振り返る。双極性障害からの脱出④
③からの続きになります。
3日間の精神科病棟から一時的に退院したわたしは、地元の駅に到着する足で、トイレに向かった。
そして、大量の嘔吐をした。
正直、精神科病棟の光景にやられた。まるで地獄絵図の様だった。今思い出しても、非日常の暗部を見せ付けられた気がした。
数日後にかかりつけ医からの紹介で、次の入院先を決める時に、
自分が入院せざる程病んでいるのは承知の上で、出来れば閉塞過ぎない、重度の患者さんの多くない病院を希望し、新たな病院を決めた。
入院まで1週間。
下の子供は養護施設に預けられてしまった為、1週間で子供を早く自宅に戻す為に、成人して上京している息子に下の子供の引き受けを託した。
児童養護施設から子供を引き取るには条件がある。
引き受ける者が誰か、充分な収入と環境が整っているか、義務教育をきちんと受けさせれるか、
引き受け人が児相の担当者と面談してから決まる。
成人した息子には、幸いその条件が当てはまっていたのと、即座に動いてくれたのめあり、算段がついた。
それと、入院期間は長くて3ヶ月、その期間に必要な入院する為の持ち物を揃えた。
そして、それまで住んでいた家にはもう住めない為、家を引き払うべく、片付けをした。
そして、入院日の朝が来た。
入院日には家族と市の保健婦が付き添いする事も条件だった。
病院に到着し、担当医との面談。かかりつけ医からのカルテを元に診断し、その後看護師に付き添われ病棟に移動した。
どんな病棟なのか不安だった。
病室に行く前に、身長体重を計測し、持ち物全てと着用している洋服をチェックされる。
精神科病棟は、紐、刃物は持ち込めない。
自殺に繋がるものは一切持ち込めないルールだ。
紐がついている服は紐を外し、体毛の手入れに必要な刃物や爪切りは看護師が管理し、許可を貰った上で10分だけ使う事が出来る。
金銭も患者同士のトラブルを避ける為、全て預け、必要な時に金額を看護師に伝えて退院時に精算になる。
入浴は週2回。洗髪は洗面所にシャワーが付いているので、いつでも可能だった。
もちろん、病棟は鍵が掛けられているので、病棟外には出られない。
わたしは4人部屋に入った。
宜しくお願いします、と一言だけ伝えた。
病院という名の、刑務所みたいな場所だ。
この日から本格的な入院がスタートした。
続く。
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