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【修行旅】星の巡礼道カミーノ ポルトガルの道③

9月11日 ヴァイラン〜バルセロス 26km

僕の思考は基本的にネガティブスタートだ(った)。
それのお陰で成功したこともあったし、逆に自分にプレッシャーを掛けすぎて、その重圧を消すために逃げてしまったこともある。
だから、朝起きると、まず自分にとって嫌な感情や思い出が想起されることが多い。
特にカミーノに行く前、日本ではネガティブなイベント続きだったから、なおさらそうだった。

カミーノが終わってから、このマイナスな考えや気持ちは変わるのだろうか。

そんな中で、今日も1日がスタートした。朝から歩き続ける。

動物園のような臭いがすると思ったら、牛がたくさん目に入った。牧草地帯に入ったらしい。

道中、腰を曲げてるおばあさんに会った。
名前はケイト。オーストラリアから来たらしく、年齢は恐らく70〜80くらいだろう。彼女は健康維持のためにカミーノを歩いているらしい。

途中、休み休みだったが、僕より随分元気そうに歩いていた。
すごい。僕はとっくに腰と肩が痛くなっていて、そんな風には歩けないというのに。

カミーノには地元のスペインやポルトガルの人以上に、世界中から巡礼者が来ている。だから、会話はだいたい英語になる。

彼女は僕の英語をすごく褒めてくれた。正直、拙い英語しか話せないし、たまに何を言ってるのかわからず、テキトーに相槌を打っているだけのときもある。笑
だから、褒めてくれたことに驚いた。

カミーノを歩いている人は基本的にみんな優しい。みんなサンティアゴを目指すという目標があるから、チームみたいに接してくれる。
朝も朝食を取ったバルでwifiやトイレを探していると、こちらが聞く前に教えてくれた。

日本人は「英語を喋る」ことにとても抵抗感があるから、日本で外人を見ても、話しかける人は少ないように感じる。

ケイトとしばらく歩いていたら、道中でシンディアというブラジル人と出会い、彼女とも3人で歩き始めた。彼女は春に結婚したらしい。

この2人は本当に優しくて、僕が足にマメを作ったら、ケイトは絆創膏をくれたし、シンディアはワセリンをくれた。
初対面だし、これから自分がどんだけ使うかもわからないのに、これだけ僕に優しくしてくれるなんて、と感動した。

カミーノでは、自分が歩いたと思った距離に反して、まだ半分しか歩いてないと絶望することは「あるある」のごとくザラにある。
この日も14/26kmという表示を見て、軽くショックを受けた。

そんなこんなでなんとか、ケイトとシンディアとともにバルセロスの街に着いた。今日の宿泊地だ。
シンディア曰く、ここはポルトガル第三、四くらいの街らしい。

バルセロスのアルベルゲは私営のものに泊まったが、とてもきれいだった。

とりあえずチェックインして、日本に忘れてきてしまったワセリンとシャンプーを買いに薬局に行った。
しかし、ワセリンはあるのにシャンプーはない…。
日本の薬局が便利すぎるがゆえに油断してしまった。

結局石鹸で全身済ますことにした。

バルセロスの街はニワトリの伝説やエッグタルトが有名だ。(伝説が気になった方は検索してみてください。笑)

近くにある城壁や、賑わっている街を軽く散策してエッグタルトを食べた。
この時点で大体夕方16時くらいだ。

宿に帰って周りの人と話したり、洗濯をしていると、もう22時になっていた。
少し早いが、時差ボケが抜けていないらしく、かなり眠くなってきたので、もう眠ることにした。

今日は人の優しさに触れ続けた1日だった。明日もこんな日が続けばいいな、と思いながらベッドに入った。

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