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スニーカーやサンダルのシャンクは?(シャンクについて③)

昔からシャンクで疑問だったのがどんな靴にもシャンクはあるのか?でした。
一見、シャンクなんかなさそうに見える靴はいっぱいありますし、
そもそもスニーカーとかにシャンクは必要なのか?
スポーツサンダルは?フラットシューズは?

前回、華奢な女子シューズにもシャンクが使われていて、華奢な靴だからこそしっかりしてる部分はしっかりしてなければならないことがわかりました。
(軽さやデザインを重視して使われてないケースもあります)

スニーカーやサンダルなんかはどうなんでしょうか?
先日、偶然チャコのスポーツサンダルのソールを剥がしてみてシャンクと思われるパーツが使われてないことがわかりました。

ここでシャンクの役割について復習です。

《シャンクの役割》
・土踏まずのアーチを支える
・歩行時の補助、靴の適切な返りの実現ともとの形状への復元。
・体重がかかることで生じるソールの歪み、ねじれを防ぐ(結果的に靴自体の歪み、ねじれも防ぐ)
・地面からの衝撃を和らげる
・靴の屈曲部の位置(曲がってくれる位置、ほぼ指の付け根の関節部になる)を決める

これ見る限り、靴全般にとってシャンクは結構重要なパーツのようなのですが、
チャコのサンダルには入ってませんでした。
大丈夫なのでしょうか?
(シャンクがないとグニャグニャした履き心地になるだけでなく、歩くたびに土踏まずのアーチが潰れて疲れやすくなったり、靴自体が歪んだりする心配があります)

いつも通り、いろんな話や資料の受け売りですがチャコがシャンクがなくても大丈夫な理由はおそらく以下のようなことのようです。

①ウェビングストラップでピタっとソール部と足が固定できる
足がしっかり固定できていると足と履物が一体化してアーチを支え、屈曲部(曲がる位置)の支点も安定する。また、重さも感じ辛い。

②ミッドソールとアウトソールの組み合わせである程度シャンクの役割を代用できている

 ○ミッドソールの土踏まずからカカト部までに厚みがある

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(土踏まずから後ろは厚みがあるので曲がるのは前の部分)

 ○アウトソールに堅い別パーツがくっつけてある

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このミッドソールとアウトソールがくっついて一体化してる状態だとかなりしっかりしたソールになっていて、ちょうど屈曲部(曲がるところ)も指の関節部(ボールジョイント)あたりに固定され、シャンクの役割を代用できている。

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(ミッドソールとアウトソールがくっついてると押し付けても前の方のこのくらいの位置からしか曲がりません)

どうやら、

・ソールは比較的やわらかい素材だけど厚みの調整と強度のあるパーツの組み合わせで曲がる場所を前方に固定、柔軟性と強度を確保。

・アッパーが足をソール(台)に固定してくれていて前後左右にずれたりしないので歩くときには曲がるべきところで曲がり、ソール後方の厚みが土踏まずのアーチを支えてくれる

というような事のようです。

こういうスポーツサンダルやスニーカーにはそもそも落差のできるヒールがありません。

(ヒールといえばパンプス)

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パンプス はこの空間を支えてあげなくてはいけないわけですが(のため強いシャンクが必要)こういう心配はしなくていいようです。


“シャンクの機能を完全に代替してるというよりは目的に応じた設計とパーツの工夫でシャンクの役割なども果たしつつ、使用シーンでのより快適な履き心地を目指している“

という感じです。

ということで、
『スポーツサンダル、スニーカー、フラットシューズなどでは前回までに紹介したような独立したシャンクというパーツを使わず
・色んなパーツにシャンクの機能を代用させたり
・ソールと一体化させたり
で目的に応じて必要な機能や強度を得る工夫がしてある』

ケースも多いようです。

もちろん普通にシャンクのパーツが使われているものもあります。

ちなみにテバのハリケーンXLT2にはナイロンシャンクというパーツが使われてます。(画像は見つかりませんでした。おそらくナイロンのシート状のようなもの?がアウトソールとミッドソールの間に挟み込まれている感じです。気になる人は検索してください)

ちなみにスニーカーのシャンクは以下のようなパターンがあるようです。

・アウトソールに内蔵
・アウトソールに外付け
・ミッドソールに組みこまれたり、一体化してある

具体的にはこういう感じです。

MBTは特殊な目的のシューズですが図解が分かりやすかったのでご参考までに。
ミッドソール組み込み型とアウトソール内臓型かと。

下の画像はアウトソール外付け型シャンク。

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アシックスのトレイルランニング用シューズ(山道を走るので路面はめちゃくちゃ不安定)なのでかなりしっかりしたTPU(熱可逆性ポリウレタン、スマホのハードケースによく使われている)素材でガチッと固めてあります。ランニングシューズはこのパターンも結構多いです。

<まとめ>
・シャンクあるいはシャンクのはたす機能は靴にとってとても重要で靴全般で使用されている。

・シャンクはスニーカー、サンダルのようなものにも使われている。あるいは同様の機能を果たすよう設計、パーツの工夫がされている。

・シャンクを使ってない靴もある。(脚力、体幹を鍛えるためとか、ファッション性、軽さ柔らかさを重視したためとか)

・シャンクの役割とか重要性を考えると、靴のサイズがあってないとかなり履き心地に影響し、足や健康にもよくなさそうです。サイズのあってるものをを選ぶのは思ってるよりもかなり大事。


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