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靴のサイズ、足長と捨て寸問題①どのくらい余裕あればいいのか?(靴のフィッティングについて)


靴のサイズ表記っていったいどうなってんの?」についてこれまであーだこーだ説明してきました。

「日常的な疑問で、かつはっきりしないこと」だったはずなのでどんな感じかわかっただけでもよかったと思ってます。

が、実は「靴のサイズ」を取り上げといて「フィッティングについて」は全然触れてません。

なぜかというと「ハードル高くて取り上げ辛い」と言うのが本音です。

とても専門性が高くて、プロ的な人たちも多く、意見の分かれる分野です。

<例えばよりプロ的なシューフィッティングの人とかもろもろ>
・シューフィッター
・スポーツシューズ(スニーカー)系のシューフィッター
・理学療法士など(医学的、人間工学的アプローチからのフィッティング)
・ブランドやメーカーごとのおすすめのサイズフィッティング
・ベテランシューズ販売員

などなどで、かなり専門性の高い分野です。
掘れば掘るほどいろんな考え方がでてきます

しかも、
合わないサイズや形状の靴を履くと足を痛めてしまったり、体調、健康に悪影響があったりするという結構シビアなアイテムでもあります。

ちょっと緩めの(あるいはキツめの)パンツをはいたのとは段違いの負荷がかかります。

なので“テキトーなことは書けないな“という思いもあり、今のところガッチリやる気はないです。


とはいえ 現実には日常的に靴のフィッテイング対応は発生します。

で、今までさんざんでてきた『足長と捨て寸』についてだけ少し取り上げてみようと思います。

“足の実寸26cmの人は内寸26cmの靴は履けません“という話です。

感覚的にはだれでもわかると思います。

つま先カツカツの靴を履いて快適ということはほぼ無いです。

(足長と捨て寸)

●足の足長というのは“かかとの一番でてるところから一番でてる足の指の先までの長さ“です。

●捨て寸とは“足のつま先と靴の内側の先端との差(ゆとり分)の長さ“です。
(足の実寸足長と靴の内寸足長との差と言ってもいいですが、このゆとりはほぼつま先部に設けられてます)


画像1

   
かかとから指先まで赤線分の長さが足の実寸、足長。
靴の中で余ってる分が捨て寸。

もうちょっとわかりよく見たい方はこちら


(捨て寸の役割)

捨て寸が必要なのは


●歩行すると靴の中で足の大きさは変化する、体重かかれば大きくなるのでその分のスペースが必要(踏み込むと足のアーチが潰れる)

●歩行の屈曲時に足が全体に少し前に動く、その分のスペースが必要

というのが主な理由です。

詳しくはこちらの図解を。余裕ある人はついでに内容も読んでみてください

▲            ▲            ▲            ▲



ということで靴には足の実寸の長さに対して少しゆとりが必要です。

が、じゃあ、どのくらいのゆとりがあればいいのか?

このゆとりに関しても実は結構いろんな考え方があります。

例えば

①、私たち自身も靴の試着対応時によく使う

「つま先に1.0cmくらいのゆとりがありますか?」

1.0cmはちょっとギリなので「1.0〜1.5cmくらいの余裕があるか」
これが一番スタンダードで多数派、誰でも知ってると言ってもいい考え方です。

なんですが、これだと全然足らないという説もあります。


②、昔のハンドメイドの靴つくり時代から伝統として伝わっているのが
「大人の靴なら1インチ(2.54cm)の捨て寸(足の親指の幅1本分)が最低限必要」だそうです。

これ女子靴も同様らしいので足の実寸23cmの人は靴の内寸25.5cm必要ということらしいんです。
しかも2.5cmというのは大人の靴の最低限の長さらしくて、足が大きくなればそれに応じて捨て寸も必要だそうです。
(22cmの足と29cmの足の捨て寸が一緒でいいかと言われれば確かにダメそうです。)

「捨て寸は最低2.5cmで、足の大きさに応じて「同寸ではなく同比率分の長さ」が必要」という考え方。

靴の内寸足長というのは靴型(木型)の長さになるわけですがオーダー革靴の世界では採寸した足の寸法に対して木型サイズを2〜4cm(デザインによると思います)くらい長くとるのが普通です。

とっても有名なフルオーダーの靴屋さんの有名な靴制作の解説書では、実際に一足、靴を制作する過程を細かく解説してくれているのですが、
この中では実寸約25.0〜25.5cmの足に対して28.5〜29.0cmの木型をつくってます。(もちろん足幅、ボリューム、靴のデザイン、全体バランスなどいろんな要素があっての設定です)



③、似てる考え方で捨て寸は決まった長さではなく、足の大きさの10%分必要という説もあります。23cmなら2.3cm、27cmなら2.7cm。
(割と説得力あるかも、、、)


“でも、既成靴で2.5cmを超える捨て寸のあるケースってあんまり見ません。“



④、かと思えばピタッとフィットしていれば捨て寸そんなにいらないという考え方もあります。「スニーカーでかかととポールジョイント(指の付け根関節、足の一番広い場所)がビタっときてシューレースで固定できれば捨て寸0.5〜1.0cmでOK」みたいな考え方。


①〜④の例をあげてみましたが、他にもいろんな考え方があります。

『捨て寸』っていったいどう考えるべきでしょうか?


次回に続きます。

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