犬飼 猫背

好きなものは銭湯、喫茶店、読書、花 って言ってる自分が好きです

犬飼 猫背

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最近の記事

意味のない文字の羅列 -刹那-

まだかまだかと囃し立てられ、幕が上がれば終焉まではあっという間の出来事 薄紅色に近い小さなカケラは刹那を司る___ それはまるで命をかき鳴らして一瞬で駆け巡る蝉 夏を終え、冬を始めるまでの儚く淡いグラデーション それはまるで頬に降りた雪が溶けるまでの時間 ___前髪がふわりと浮いた 温い風に紛れた緊張や変化、選択などを受け止める ぬくぬくと生物たちは繁殖へと活動を始める そんな季節

    • 意味のない文字の羅列 -孤独-

      もう、どれくらい深くに沈んだのだろう___ 温度は低く、圧が強く、とても暗い底の方 心地良い孤独とはこのことか どこまで行ってもどこにも行っていないのと同じよう フワフワと浮遊し、ユラユラと揺蕩う あれから私はいったいどんな形になっただろう___ あえて自身を縁取る輪郭をぼかしてみる 今日も気のゆくままに、邪魔だけはされないように

      • 意味のない文字の羅列 -烏-

        遠くの方で鳴くカラス 白鯨のように大きく白虎のようにしなやかで 鋏のように冷たく鋭利な嘴で、広げた翼はキャッチャーミットのように分厚く重たい 人1人いない街は街ごと眠っているかのよう そこまでして評価にこだわる必要があるのか___ どれだけ薄くても良い、だから、だからこそ 自分で絵の具を足していく、広く、出来るだけ広く 遠くの方で鳴く一羽の烏 もうその色は覚えていない なぜ鳴いていたのかも分からない

        • 意味のない文字の羅列 -感情-

          大きい言葉では括れないような小さな感情たちを無数に持っている それを取りこぼさないように拾い集めて腕の中で抱える 自分くらいはそれを大事にしてやる 自分だけが分かっていればそれで良くて、他に理解を求めることはしない 共感は想像でしかないから___ 別に長くもない適当に歩んだ人生であっても、生活の大半は既視感に囲まれている 大方予想は出来るし それが良いとか、悪いとかではない 気持ちが人生の邪魔をする事なんてザラだ ふと心が動く時が転機となったこともある それが良いとか、

        意味のない文字の羅列 -刹那-

          意味のない文字の羅列 -夢-

          鳥のように地面を這いつく周り、魚のようにどこまでも高く舞う 時には大空を駆け抜けて、水中では停滞もする 夢の中では無限大 夢幻と化しても___ ___そんな目覚めはいつだって汗を帯びる 走る鼓動をまずは感じた 頭で理解するのは少しだけ遅れた でもすぐに納得した 落胆と安堵は程近い感情でもある 気がつくとそれまでの事はほとんど覚えていない、覚えていないという事を忘れているのだろう ふとすると身体が動いていたのを、また少しだけ遅れて脳が感知した そしてサドルには座らな

          意味のない文字の羅列 -夢-

          意味のない文字の羅列 -祈り-

          何でもない事はここにしかない  気づかない事はどこにでもある いつまでも出来ると思っていたことの終わりは不意にやってくる___ 人間は自分が有限が故に、無機質なものや人と人との関係性、万物の事象に対して、いつまでも無限に続くと思ってしまうことを、そうで無いと分かっていながらいつまでもそうしてしまう生き物なのだ 虹が希望を意味するシンボルである必要はないのと同じように、祈りよりも先に衝動が人を導く瞬間だってある

          意味のない文字の羅列 -祈り-

          意味のない文字の羅列 -閃光-

          煌々と体が音を立てている 風をある皮膚で受ける時 それは網膜で音を感じる時だ ちゃんと立つ  わがままでも眠る 貧乏ゆすりは不意に止まる 枝を抜けて届く不甲斐ない光はようやく頬に触れる___

          意味のない文字の羅列 -閃光-

          意味のない文字の羅列 -山-

          山の奥は、山の裏は何色の生地で覆われているのか____ スパゲティを啜った後の口元の色の広がりも、花弁をすり潰して染まった指先の色も、冷たい夜半に駆け出て見た空の匂いも、どれも等しい過去にある 無神経に解像度を上げて剥き出しにする 向かう先は_____向かった先が____

          意味のない文字の羅列 -山-

          意味のない文字の羅列 -雲-

          西の方に佇む歪んで膨らんだ濃い雲    終わってみると長くもない季節は単純で聡明だ なめらかであればあるほど複雑な構造で    澄んだ気持ちと体の表面を記憶する

          意味のない文字の羅列 -雲-

          意味のない文字の羅列 -虫-

          朗らかなだけでなく、とても大きくあることが重要 小さくても固い虫が霧雨で艶を帯びる 滲む声を、霞む温度を、どうしても堪える鋭さには自分の中の自分以外を差し出すのがいいわ

          意味のない文字の羅列 -虫-

          みんな大好き金木犀

          金木犀ってお洒落な人が好きで、金木犀のことを好きな人がお洒落みたいな風潮あるよね。 草木の中でもアンニュイな雰囲気で、また秋ってのがお洒落度増すと思うんだけど、名前も気になる。 木なのに名前に「木」という漢字が入っていて、それがまた植物!とか木!とかっていう感じを出さないであくまで植物の「木犀」というカテゴリですよ、という風にさりげなく木なのに名前に木が入ってるところが凄い良いよね。 あと「犀」ってのは動物のサイね。繊細で柔らかな香りのする花を持つ木なのに獰猛なサイの漢

          みんな大好き金木犀

          日々思うこと

          日々思うことなんて、仕事中 早く帰りたい 腹減った タバコ吸いたい 昨日もう少し早く寝とけばよかった 腰痛い タバコ吸いたい 眠い イライラする 面倒すぎる さっきもっと愛想良く返事すれば良かった また目を合わせて話ができなかった 腹減った 早く帰りたい 日々思うことなんて、休日 起きれない いや起きない まだまだ寝とく 起きれないって まだまだ寝るよー ケータイケータイ 腹減った そろそろタバコか 起きるか 腹減った 米炊いてないじゃん 録画番組を見なきゃ 洗濯物を回さな

          日々思うこと

          振られたい

          高校生ぶりに人を好きになってドキドキしてモヤモヤした感情を味わった話。 去年、職場に中途で入職した先輩。 顔が可愛くて背が高くてドジで天然。 いつも男性人気が高いすごい魅力的な人。 気がついたら勝手に好きになっていた。 一度、何人かで飲みに行ったことがあるくらい。職場ではたまに話すくらい。 当然付き合えるとも思ってないから俺は振られたかった。 どうせならきちんと振られて俺の心を玉砕して欲しかった。 ちょっと仲良くなって、2人でご飯でも行くようになって、いけるんじゃな

          振られたい

          そわそわ

          なんかずーっとそわそわする時あるよね。 特に夜ね。惰性でケータイ見て興味ないsnsとYouTubeの動画を行ったり来たりしてる時とかね。そわそわを紛らわすためになんとなくいじってんの。 漠然とした不安みたいな、言語化出来たり出来なかったりするような、妙に鼓動を感じて、少し手汗をかいて。 外の車が走る音とか聞いていて、そのうち寝られないモードに入ってしまって。 無理矢理強行突破で画面から出るブルーライトを顔中に浴びて、そのうち目が疲れて頭が痛くなって。 そこまで来たらもう

          人たらし、世間体、八方美人

          わりかし人に好かれるような性格で生きてきたと思う。 要は人たらしでズルくて、世間体を気にする八方美人な人間だから。 人付き合いも面倒くさいけど飯とか飲み会には誘われたら基本的に行くことが多い。面倒臭いけど、付き合いだから。 でも俺はケチだから、飲みたくもない酒を飲んで他人と飯分け合って食って腹一杯にもならず帰り道にコンビニで飯買って消える5,000円をクソほど勿体無いと思う。惜しくて惜しくてたまらない。 その金で何が出来た?その時間で何が出来た?俺の時間とお金は俺が使

          人たらし、世間体、八方美人

          飽きない蝉、鈴虫を懐かしむ

          飽きることなく鳴く蝉の声をbgmとしていつまでも嫌々ながら受け入れていたかった夏だった。数日前、昼休みに同僚が蝉の声を聴くとプラス2℃余計に暑く感じるといった。 _______ 雨が止んでから退勤したその日は、久しぶりに鈴虫の音を聞いた。鳴き声に涼しさを乗せて運んでいるようだった。秋はもうそこまで迫っているのだろうか。グラデーションのような曖昧な季節の変わり目を様々な声から懐かしむように、また新鮮な気持ちで感じていたい。

          飽きない蝉、鈴虫を懐かしむ