見果てぬ旅路の先(小説)
数年前、
医療の最前線に立ちながら技術の進化にも貢献したいと思い、十年続けた臨床医から臨床研究医に転身した。
日中は通常の勤務医と同じように臨床の現場に立ち、仕事の前後で研究のデータ収集や実験、
加えて論文執筆や学会発表など、
とにかく膨大な量の仕事に追われて勤務と研究の両立に忙殺される日々を送っている。
昨夜も徹夜で論文を書き上げてからそのまますぐに早朝から通常の勤務で、一日中診察に来る患者が途絶えないまま勤務時間を超えて残業になり
日没後にようやく退勤したかと思えば、