567○ 低温の中に
「低温の中に」
自ら恋をしなくなってから
いや恋をしてはいけないと
自らの光を遮断して
厚手の影を常に羽織っていた
その姿も滑稽だが
見方を変えればどこか凛々しく
低温の中で時間をくゆらせ
来るべき時を待つ超然体であるようにも見えたりして
流れ星のような巡り合わせに
忘れていた炎を慌てて探していたら
あっという間に元のまま
ただその衝動が
地底に眠ってしまった私を起こして
また夢見させてくれるだけでも
水を得た花のように
私はまだ枯れていないと
解らせてくれている
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NAKAJI
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