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炎天下での高校野球

 石川県の馳浩知事は今月28日の記者会見で、その前日に行われた全国高校野球選手権・石川大会の決勝について、「この暑い中、午後0時半開始はおかしい」と疑問を呈した。 

 馳知事といえば、アマチュア・レスリングの選手として1984年のロサンゼルス五輪に出場した後、プロレスラーへ転身して活躍。その後は政治家として文部科学大臣も務めた人物であるだけに、この発言は大きな波紋を呼んでいる。


 今夏の暑さは史上空前だとも言われており、この時期に開催される高校野球はその影響をもろに受けている。今月26日に行われた神奈川大会の決勝でも、暑さによる選手や審判のアクシデントによって試合が2度にわたって中断し、話題になったばかりだ。

 あるテレビ局の放送では、高校野球の地区大会を中継する一方で、
【熱中症対策 日中の運動は控える】
 というテロップが画面に表示され続けるという、ブラック・ジョークだとしか言えないような状況まで起きていた。

 おそらく、こうした暑さは来年以降も続く。もはや炎天下に行われる高校野球を「夏の風物詩」などと言っている場合ではないだろう。
 今年、本大会を予定通りに甲子園球場で行うのならば、水分補給や休憩時間の確保など、安全対策に万全を期さなければならない。これは選手たちだけでなく、審判、応援団やブラスバンド、観客などについても同様である。
 そして今後は、次のような対策を取ることが必要だろう。

・地区予選は、他のインターハイ種目と同様に5〜6月に実施
・本大会は甲子園球場ではなく、空調設備があるドーム球場で開催
(どうしても甲子園にこだわるのなら、開会式と準決勝・決勝だけナイターで実施)

 記者会見で馳知事は、「生徒諸君が頑張っているという美談で終わらせてはいけない」とも述べている。まさにそのとおりだ。

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