経営の技法 #25
3-6 デュープロセス
刑事訴訟上の概念として生まれた「デュープロセス」という概念は、適切なプロセスによってリスク対応できる、という意味で企業法務でも活用可能であり、とりわけ、チャレンジのための内部統制確立に役立つツールである。
<解説>
ここでは、以下のような解説がされています。
第1に、デュープロセスという概念は、リスク管理のツールとして使えることを説明しています。
第2に、刑事事件でデュープロセスが使われる場合と、企業法務でデュープロセスが使われる場合の違いを説明しています。
第3に、デュープロセスで説明されるべき場面、すなわち経営判断の原則など、さまざまな場面が説明されています。
第4に、デュープロセスという概念が活用される場面を整理しています。すなわち、制度設計の場面と、個別事案の対応の場面です。
2.デュープロセスに気付いた経緯
社内弁護士になってしばらく経ち、自分の立場や役割を考え始めたとき、何かのテレビ番組の中で、失敗を恐れずに様々な事業にチャレンジし続けてきた会社経営者が、「(無謀な冒険でも、慎重すぎて臆病になるのでもなく)結局、やるだけのことをやる、そのことを、人事を尽くして天命を待つ、と言うんだろ?」と言っていた一言がヒントでした。
似たような機能を有する概念を探しつつ、これに合う適切な言葉を探した結果、本書で説明したような内容に整理されました。
3.おわりに
デュープロセスという概念は、内部統制やリスク管理から見た場合、特にリスクコントロールとの相性が良いようです。
意外にも、労働法の分野で有効な概念です。というのも、労働法の問題は、メンタルやハラスメントのように、不法行為(付随義務論)の問題が増えており、画一的な解釈や解決が難しく、事件ごとにその経過まで見なければ理解できない状況なのです。
※ 『経営の技法』に関し、書籍に書かれていないことを中心に、お話していきます。
経営の技法:久保利英明・野村修也・芦原一郎/中央経済社/2019年1月
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