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雪と遊ぶ


 雪がどっさり降ったのある日。
 うかれて外に飛び出すわたし、娘、息子。

 雪は30センチ以上積もっている。こんなことは珍しい。それに日曜日。天気もよくて雪遊び日和。

 三人三様で雪とたわむれる。わたしが歩くたび、長靴がキュッとキュッと音を立てる。振り返り、自分の足跡をみると、くっきり靴裏の跡が。ハンコみたいだ。

 子どもらは、ふかふかな雪に仰向けで寝そべっている。ふたりの人型が完成。

 それからそれから、雪うさぎ、雪だるま、雪合戦……。

 まだまだ雪はある。

ふと、思いついて

「かまくらをつくろう!」

 いってしまったわたし。子どもたちの目は期待でキラキラしている。いってしまってから、急に不安になった。本当にできるのか……。

 とにかくやってみよう。

 スコップを使い、手分けして雪を集め、一輪車で雪を運ぶ。隣の実家から板切れを拝借して、屋根と壁の補強をすることにした。あとは、雪をひたすら乗せて、手やスコップで固める。

 3人とも無言でもくもくと手を動かす。

 気づくと雪遊びしはじめてから、3時間が経っていた。ようやくかまくらが完成。子どもたち2人一緒にギリギリ入れる大きさだ。

「かまくらの中で何か食べたい。ずうっと夢だったの。」

 娘がいうので、慌てて温かいスープを用意する。

「寒いけど、あったかいね。」

 鼻の頭を真っ赤にしながら、笑顔の息子がいう。

 かじかむ手をこすりながら、空を見上げたら、また雪がちらついてきた……。

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