観戦するのも、かわいい売り子さんを探す君に少しだけ嫉妬するのも。今年だけの特別。

もう来年は、君の隣には他の女の子がいて、私の隣には他の男の子がいるんだね。

もっともっと一緒にいて、もっともっと私でいっぱいになってほしかった。

どうしようもなく離れられないくらいに、好きになってほしかった。

「あんまり怒らないなぁ」と言っていた彼くんは、LINEではぶちぎれていたし、LINEのお返事が一日がかりでその間は怒りであろうと失望であろうと、彼くんの頭の中が私でいっぱいになっていたのかなって考えると、少しだけ嬉しい。

* * *

別れて一週間が経った。
意外と平気だなと思いつつ、考えたくなくて、本当に毎日友達と遊んだ。

そのかいあって、この一週間はめちゃくちゃ楽しかったし、一週間の予定が埋まるほど、友達がたくさんいることに感謝しかなかったし、初日以外ほとんど泣かなくて、自分でも驚いていた。

予定が落ち着いたからnoteを書こうと思った。

記事に必要な写真を集めるために、彼くんとのLINEアルバムを見た。
彼くんと一緒にいると楽しくて写真を撮るのを後回しにしがちだったから、写真が少なくて寂しくなった。

だけど、最新のアルバムには誰より幸せそうな私と、いつもどおりかっこいい彼くんの写真があった。

途端に会いたくて泣き始めた。

会いたいな、いつもみたいに彼くんの家に「ただいまー」って入って、手洗いうがいして。落ち着いたらセックスして。大好きだなぁって胸がいっぱいになって。朝起きて彼くんの寝顔を見て、幸せを感じて。

だらだらしながら、彼くんと一緒に動画見て。
行くたびに彼くんのお気に入りの動画が変わるから一緒に見て笑って。

「明日の俺のために」ってお片付けしたり、準備する彼くんをえらい!って褒めて。

帰りたくないなーって思いながら、彼くんはお仕事頑張ってるから邪魔したくなくて言えなくて、ちゃんと帰って、次に会える日を指折り数えて。

何気ない日々が本当に愛しくてたまらなかった。
この日々を大切にしたいって心から感じてた。

なのに、私は結局自分勝手でわがままで。そんな私を受け止めてほしいって思ってた。

* * *

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野球のCSを私の家で見る予定だったし、無事に阪神もCSに入ったけど、うちでは見れないね。ざまあみやがれ。いつもみたいにアプリとハイライトで細々みて楽しんでね。

金木犀を嗅ぐお散歩しようって言ってたのにできなかったね。
ここ数年は、金木犀が咲くとすぐ雨が降って匂いが落ちてたけど、今年は街中にたくさん溢れてるね。
私が一番好きな花だと、嗅ぐと世界一幸せになる花だと伝えているから、さぞ私を思い出して苦しみ悶えてね。(私の香水も金木犀。)


今年だけじゃなくて、来年も再来年もずっと秋には私のことを思い出して。


たった4ヶ月だったけど、
ほんとにほんとに大好きだった。素敵な日々をありがとう。


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