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『MAGIC』セルフライナーノーツ-その4(最終回)

 ガストバーナー3rdミニアルバム『MAGIC』が世に放たれました!!!どうですか!!!!かっこいいですか!!!!!

 きっとこのミニアルバムは、僕にとって人生で自慢の一枚になると思います。それほどまでに、人生の一部分を織り込めた作品だと自負しています。そんな音源のセルフライナーノーツ、今回で最終回です!!!

演奏する我々(PHOTO by イノコシゼンタ)



[13]こんなバンド無理!

 「こんなバンド無理!!!!」実は結成当初しばらく、僕はとある大阪の親しいバンド先輩に、ガストバーナーの愚痴をこぼしていました。あまりに皆が自由すぎるように見えて、バンド活動の制御がつかなかった時の話でした。今思えば一癖も二癖も、いや、それ以上あるメンバーの性格を分かっていない時期でもありました。
 後にも先にもこういう相談ができる人は一人しかいないのですが、「まあそれは長く続かんかもな」と言われました。夜風を浴びながらコンビニで買った酒を酌み交わしながら「まあもう少し頑張ってみて、ダメだったらダメですね」と言ったような気がします。
 そんな先輩と先日飲みにいって「ガストバーナー良い感じやな!本当にあの時と比べて上手くいって良かった!」と話してもらえました。なんだか数年前を思い出しながら、ガストバーナーがなんとか続いて良かったと感じながら、焼き椎茸をアテにお酒を飲んでいました。勿論それは僕の力でなんとかしたとかでなく、全員で乗り越えたものだった。
 きっとあの時、僕の愚痴をあのタイミングで聞いてもらえたおかげで、なにか胸のつかえみたいなのが取れて、すっきり向き合う気持ちができたような気がします。その後も「こんなバンド無理!」な局面を何度か乗り越えて、『MAGIC』までたどり着いています。

結成初期の我々


[14]GOODBYE

 これはマイケルさん(ex.みそっかす)の作成したデモのイントロから膨らませて作った曲です。この曲を最後にマイケルさんは少しずつフェードアウトしました。そのためマイケルさんの最後の置き土産だと思っています(※関係は普通なのでまたひょっこり会うと思います)。
 Two Door Cinema Clubの「Handshake」という曲を参考に(この曲もまた10年以上前ですね)ドラムを作ったのですが、「GOODBYE」という名前の曲を作るのに「Handshake」を参考にしているなんて何とも皮肉めいたものがあるなぁとも感じていました。

 元々こういうビートは凄く得意なのですが、僕がもう一つ京都でドラムを叩いているバンドであるZOOZの活動を経てより洗練された気がしています。そのビートをしっかりとガストバーナーにも持ち込めたことになんというか、掛け持ちしている強みがあるなぁと感じています。良ければZOOZも聴いてみてくださいね。

[15]春来
 加納さんが泣いていました。「ナンバーガールの解散ライブビューイング、一緒にいきませんか?」という誘いに乗ってくれてスタジオ終わりに一緒に観に行ったのですが、加納さんが大変感動して泣いていました。しばらく話せないほどに。
 放心状態から帰ってきた加納さんは、ガストバーナーLINEの返事を大変雑に返していたので、「それはダメですよ」と後日お伝えしましたが、それくらいに心を持っていかれたみたいです。
 言わずもがな、この曲のドラムはアヒトイナザワ氏をしっかり意識しています。16ビートはやおは、アヒトイナザワ氏とUSノイズバンドDeerhoofの奇人ドラマーであるグレッグ・ソーニア氏を足して2で割ったようなドラマーなのです。大学の頃、コピーしたなぁ、ナンバーガールも、ZAZEN BOYSも、Deerhoofも。

 全部血肉になって今のドラムに活きてるんだと思うと、学生の頃の青春がまだまだ続いている実感がありますね。日本の奇人ドラマーとして認知されたいなぁという欲は尽きません。まあもっと個性を全開に出していこうと思います。


[16]MAGIC
 以上、『MAGIC』セルフライナーノーツ(16ビートはやお編)でした。音源というのはその時までに重ねた人生と、現時点の影響の組み合わせ、そしてそれをメンバーで掛け合わせて完成しています。来年同じ内容の音源はできません。メンバーが人生を重ねてまた違う影響を受けているから、できるはずがありません。二度とこの空気感をパッケージングすることはできません。
 そう言った意味では、どんな音源だって『MAGIC』なんだろうと思います。しかし、今作はとりわけ『MAGIC』なんだと感じています。ガストバーナーの4人は凄く歪なバランスを取って活動しているのですが、不思議と倒れない屈強なバランス感覚をもって支え合うことができています。崩れるはずのジェンガに接着剤をつけて無敵状態になっている感じです。
 正直どこかの場面でバタンと倒れてもおかしくなかったのですが、なんとか風雨を凌いで生きています。まあ喧嘩もしますが、その結果が「バンド楽しい!!!!」に集約されてしまうなんて、素敵じゃないですか。奇跡かも。この4人を集めたはるきちさんは先見の明があるのか、本当に運が良いのかはご想像にお任せしますが、まあそれもまた『MAGIC』ということで良いのではないでしょうか。またライブハウスでお会いしましょう。

アー写を引き延ばして気恥ずかしいですが部屋に飾っています。


 以上、セルフライナーノーツでした!!読んでいただきありがとうございました!!!!!ドラムやってて良かったなーと思える一枚をみんなで作れたのが幸せです。そんなこんなで、聴いていただければ嬉しいです。破茶滅茶なドラムでお聞き苦しいかもしれませんが、それが僕の人生です。

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