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未完成の美学

日光東照宮の『陽明門』には、模様が逆さまの「逆さ柱」や目のない「目貫きの龍」の彫刻などがあります。これは 「建物は完成と同時に崩壊が始まる」という古来からの考えに基づき、あえて完成させず未完成にしているからだといわれています。
神社にもそうしたあえて未完成にしている建物があります。

ダビンチも「モナリザ」を描き続けて最後まで完成としなかったそうです。

私の好みですが、テクニックや完成度よりも、心のこもったものに感動します。
詩、小説、絵画、音楽も完璧なものよりも、LIVE感を感じさせるものに感動します。
私自身の詩や物語を、自分で読み直すたびに、句読点や文章を書き直したくなります。

私のオリジナルの音楽を聴いてもらうとわかりますが、歌をきちんとうまく歌おうとは思わないので、ライブを感じさせるものになっています。ところどころリズムや音程もはずれていますが、これでいいのだ、なのです。

ONE PIECEの、麦わら一味の声優さんたちが共演しているラジオを聴いていて、最終章の「エッグ・ヘッド編」のエンディングテーマ、「Dear sunrise」を歌っている大槻マキさんがゲストで出演して、生で歌いました。その後、声優の方々が感動して泣いている方もいました。

スタジオ録音のほうが演奏も歌もきれいに整っていますが、生歌はライブ感があって、整ってはいませんが、私も聴いていて感動しました。

私は高校生の頃からスタジオ録音のものより、ライブ版が好きでした。
手紙も印刷よりも手書きのほうが胸にしみます。
LINEやメールよりも、電話や直接会って話した方が伝わるものがあると思います。

未完成ゆえに魅力があり、感動をあたえると私は思っています。
未完成なもののなかに、成熟された、あたたかいなにかが宿っているような気がします。

             (了)

この記事にあわせて、私のライブ動画、「白鳥の詩」。
冷静に聴くと、声はでていないし、音ははずれているけど、これがLIVE。
歌詞をぜひみてほしいです。



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