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超重GIGA

 ある自治体の小学校で教育実習を行った学生から残念な話を聞いた。

 その学校では「GIGAスクール構想」で整備された「1人1台端末」が全く活用されていなかったのだそうだ。

 いわゆる「GIGA端末の文鎮化」である。

 ・・・この学生によると、活用されない理由は明白で、
「インターネット回線が重た過ぎて、なかなかつながらないから」
 だという。

 実習を担当してくれた指導教諭の話だと、導入当初は積極的に活用しようとしていたらしい。しかし、

・回線が重たくてインターネットにつながらない。
・そのうちに子どもたちが飽きはじめる。
・私語や立ち歩きをする子どもが増え、教室内が騒然となる。

 ・・・という状態が繰り返されたのだそうだ。

 苦肉の策として、
「時間帯によって使用できるクラスを割り当てる」
 ということにしたのだそうだが、それでは端末を使いたいときに使えなくなってしまうことになる。

 結局、そのうちに「文鎮化」してしまったらしい。

 まあ、個人的には、
(インターネットにはつながらないとしても、せめて「カメラ機能」だけでも使ったら・・・)
 と思うのだが。


「GIGA端末」の活用が進んでいる自治体の場合、かならずと言っていいほど、端末の整備と同時に回線の拡張や高速化を図っている。

 また、スマホと同じようなセルラーモデルの端末を導入した自治体もある。

 先見の明があったといえるだろう。

 ・・・もっとも、それまで“1校40台”だった端末を“1人1台”にしたらどうなるのかについては、簡単に予想ができたはずなのだが。


 繰り返しになるが、残念な話である。

 ・・・回線が重過ぎてGIGA端末を活用できないというこの状態を、

 超重GIGA(ちょうじゅうぎが)

 と呼ぶことにしたい。

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