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便利は不便?

 外国人の保護者が多い学校では、「学校だより」などにルビ(ふりがな)を付けて配布することが多い。

「漢字を読むことは苦手だが、ルビがあれば何とかなる」
 という保護者に対しては、有効な支援策だと言えるだろう。

 Wordにはルビを一括で付ける機能があるので、学校側にとってもそれほど大きな負担にはならない。

 ところが、外国にルーツがある子どもが多く在籍している小学校の校長先生から、
「最近は『ルビを付けるのをやめてほしい』という要望があるんですよ」
 という話を聞いた。

 それは、
「画像のテキストを外国語に翻訳するアプリの場合、ルビが付いていると上手く読み取れないことがあるから」
 なのだそうだ。

 日本語の理解が不十分な保護者にとっては、ルビ付きの日本語よりも母国語に翻訳された文書のほうがありがたいに決まっている。

 こういう保護者にとって、ルビは邪魔な存在になってしまうのだ。

 技術が進化するスピードは加速度的に増している。
「便利が不便」にならないように「アンテナ」を高くしておく必要がある、と感じた話だった。

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