芦原一郎

法務の技法 #35

今日のキーワード:
【ストーリー探し】
実際に起こった過去のできごとについて、
単に外形的にその経緯をなぞるだけでなく、
そこに関与していた者の心情や、
そこでの判断の背景事情などについて、
できるだけリアルで納得できるストーリーを探す作業。
認識の共有にも使えるツール。

【解説】
最初に用法注意です。
口裏あわせではありません。
悪いことを隠すのでもありません。

本当のことをしっかりと把握す

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法務の技法 #34

今日のキーワード:
【たしかにしかし】
しっかりした構成の文章を、
簡単に作るためのツール。
「たしかに」で始まる段落で自説の弱点を指摘し、
「しかし」で始まる段落で弱点を克服することで、
限られたスペースで、
しっかりとメリハリを見せる。

【解説】
5行でプランAを説明しろ、無理だよ。。。
そんな時、「たしかにしかし」に当てはめてみましょう。
プランAの説明について1行。
プランAの最大の難点

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大手法律事務所巡り #1

【沼田知之弁護士(西村あさひ法律事務所)】

この日は、3か月に亘る「西村あさひ法律事務所」セッション(計3回)の初回です。
テーマは、「実効的な不正防止体制の確立」です。
副題として、
-法的分析を踏まえた仮説・検証アプローチ-
と説明されていますが、様々な知見を総合的に活用するもので、
とても新鮮でした。

1.視野の広さ
まず、感銘したのが、沼田先生の視野の広さです。
ITに関する技術的な話

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経営の技法 #18

2-7 ガバナンス不全の背景①
 会社組織論を検討する際、日常的にリスク管理することが何よりも重要であり、内部統制(下の正三角形)の方がガバナンス(上の逆三角形)よりも重要だが、ガバナンスも、最後の拠り所として重要である。

<解説>
1.概要
 ここでは、ガバナンス(上の逆三角形)が機能していない場合について、次のトピック(同書2-8、当ブログ#19)と2回に分けて、具体的な事例をあげて、その原

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経営の技法 #17

2-6 誤訳の罪
 会社経営に関し、とりわけリスク管理に関わる重要な概念に対し、明らかな誤訳が散見される。これによって、企業のリスク管理や自浄作用に大きな悪影響が生じている。言葉の持つイメージに流されず、事実を見極めることが重要である。

<解説>
1.概要
 ここでは、コンプライアンス、コーポレートガバナンス、アカウンタビリティに関する訳語の誤りと、それがもたらす害悪について検討しています。
 

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法務の技法 #33

今日のキーワード:
【アームスレングスルール】
金融機関が、
関連会社の管理を適切に行っているか、
関連会社を使って不正を行っていないか、
を確認する際に使われることが多いが、
関連会社との関係が問題になるのは金融機関に限られないので、
一般事業会社でも活用すべきツール。

【解説】
普段の仕事であまり使わない言葉かもしれません。
けれど、この言葉が出てきたときに、
チンプンカンプンにならないよう

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法務の技法 #32

今日のキーワード:
【事実確認優先】
トラブル対応などで、事実確認が曖昧なまま対策を検討すると、
曖昧な事実の都合のいい部分を強調して、
部門間での責任や対応業務の押し付け合いが始まる。
外への対応の前に、社内の足並みを揃えるためにも、
事実関係を早急に確認しなければならない。

【解説】
最近は、モンスタークレーマーが増え、
反社との関係遮断も叫ばれています。
実際にトラブルになった場合の対応に

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経営の技法 #16

2-5 内部通報制度
 一部の会社では、実際に機能している事例もあると聞くが、多くの日本の会社では、導入したものの機能していないと言われる。近時の不祥事の多くは、内部通報制度が機能すれば、問題が小さいうちに対応できたように思われ、実効性ある内部通報制度の構築と運用が望まれる。

<解説>
1.概要
 ここでは、内部通報制度が機能していなかった事例の原因分析と再発防止策の検討を通して、内部通報制度が

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経営の技法 #15

2-4 第三者委員会
 名称は様々だが、社外メンバーが会社業務を検証するために設置される、非常設の機関。最近は、会社経営者の判断を追認するにすぎない「名ばかり第三者委員会」も散見され、第三者委員会の実効性や信頼性の確保も重要な課題である。

<解説>
1.概要
 ここでは、まず、日本で良く見受けられる「第三者委員会」(名称は様々です)に関し、欧米ではほとんど見受けられず、日本固有の機関であること(

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法務の技法 #31

今日のキーワード:
【5段階のなぜ】
ビジネスの本質にたどり着くために、
5回「なぜ」を問いかけると良い、
と言われることがある。
原因分析を行う場合や、
再発防止策を考える場合、
なぜこうなったのか、
なぜ有効と考えるのか、
を5回問いかけると良い。

【解説】
当然、同じような質問を5回するのではありません。
深度が増す質問の回数です。

ただ、いきなり質問攻めされると、
相手はたまったもので

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